でらうみゃ~でかなわんわ(26)

噂のにゃごやモーニング その12 「 珈琲屋」

朝から『ワッフル』だぜ

Cafeとか喫茶などそのカテゴリや出自を示す冠詞がつかない店名「珈琲屋」ってナマエのコーヒー屋さんなのね。事実店頭で自家焙煎のコーヒーを量り売りしていたり器具なども販売している様子から、ただの喫茶店と区切ってしまうのはちょっと違うよね~と思えたるもするのよ。

焼きたての『ワッフル』をモーニングのメインに据えていると聞き、そりゃぜひ行ってみたいものだと思った。ただねえ駅ビル1Fのテナントってことでモンダイは駐車場なんだよなあ…と思いつつ行ってみると、やはり店舗だけがド~ンとあってその周囲に駐車スペースはない。うわ~万事休す…コインPでも探すか~と思った矢先に「P有ります 店員におたずね下さい」という案内がメに入った。
駅前の通りで往来はけっこー激しいものがあるけれど、ここは覚悟をキメて約1分間の違法駐車の決行だ。急ぎお店に飛び込み店員さんに訊けば、すぐ先に駐車スペースが確保されているらしい。
ほんの少しだけキャプチャー君を動かせばオッケーの場所、行ってみれば須ケ口駅前という絶好の立地条件じゃないか。クルマ3台分が「珈琲屋」のネームでスペース確保されているのよ、リッパです。

フォト中央が名鉄須ケ口駅ビル

やれやれ、これでレッカーで強制移動される悪夢を見ずに済むってもんさ。安心してお店に入るとそこは古き佳き喫茶店のフンイキなのでありました。
ウッドとストーンでイメージされた店舗内装、年季の入った椅子とテーブル、そして静かに流れるBGMはクラシック。
今どきClassicを聴かせてくれるお店って珍しいよね。アコースティックなJazzもいいけれど、逆に神経に触れてこないClassicは水や空気みたいなイメージで朝のひとときには頗るキブンがいいのですな。こんなキモチになったのは久しぶりなことです。

事前情報に基づき”焼きたてワッフル”のモーニングサービスをお願いしましたよ。
そして程なくして提供されたそいつにボクはバックリと噛りつきにんまりするのでありました。いや~ん、美味いじゃありませんか!

ほんのりと優しい甘さ、ふわっと漂ってくる小麦の香り…あぁいいなあ。シュガーシロップとかハニーがかかっているわけでもなく、ましてやチョコレートやアイスクリームで修飾させているわけでもない…ただただプレーンな『ワッフル』であるものの、それだけにバターの風味が際立つわけでありましてね、もうエロおやぢは悶絶寸前なのですな。

そしてそこに参加してくる自家焙煎のコーヒー…あぁもうシアワセ!ってもんです。添えてあるものはグレープフルーツひと切れとコーヒーゼリーだけ。名古屋テキなコストパフォーマンス感覚からすると不合格になりそうな気配ではあるけれど、やはり肝心なコーヒーの美味しさと焼きたて『ワッフル』のアドバンテージは偉大なのね、素晴らしいじゃありませんか。

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この須ケ口駅を通勤や通学のポイントにしている人々がうらやましい。居心地の良い空間でこんなステキな朝食をいただけるお店ってそうあるもんじゃありませんから。


MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

もうひとつボクがとても感心したことがあって、ソレはこのモーニングサービスのセットを乗せてある木製のトレイですな、これがまた使い込まれた風合いがいい感じで何故かホッとするのですよ。

ナチュラルウッドだけが持つ温かみもあって、そっと手を触れ撫でてみれば心地よい感触が返ってくるのですね。
こんなにハゲハゲになってしまったニス仕上げなのに不潔な感じが全くないのはどうしてなのでしょう。家庭で使用するものならば、きっととうのムカシに廃棄処分されているようなモノなんでしょうけどね、お店の歴史とかお客さんのヨロコビが積み重ねられたこの木製トレイは大切な1ページなんでしょうね。

そして案の定なのですが、ナゴヤらしくこちらのお店でもご老人の方々が何人かお見えになっておられましたが、ナゼかみなさんとっても静かな方々ばかりでしてね。
お客さんがお店を作る…とよく言われますけれど、こちらの場合はお店がお客さんを躾けているような印象を持ちましたね。いい感じです、またここのコーヒーを飲みたいな。


