秋の味覚・其の弐 『茹で落花生』

とってもジモティーな秋の味覚は『茹で落花生』なのである。ひと昔前ならば「えっ?そんな食べ方あるの!」だったが、時代は変わって今や全国テキに普及してしまったこの食べ物、やはり旬の秋が一番おいしいのよね。

先日雨で早上がりして帰宅したところにご近所さんが自家栽培した生の落花生を持ってきてくれた。まだ泥土が付着したままの掘りたてだ。そう、この富士山の南麓地区では落花生の栽培が盛んで、夏の終わりごろから秋にかけてたくさん出荷されるのよね。
巷では大粒のジャンボ落花生が流行りなのであって、確かにそれはホクホクと身も柔らかで豊かな風味があって美味しいのだけれど、昔ながらの小粒な落花生も捨てたものではない。
何と言ってもヤサイ類は鮮度が一番大切なので早速“塩茹で”にして晩酌の相棒に仕立てるのよ。よ〜く洗浄して泥を落とし塩を一握りぶちまけて水から茹でてやる。そして人肌程度に落ち着くまでそのまま冷ましてザルにあけてやるのだな。こいつはビールにはサイコーのお伴なんだけど、そのふくよかな味わいは日本酒や焼酎そしてワインなど酒の種類は問わないマルチ芸人なのである。


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とにかく甘い。大地の匂いもするし穀類の香ばしさもあって本当に美味しいのよ。そして程よい塩味がなんともビールを進めてしまって困るのだな。ただしこの食べ方はプリン体は多いしコレステロールの値も盛大で医者からは「絶対に食べるな」と固く申しつけられてはいるんだけどね、まあこんな美味いものを放っておくテはないでしょ、もう知ったこっちゃねえよ!てなもんさ。

そしてもうひとつの楽しみは未熟な落花生…こちらの地区では“しなす”あるいは“しいな”と呼んでいる…なのであって、殻を破ると中からゼリー状のお布団に包まれたベビイ落花生が出てくるのよ。
こいつをちゅうちゅうと吸うように食すのがたまんないのだ。あぁ美味い!悪魔のうすしお味とも言えるのであって、しっかりと実入りした落花生の合間にこいつを食すとめっちゃヤバヤバなアルコールのトリガーになってしまうのだよ。
スーパーや八百屋さんで売っている落花生にはこういった未熟モノが混入しているものは少なく、たいていは粒の揃ったキレイなものばかりなのであって、この貴重なミックス状態は自家栽培ならではだ。いや〜ホントに美味しかったですよ、ご近所さん。



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もう十月は明日まで
今年もあと二か月で終わりかあ…早いもんだ
朝まで降っていた雨
だんだん冷たく感じてくるよね



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