「どんこ」の煮付け

夕食の材料をあれこれ物色しているときに青森県産「どんこ」の切り身パックがメに入った。ややっ!この辺りでは珍しい種類の魚じゃありませんか、パッケージのラベルに書かれている通り煮付にするのがいいね…てな感じで即カゴに入れたのよ。

「どんこ」というは魚は本当は純淡水魚のハゼ類で小型の魚でしてね、カジカ類も含まれる場合もあるのよ。琵琶湖の小魚甘露煮などにそれが含まれていたり、霞ケ浦の同じく佃煮の中にも「どんこ」の名を見つけることがある。
それじゃあこの大きな「どんこ」はいったいナニ?というご質問には“エゾイソアイナメの地方名です”という回答をしようではありませんか。そうなんです、たまたま同じナマエをつけちゃったわけでして、チャイナのパクリ文化とは違って決して悪気はなかったのかと思いますけどね、オカゲで後世に生きる我々の中には混同してしまう方もいらっしゃるようでして、よ〜く気を付けなければならないのであります。
北日本を中心にニッポンの沿岸各地で漁獲され、やはり“汁もの”のメイン食材として供されることが多いようだけれども、人気のポイントはその肝の美味さにあるようなのね。正直申し上げますとボクは生まれて初めて食す「どんこ」なのでありまして、そりゃ期待モリモリなのですよ。


Nippon Kogaku  NIKKOR-H・C 2/50(L39, Black-belt) @ SONY α7

いつものレシピで煮魚にしてみる。もっとダラダラとした身肉でトロけるような食感かと想像していたけれど、思ったより締まった白身なのである。しかしホロホロと崩れるように柔らかく、クセもないしとってもピュアな味わいだ。いや〜めっちゃ美味いですね!ちょっとドキドなチャレンジだったけど大成功のようです。

そしてその肝心な肝(キモ)ですな、これがまた信じられないくらい旨い。まあ新鮮な魚類の肝ってのはドレを食してもたいてい美味しいものだけれども、なんだかこの「どんこ」の肝には特別なチカラがあるような気がする。食感は例によってまったりしたものだがピュアな白身に呼応するように洗練された風味がちょっとオドロキなのである。
この肝を喰いたさに「どんこ」を選択するヒトも多い、という話に大いに納得するのだな。東北各地にはこの“どんこのキモ”を使った料理が数多くあり、昔からとても親しまれているらしい。そうか〜東北にはいろいろ名物はあるけれど、冬の寒い時期に行くことがあればぜひその“ご当地どんこキモ料理”を楽しんでこなければならないのだろうなあ、ひとつ重要な予備知識としてしっかりインプットしておきたい。
たまたまだけどこの「どんこ」の煮付けにあわせたお酒は富士宮にある富士正酒造さんの「あさぎり蔵出 純米」だったのね。とてもチカラ強い風味の純米酒で、ちょいと甘めの煮付にはうってつけの日本酒なのでありました。なんかヤバヤバな組み合わせでしてね、ちょっと飲り過ぎになりそうな予感…ブレーキをかけるのがとってもタイヘンだったのですよお。




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Sora



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夕方のSora、すっかり大気の様子が季節替わりしましたね。