昭和の面影

ラーメンと餃子@マルヨシ

レトロとは懐古趣味を表すコトバなのですけれど、やはり誰にとっても自分が生まれ育った街や幼少期の時代テキ思い出というものは、なかなかに心地よくそして愛おしく感ずるものなのでしょうな。

現在の平成も間もなく終わりを告げ、昭和は前々時代ということになる。昭和生まれのボクにとっては明治時代に相当するわけなのであって、なんだか感慨深いことになりそうなのです…若いころは「へぇ〜明治生まれねぇ」なんて具合にその老人を蔑んで見るようなフシもあったのだけれど、今やテメーがそーゆー目で若者から見られるようになるわけなのね。あぁ人生はなんて残酷なんでしょ。
まあ愚痴こぼしはこれくらいにしておいて、ずっと前から気になって気になってシカタのなかった食堂にようやく行くことが出来たのですよ。色褪せた店舗の外壁・屋根と看板、今どきには絶対にないデザイン…ジツにいい感じではありませんか。そりゃそうです、ボクが昭和54年に哀愁のイナカ町へ引っ越ししてきた時には既にトナリ町に存在していたお店、昭和の面影がしっかり残っています。

店内も圧倒テキな昭和レトロだった。それでも汚いとか不潔な印象は全くなくて小ギレイによく手入れされている。数年前に『かつめし』を食べに行った兵庫県加古川市の旭食堂さんを想い出すじゃないか、あそこもいいカンジのお店だったなあ。

フンイキも大切なんですけど、やはり肝心なのは料理のお味なのでしてね。たくさんあるメニュー(今どきのコダワリ絞り込みメニューではなく何でも来いみたいなオールラウンダー食堂ですから)の中から迷いに迷って…と言うのは大ウソで、こーゆー食堂に来たらやっぱりスタンダードなラーメンとかカツ丼やヤキニク定食あるいは唐揚げ定食といったものを注文すべきなのよ。
だからいちおーメニューボード全てに目を通し迷ったフリをしつつも、やっぱり「ラーメンと餃子をお願いします」ってことになるのだな。しかしメニューの中に「チキンライス」とか「刺身(マグロ)」や「目玉焼き」なんてものがあるのは大いに気になるところだ。いったいどんなお味で提供されるのだろうか、足繁く通って全てを征服してみたくもなるってもんだね。
それにしてもテーブル上にも昭和のレトロ感があふれている。プラスチック製の造花、原色が目にシミる調味料入れ、木目調デコラ貼りテーブル…ムカシはこーゆースタイルがオシャレで最先端だったんですよねえ。
そんな想いに耽りながら待っているとラーメンが運ばれてきた。おぉっ!期待通りにコンサバティブでオーセンティックな『ラーメン』ですよ!


MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

色づきはしっかりしているけれどクリアなスープはショッパいことは決してなく、鶏ガラと豚のゲンコツがベースになっているサッパリ系。昔ながらの製法による叉焼が二枚、細く裂いたメンマ、ナルト、ネギ、板海苔…麺は若干柔らかめだけれども喉ごしのよい一般テキなタイプで不満はない。いったいこれ以上何を望むと言うのか、しみじみと馴染んでくるそのお味にほっと心なごむのよ。これで¥480ですか?ウソでしょ〜、もっと早く来ればよかった。


MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

もうひとつオーダーした『餃子』です。やはり見た目はごくフツーの餃子だけれど7コで¥450、ひとくち食せばナルホド!と思う。
もちもちした皮に肉と野菜のバランスの良い餡、巷のラーメン屋さんに多い野菜たっぷりタイプとは違うのは中華料理メインの食堂のプライドか。いい感じに旨いのね、きっとビールのお供としてのチューニングを施してあるに違いない。提供時に酢の入った容器を持ってきてくれたけど、テーブルにラー油はなく上白胡麻油が置いてあったのには驚いたし、またそこがちょっと個性的ね。う〜む、レトロ食堂などとナマエによる先入観で侮ってはいけないな。
こーゆー食堂、ボクは大好きです。俄然応援したくなるってもんです。ウワサによると『鳥カラ揚げ』はラードを使って揚げてるってことで、ぜひソレは食してみなければ…と現在コーフン状態のエロおやぢなのですよ。


食事処 マルヨシ
静岡県富士市天間1378-1
TEL=0545-71-3820
ACT=11:00-14:00 / 17:00-20:30 水曜定休




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