庶民派居酒屋決戦!静岡-神戸ガチンコ勝負…その2・神戸編

神戸に到着したのは薄暗くなり始めた午後五時半すぎだった。静岡から四時間を超えるドライブをしてきた身には例のドリンクが脳裏にチラついて仕方がなかったのよね。オマケに午前中は忙しくて昼めしはバナナ一本とパン二切れだけだったからハラだってへってたし。

気の利く神戸の友人は「先ずはGの店でノドを潤してから出かけましょか…」と提案してくれた。う〜ん有り難い。挨拶もソコソコに土産に持参した朝獲れ静岡産生シラスで一杯飲ってから神戸の歓楽街・新開地に繰り出す中年おやぢたちである。
案内してくれたのはやはり新開地では老舗の居酒屋さん「高田屋」さんだ。タカタヤと読むらしく正式には高田屋京店=タカタヤキョウミセなのね。どうしてキョウミセなのかうっかり訊くのを忘れていたし、静岡に戻ってから調べてみたのだけれどどうしても判らないのよ。誰か知っていたら教えて下さいな。

コチラのお店の名物は“おでん”ということだったので、入店一発目の注文はもちろんそいつをお願いした。先ずは豆腐・牛スジ・ロールキャベツの三品ね。豆腐とスジには独特な白味噌がかけられていて非常に個性的なお味なんだけれど、これがまたなんともはんなりしていながら芯の一本通ったお味で美味いのよ。
そしてロールキャベツにはまさかのデミソース!デミグラスソースではなくケチャップベースのソレっぽいやつなんだけど、これがまたジツにイナタいお味で忘れられない一品なのよね。箸で掴んでクチに運ぶのは食べづらそうだなあ…と思っていたら、ちゃんと三等分に切り目が入れてあった。いいねえ!こーゆー心遣いがさ。

あまりにいいお味だったのでその名物を追加注文してみた。ネギマとタコである。
お店の方は「今日は明石のタコが入らなくってねえ、本当はもっと美味しいんだけど… いやいやコレが美味しくないってワケじゃないんだけどね」と正直そのものだ。いいのよ、商売ってそうじゃなくっちゃね。近ごろは中国産を国産と偽ってコメを売りさばいていた業者もあるくらいアコギな族が多い中、そうした姿勢は逆に好感度が高くなるってもんさ。
タコは煮込みすぎて硬くなんてなっていないのに味がちゃんとシミていて深い味わいだ。ぷりぷりとした歯応え舌触りがエロくて堪らない。ネギマはそのまんまズバリとネギとネギの間にマグロがサンドされて串打ちされたもので、こいつもちょっとスジっぽいマグロの身肉がトロ〜リねっとりとなるまで煮こまれていて酒の肴には申し分のない仕上がりだ。ヤバいなあ、思わず飲み過ぎちゃいそーなフンイキ。

季節感を大切にした献立だってもちろんある。松茸、秋刀魚…あぁ酒飲みにゃたまんないアイテムが目白押しじゃん。そういえば松茸って高いんじゃなかったっけ?なのであるがココではその心配は無用なのである。店内ところ狭しと貼り付けられたお品書きはそのほとんどが¥500を大きく下回っているではないか。中心は百円台から三百円台、この焼松茸でさえ¥400なのだから推して知るべしである。いや〜嬉しいじゃありませんか、まさに庶民派居酒屋の鑑のようなお店ですな。
生ビールに始まりビンビール&黒小瓶ビールでハーフ&ハーフなど始めのうちは優等生テキ飲食スタイルだったのに、クジラベーコンや秋刀魚の開き干し焼を突っつきながらお願いした日本酒に目覚めてしまいその徳利が追加されてゆく。予想通りの恐ろしい展開になってきてはいたけれど、煩悩をさらけだしてしまった中年おやぢたちにはそいつを止める術がないのだよ、え〜い!もうなるようになるってば〜てなカンジかな。
それにしてもこのお店も酒の注文取りが早い。店員さんはイライラせずともスグにつかまるから酒の注文がとってもしやすいのね、当然それが出てくるのも早い。希望内容を見透かされていて準備してあったのかと思うくらい早い。そうさ、飲み屋ってこうじゃなくっちゃね。多少待たされても怒りが持ち出されることの少なくなったエロおやぢだけど、やっぱり早いことを快く感ずるのは確かだ。

名物の“おでん”の応用編『おでんそば』なるものを注文している客がいた。おでんダシをスープにしたハーフラーメンらしいんだけど、テンコトッピングされたおでんダネとネギが悩ましい。困ったなあ、ボクだってそいつを喰いたいじゃん…でもココでそいつにテを出すととんでもないことになってしまいそうなので断腸の思いでそのヨクボーを葬り去るしかないのよ。
その代わりと言っちゃあナニなんだけど『湯どうふ』をお願いしてみると、なんとまあその素晴らしいことったらありゃしない!なのである。

『湯どうふ』とは言ってもおでんダシ&鶏ガラスープで煮込んであるので旨味がシミシミ、こんな美味しい湯豆腐喰ったことなかったような…くらいに絶品なのよね。ポン酢や醤油で味付などする必要がなく、そのままでいい塩梅の辛さ加減が泣かせてくれる。もし加えるとすれば七味唐辛子あるいはコショウくらいか、それにしてもそんなことはすっかり忘れていたくらいカンペキなお味にカンドーなのである。
あぁ、いいトキを過ごすことが出来たなあ…と、神戸サミットは幸先よいスタートを切ることが出来たのであった。
     ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 
勝負なんてヤラしいタイトルをつけてしまったけれど、こーゆーもんに勝敗なんてものが存在するはずはない。在るものはそれぞれのお店とその土地ならではの食文化なのであって、ゆったりとそうした幸を味わえばよいのである。
神戸・新開地ではホカにもかな〜りレベルの高いお店がいくつもあるらしく次回のサミットで行きまひょか〜みたいなハナシも出ているのね。ご紹介いただくばかりでは面白くないからボクも静岡でちょっとは自慢できるお店を見つけておかないとなあ…


高田屋京店
http://www.feel-kobe.jp/gourmet/spot/?sid=380
兵庫県神戸市兵庫区湊町4-2-13
TEL=078-575-6654
ACT=11:00-21:00 日祝定休




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元ルーさん
こんにちは!
クジラベーコンってなんであんなに高いんでしょうね…近ごろはイルカの肉で代用しているものもあると聞きます。
とうとう温かな料理がいい季節になりましたね。当家も昨晩は豚しゃぶをやっちまいました…オカゲでヌル燗の日本酒を少々飲りすぎましてねえ(´▽`*)アハハ



う〜様
こんにちは!
えっ!?台湾マフィアじゃなかったんですか?(´▽`*)アハハ
美味しいものがいっぱいのよいお店を紹介していただき有難うございます。ええ、ぜひ次回はお忍びで〇〇料理を…と固い決意で過ごす毎日でございます(≧∇≦)b



ムー吉殿
こんにちは!
お祝いメッセージありがとうございます\(o^∀^o)/
もうトレンドとか人気の…などうんざりですね、そんなことどっちでもいいです。それより歴史なり伝統といった文化の継承をキチンと守って続けているお店が嬉しくてなりません。
新しいことも大切でしょうけど、それってかなり苦しく辛いものなんですよね〜



元ルーさん
こんにちは!
お祝いメッセージありがとうございますo(^-^)o
台風も去ってようやく秋晴れが戻ってきました。先日の富士山冠雪はあっという間に消えてなくなってしまいましたが、まあそのうちその美しい姿を見せてくれるでしょ。