お盆の晩餐は二刀流

お墓参りも済ませたし老舗の『うな重』も喰った。あとは夕食の食材を購入して帰るのみ…と向かった先は哀愁のイナカ町には存在しないデパ地下なのである。
そこにはシウマイで有名な崎陽軒のコーナーもあるのだが、残念なことに大好物の『シウマイ弁当』は扱っていないのね。ないことが解っていてもいつも行く度に店員さんに「置いてないの?」と訊いてしまうのだけれども、返ってくる答えはやはり毎度「申し訳ございません」なのである。そりゃそうだよな、いくら静岡だって売れるか売れないか判らない商品を置くヨユーなんてないはずさ。

ところが!である。ムシの知らせなのかデパ地下に到着して何故か真っ先に崎陽軒コーナーに行ったボクは、そこに黄色い包み紙の例のやつが数個積まれているのを発見してしまったのだな。いや〜、嬉しいったらありゃしない。
その日がお盆の晩餐であることも忘れ、つい購入してしまったのは言うまでもない。ついでに食べたことのなかった『横濱チャーハン』ってのも一緒にね。いくつかあった弁当はボクが見ている前でアッと云う間に完売、真っ先にソコに向かったのは神の思し召しか。あれ?今日はリッチ系料理にするんじゃなかったの?な〜に知ったこっちゃねぇよ、弁当はシメに喰うのさ。
冷蔵庫には白ワインが冷え冷えになって待っていてくれているのを承知していたので、この日はそいつに合う料理の食材を見てまわった。いろいろ美味しそうなものは当然たくさんあるし、作るのがメンドだったら高級デリカテッセンってテもあるしね。

簡単なおつまみも欲しいなあ…と思い、ワインコーナーに隣接する輸入食材を眺めていたらソムリエ風なきれーなおねーちゃん店員が試食などを案内してくれるのよ。そしてババア母君がいなければ「今晩一緒にお食事でも…」と声掛けしたくなるような彼女が「チーズはお好きですか?」と訊いてくるではないか。もちろんですよ、ええ。特殊でマニアックなチーズだってスキでたまんないですから、はい。
彼女のおすすめは“Rothschild家のチーズ/ブリー・ド・ムラン”で「ちょうど完全に熟成が進んだところで、中心の芯もとれた最高の状態ですね…」というこのチーズは100gで¥1600もするチョ〜高級グルメじゃん。へいへい買いますよ、キミのためならミエはって。

いや〜堪りませんねえ、このチーズ。熟成期間が長いだけあってとてもブリーとは思えない味わい深さ。香りも食感も存在感たっぷりで、これならワインも赤白どちらでもイケそうだ。
そして本日の日記で一番イバっているフォトは『魚介のカルパッチョ』である。でもいくらイバったって前菜は前菜なのよ、あくまでもメインは崎陽軒の弁当なんですからね。えぇ?そんな冷たいこと言わないでくださいよ、ワタシだっていちおーテマヒマかけて作られてはお皿に盛付されたんですから…ってことで、ちいとばかし自慢しちゃおかな。
魚介は明石の真ダコ・丹後の鳥貝・北海道産ミル貝・千葉の赤貝…って静岡県産はないのかいっ!いいんです、この時期はその産地がいちばん美味しいんですから。さすがデパ地下だなあ、これだけイッキに素材を揃えるのはけっこータイヘンなのよね。ドレッシングは先日ご紹介したオニオンドレッシングをベースに自家菜園のパプリカなどコンカッセして加え、少しだけ柑橘を搾って夏らしくさっぱりと仕上げたもの。
切り身をお皿に並べてそのドレッシングをかけまわすだけなんだけどハッキリ云って美味すぎました。特にタコが出色の出来栄え、やっぱし明石のタコはいいねえ。ぐにぐにぶりぶりした食感からじんわり滲み出てくる極上の甘みと旨味。スライス6枚で¥480というお値段にも納得がゆく。

ムール貝のインペリアルソース煮込み』には少々手こずった…と言いたいが、ジツはこれヅメカンなのよ。知人からいただいたこのスペイン製缶詰は“ビールによく合う”って触れ込みなんだけどワインにだって上等な肴だ。もちろんそのまま食しても極上の美味しさだけれども、ちょっとイタリアンパセリなんぞを刻んでトッピングすれば一層その美的ヴィジュアルが燃え上がる。
まったりねっとり舌に絡みつく様相はセクシィで滋味に満ちていて、こいつをガーリックトーストにオンして食したならばいつ死んでも構わない…とさえ思えてくる。って、こんなもんで死んでもいいのかい?ごめんなさい、まだまだ喰いたいものだらけで煩悩は捨て切れません。

スペイン製のサラミもつまんだりしてけっこーハラいっぱいになったにも拘わらず、やはりメインの弁当に手を出す罪深きエロおやぢ。いいじゃないか、今日はお盆の晩餐なんだからさ。
横濱チャーハン』¥540は基本テキに『シウマイ弁当』のスタイルを踏襲したものだった。後者の評判に隠れてなかなかオモテに出てはこないけれど、ジツはなんと半世紀以上に亘って愛され続けているロングセラーだったのね、デパ地下で売っていなかったら知らないままだったかも。
パラッとしていながら適度なシットリ感を保った炒飯にはチャーシューもたっぷり、こんなに旨いチャーハンって弁当では経験がない。鳥唐揚のチリソースや自慢のシウマイ2ケ、タケノコ煮物とキュウリの漬物までついてこのお値段は驚異テキである。文句なしに美味い。やはり同社のこだわり“経木の弁当容器”がそのクオリティーの秘訣か、ハラいっぱいなのに全部喰っちまったじゃないか。よりグレードアップした『炒飯弁当』¥780ってのもあるらしいから、今度首都圏に出向く機会があればぜひ食してみたい。
ってコトで、先ほど「いつ死んでも構わない」という発言は撤回させていただきます。あぁ、煩悩多過ぎだよな…を改めて自覚する二刀流お盆の晩餐なのであった。


クリック↓↓↓で応援をお願いします






木陰でひっそりと暑さを避けて
お願いだからさ、早く涼しくなってね



August 16. 2013. @MyGarden






とがしさま
おはようございます!
悩んだりなんかしませんよ、両方買えばいいんですから (´▽`*)アハハ
しかしこーゆー弁当を知ってしまうと、その後の弁当ライフが悩ましいものに…



ひまわりさん
こんにちは!
料理ってその美味しさが見た目で8割くらい決まっちゃうんですよね、食す人の脳が「美味しいはずだ」って判断してソッチ方向の知覚神経しか作動しなくなっちゃうんじゃないのかな。だからエロおやぢはそーゆーところを上手く利用するわけでして(≧∇≦)b
先ずは『横濱チャーハン』で入門、そのあとは『炒飯弁当』ってので崎陽軒の深さを知る…ってのがいいコースかな。ボクはこれから『炒飯弁当』を探す旅に出ます(笑)
   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ひまわりさん おはようございます!
若い時は親からもらったモノで勝負出来ますが、トシをとると全て自己責任…そのヒトの人生や知性とか教養みたいなものが顔や容姿に滲み出るようになってしまいますね。あ…ボクですか?話になりませんねえ(笑)
今日から9月、ブログのタイトルもその秋刀魚フォトに替えちゃおうかな〜♪