禁断の『デパ地下テイクアウト惣菜』の愉悦から始まる堕落

料理をすることも好きだしその食材を探し歩くことも楽しい。だが元来がズボラな性格だ、水は低きに流れるのである。

旨いものを食いたければテメーで作るかソレナリな飲食店を利用すればよい。そしてまだテがあってそれは出前をお願いするとか惣菜を購入してくることなのだな。
ところが自家製グルメというのは自分自身あるいは家人が達人でなければ実現しないものなのであってこれがなかなかに難しいのである。ハッキリ言ってヘタな料理人よりは極上グルメの創造に自信を持っているエロおやぢなのだけれど、家人がカラッキシという現状を鑑みるとその負担や協力を期待するほうが間違っているのであって、つまりテメーひとりが頼りなのよね。シゴトで疲れきっていたり、フードフォトライターとしての時間を割かなければならない場合など、全く以って思うようにならないのである。飲食店の利用は経済テキ負担が大きいし、だいいちいいキモチになってヨッパ即就寝という都合の良いストレス解消が出来ないばかりかハズレというリスクも常に存在する。出前は宅飲みは可能だけれどその他は同様でしかもそのテの料理は限られているから飽きがくるだろうし、選択肢が少なすぎる。出来上がった料理の最高の状態も期待薄だしね。
その点『デパ地下テイクアウト惣菜』というのはプロフェッショナルなステージを楽しむことができるし和洋中どのジャンルにも偏っていないところも素晴らしい。だから哀愁のイナカ町を抜け出すチャンスがあると必ず出向いてしまう聖域なのである。

基本テメーで作ることを身上としているからちょっと後ろめたさもあるし、そんなに安くはないからよ〜く考えれば身の程知らずの汚名を着せられても仕方のないこととは思うが、いちどその愉悦を知ってしまうとこれがヤメられないのよね。当家のエンゲル係数の高さを助長するファクターでもあるから本来は忌避しなければならないところを煩悩が寄り切るワケなのだよ、まったくしょーもない中年野郎だぜと思う。
クルマ必定のイナカ暮らしだから救われているけれど、もし首都圏の会社勤めで公共交通機関を利用しての通勤などであったなら必ずそのターミナル駅やそれに隣接或いは直結するデパートの地下組織…違う!地下売り場を通ることになるだろうし、そうなれば(今日はアレとソレを作って一杯飲ろうかなあ)などとあろうことか勤務中に画策していた計画が、目先の快楽によってイッキに崩壊しその愉悦に飛びつくことになるだろう。当然経済は破綻し、より深い堕落が始まるのは想像に難くない。だから今あるこの現実が幸なのか不幸なのかはよく判らないけれど、とにかく時々はその愉悦と恩恵に与っているのは確かだ。
だけどね、ただ単にそーしたズボラをこいているだけじゃあなくってさ、いちおーテメーのスキル向上とかアイデアの素材としてのリサーチ…なんて名目もあるんだけど。惜しむらくはヨッパになってしまうとそんな大義名分は記憶の彼方に…ってのがたいていのハナシ。


フォト上:ミートローフ風ソーセージ・サーモンのマヨチーズ焼・彩り焼野菜のチキン南蛮@ベッカライ・ヤタロー/パルシェBF
フォト下:ロックフォールチーズ・イベリコ豚生ハム・オリーブの地中海風・エビとホタテの焼マリネ・ローストビーフサラダ@静岡伊勢丹


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