蒸しアワビの逆襲

あまりにタイミングが悪すぎた。ちょうどその日は会合があってお家で夕食を摂らないことになっていたのだけれど、運悪くそんな時に限って極上食材が当家に届いてしまったりもするのだよ。

何の因果かは知る由もないが、何も今日じゃなくったっていーじゃんね…と嘆いても天地はひっくり返らないのである。届いた荷を開梱するとまだイキのいいアワビがねっとりウネウネとその身肉を波打たせ、まるでめくるめくエクスタシィに感極まった女陰…やらしーねえ、違うだろっ!…とにかく活きている証の活動をするのである。
そう、それは例年のように『紅白まんじゅう』をいただく東北・某企業からのイタダキものなのであっって、当然ご厚意でいただくものなのでコチラから期日指定などできないのは仕方のないことなのだな。
(あぁこの活きアワビ、今スグこのまま刺し身で喰いたいよなあ)と後ろ髪を引かれつつ面白くもない会合に出かけるエロおやぢ、もしかしたら帰宅後に元気だったら包丁握っちゃおーかなにゃ〜なんて淡い期待を抱いていたものの、やっぱり深夜激ヨッパでのそれではムリってものでした…なのである。

翌日の夕食の支度はちょっとハリキってしまった。そりゃそーだろーよ、なんてったってアワビだもんね!
残念ながら昨日まで(早く来て〜)みたいにイケイケだったアワビちゃんたちもぐったりと仮死状態でもうコリコリになっているのであった。う〜む、指先でちょうと触るとヌルリとした触感で、弾力も充血膨張したクリ…う〜んだめだめ、そんな表現しかできないのかオマエ!つまりおナマでヤれるピークをちいとばかし逃してしまった状態なのよね。もちろんこのままスライスしてお刺身したって充分上等なお味であることは解っている。だが活きたやつをナマで食すアレを知っているエロおやぢにとっては少しばかり格下のように思えてならないのである。かくなる上は加熱調理…ステーキとかね殻焼アワビとかさ、まあいろいろあるけれど、やっぱり一等賞に美味しいのは“蒸す”という調理方法を採用したアワビに太刀打ちは敵わないのである。いったんそうしてから焼いたり煮たりしてもダイレクトにそうするより美味しかったりするのだからフシギなものである。量はけっこーあるからね、フォトでは少数だけ撮ったけど実際は20コくらいだったかな、も〜ゼイタクなハナシだ。
先ずはプレーンな状態でその蒸したアワビをいただく。美味い!なんにも調味料は必要ない。海の滋味がじんわりとシミ出てくるような奥深い旨味に独特な触感…違う!食感、これはアワビでしか成し得ないものだろう。
次いでワサビ醤油でいただいてみる。こいつも捨てがたい!ハッキリいってナマより美味いかも…てのは夢想表現だろうな、でもまた違ったフェイズでの美味しさが新鮮だ、いいぞいいぞ。
ちょっとばかり上から目線で見ていた『蒸しアワビ』だけど、なんだか逆襲を喰ったようなキブンだよな。このあとはスライスして幾つかは食したけれど、煮たり焼いたりしてもこの旨味を堪能したのは言うまでもない。あ〜美味かった…




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師走の庭


1:28PM, December 30. 2014. @MyGarden