バカにしたもんじゃない…の続き

塩引き鮭の朝食

なんだい、ただの塩ジャケの話かい…と切り捨てないでくださいな。
そりゃ鮭の切り身なんてどこのスーパーでも売っているし、近ごろじゃコンビニでも焼いたものを真空パックあるいはガス封入チルドパックにして売ってるくらいですからねえ、もう当たり前過ぎて誰も話題になんかしませんてば。でもちょっと待ってください、ただの塩ジャケにもいろいろありましてね、ショッパいけど超絶美味いやつから脂ノリノリでもフツーに美味しいものまでいろいろあるんです。
一番流通しているのはチリあたりから輸入されているサーモンですね、これは脂のりもよく身肉もソフト、しかも低塩のものが多いので現代人の食生活や嗜好にあっているのでしょうな。お値段も庶民レベルですからボクもよく購入してきます。平素はたいていこいつです。
ところがそうしたサーモンと対峙するように存在するのがニッポン古来から製造されてきた「塩引き鮭」なのですね。名称は地方によっていろいろですが「山漬け」あるいは「新巻鮭」などが一般テキでしょうか。ここまで来て「はは~ん、アレのことね」と気付かれる方もいらっしゃることでしょう。

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Nippon Kogaku  NIKKOR-H・C 2/50(L39, Black-belt) @ SONY α7

生の鮭にたっぷりの粗塩をスリ込み水分を抜くように乾かす工程を経ると、鮭の身肉はカッチカチに硬化して長期保存が可能な状態になる。塩の旨味だけでなく保存によって乳酸発酵に近い旨味成分の増加もあり、ナマの身肉にはない美味しさが生まれてくるのだな。

昔は「塩引き」だけが流通可能な手段だったのでお値段も安かったのだけれど、現在は製造にテマヒマかかる上に販売量が少ない、つまり市場経済の原理で非常に価格が高騰しているのですね。
ボンビなエロおやぢがカンタンにテを出せるお値段じゃなくなってしまったわけです。何より好きなだけにもう泣きたいくらいです。
以前は知床に住む親戚(漁業関係者で鮭漁師)から年末になると必ず件の「塩引き鮭」が送られてきたものですが、世代も交代してそうした交流をお互いにヤメましょうという話になって今はありません。あぁ、あの塩鮭がめっちゃ美味かったんだけどなあ。
てなワケで、たま~にですがデパ地下とか関連ショップでこんな切身を購入してきては食すわけなのです。長期出張で自宅を離れていたものですから、そんな塩鮭の焼いたものがムショーに食べたくなりましてね、昨年末に帰宅した折に真っ先に朝食のオカズにしましたよ。
こいつに味噌汁と自家製のヌカ味噌漬けなんぞがあれば、もうホカには何も要りません。本当にシアワセなニッポンの朝食になるってものです。ですから「なんだい、ただの塩ジャケの話かい…」と切り捨てるには抵抗がありまして、バカにしたもんじゃないです~と云いたいわけよ。





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Face #19 


ランマーって機械なんですけどね
よく見たら半ベソ泣き顔



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