(224)ラグノオ『青森りんごカレー』

林檎といえば青森か長野ってイメージである。知名度はそう変わらないので生産量もドッコイの勝負かなと思っていたらハッとするほどの開きがあった。

平成24年度の農林水産省統計では青森が1位で44.6万t、二位が長野で16.6万tだ。三位の岩手となると4.9万tしかないので上位二県で全国収穫量の77%をまかなっていることになるけれど、市町村別でみると青森県弘前市だけで全国の三割近くを生産していてトップ10のうち9つが青森県内市町村のダントツなのである。いや〜青森ってイコール林檎の県なんですな。
そんな青森だから林檎を使った商品もいろいろ販売されていて、このレトルトカレーもそのひとつなのである。フルーツをフィーチャーしたカレーは過去にいろいろお試ししてきたけれどやっぱり王道は林檎でしょうな。大手メーカー製家庭用カレールウの大ヒット作も「リンゴとハチミツとろ〜りとけてる♪」とCMで何年も使い続けているくらいの名キャッチなのであって、最もポピュラーで相性のいいフルーツなのは間違いない。

販売元の“ラグノオささき”さんは弘前市のお菓子屋さんである。ラグノオ…って酪農がナマった青森弁?でもよく考えたらリンゴは農業じゃんね…ってことで調べてみたら19世紀から20世紀初頭にかけて活躍したフランス人劇作家の戯曲作品の中に登場する菓子職人のナマエなんだってさ、納得。しかしマニアックな出典の企業名だよね、シャチョーさんずいぶん勉強されたんでしょう。
パッケージのオモテには“ほんのりピリ辛”と書いてあるけどウラ面には“まろやかな辛さ”となっていてエロおやぢテキには受け取る印象に矛盾を感じてしまうのよ、まあドッチでもいい話だから気にしないことにしようか。実際食してみれば両方共あてはまると言えなくもないから案外コレでいいのかも知れない。カレーだから独特の辛い系スパイシイーさは当然残ってはいるのだけれど、そうした辛さに慣れきって鈍感になりつつあるボクにはコドモ用カレーのように甘く感じてしまうのね。カテゴリ分けするならもちろん“甘口”ってことになるのでしょうけど、使用されている主要具材であるリンゴの効果なのか人工甘味料のようなイヤラシい甘さではなくマイルドな甘みであるところに救われるのよ。
その他の具材は比較的細かくカットされていて近年流行のゴロゴロタイプではない。ニクもほとんどキーマカレー状態だからスキキライの多いコドモでも食べやすいだろうね、いやオトナだって満足する旨味はたっぷりと含まれているんだから。
もう少しリンゴ果肉を意識させる造りでもよかったかな〜とは思うけど、ソコはあえて黒子に徹する青森県民の謙虚さと東北に暮らす人々らしい芯の強さを感ずるレトルトカレーである。


ラグノオささき
http://www.rag-s.com/

青森県弘前市百石町9
TEL=0172-35-0353




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チリトリの取手もナワバリだな