珈琲屋
愛知県清須市須ケ口駅前1丁目1-1
TEL=052-400-9191
ACT=7:00-18:00(日曜のみ8:00~)無休




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徳興山建中寺

尾張徳川家菩提寺


さてオナカもココロもリッチになって本日のメインイベントである建中寺さんへ向かうのです。
知らなかったことなのですが、その日はナゴヤで大きなマラソン大会が開催されるらしく、各所でケーサツ官や交通指導員&各種ボランティアなどが大挙して待ち受けている状況なのでありました。

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規制看板なども準備されつつあり、もう少しでその法的な実効性が発令される寸前をくぐり抜け、ハラハラドキドキで到着した建中寺さんなのですな。

創建は慶安四年(1651年)、当時は4万8000坪の敷地に多数の堂が建ち並ぶ規模で、周囲が石垣と堀で固められたまるで城塞のような威容を誇っていたというが、第二次大戦後の区画整理などにより現在は縮小したカタチらしい。

それでも名古屋空襲による消失を免れた唯一の仏教寺院であり、境内にある建物のほとんどが国・県・市の重要文化財として指定保護されている。
ただニッポン全体がそうなので名古屋市に限ったことではないのだけれど、その歴史的な価値や文化遺産としてのステータスが無視されているかのように周囲の環境が頗る醜悪なものになってしまっているのは真に残念以外のナニモノでもないのですな。

打ちっ放しゴルフ場のネットフェンス、電線、その他の高層建築物…都市景観としては面白いかもしれないけれど、文化遺産の周辺環境としては最悪でしょ。古の尾張藩主殿たちもきっと窮屈な感じを受けているに違いありませんね。まあ今更どーにもならないんですけど…おっと、またまたハナシが横道に逸れかかってますので本線に軌道修正しましょうか。

駐車場にキャプチャー君を停め、一礼して三門をくぐりかかるとその扉には巨大な葵の御紋が配置されていた。おぉ~サスガに尾張徳川家菩提寺ですな、チカラの注ぎ方が違う。
総檜造りの三間一戸二重門・入母屋造り、そして上層には釈迦如来を中心として十六羅漢の像が鎮座しているという門は、もうココからしてフツーのお寺とは違うんだぞ~というオーラを放っているのだな。なんだか人気テレビドラマのワンシーンにチャ~ンというあのミュージックと共に登場しそうな感じがします、スゴい。

境内に進むと正面に本堂がありますが、曇天どころではなく小雨が降り始める空模様になってしまいちょっと残念なのであります。そうなんですよねぇ、せっかくの桜の色がサエないものになってしまうんですよ。
しかしこうした雨の日ならではの風情ってものもあるのでありまして、好天ならば…という思いと落ち着いた雨の情景との間で揺れ動くエロおやぢのココロなのですね。
あぁそれにしても美しい八重桜じゃありませんか、雨に煙る鐘楼や経堂を雅に引き立てるものになっています。

本堂の拝観は随時自由かつ無料となっていて有難いですね。一礼してその引き戸を開けようとしたけれど、その前の扉がまた素晴らしい細工が施されたものだったのよ、色彩もキョーレツです!
以前に紹介させていただいた高牟神社本殿の普請に使われている金具も素晴らしかったけれど、これにはまた違うベクトルがあって感動ものです。

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MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7


いよいよ本堂を拝観させていただきます。引き戸を開けてボクは息を呑んだわけです…ナニこれっ!

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MINOLTA  M-ROKKOR 2.8/28  @ SONY α7

絢爛豪華ってこういうことを指すのでしょう、細部を見れば見るほどその信仰への深い思いが伝わってきます。そしてご本尊さまは止利仏師作と伝えられる阿弥陀如来です。
しばらくこの場を離れることが出来ませんでした。ヒトの気配のない本堂の畳の上、静寂な時が流れそして心がそっと洗われるような気持ちになりました。

本堂内部の右側に襖画がありました。和紙などを貼らず板に直接描いたものです。
何の説明もなく、またそれをお伺いする方もいらっしゃらなかったのでどういった由縁のあるものなのかは判りませんが、こちらもきっと著名などなた様かの手によるものなのでしょうな。チカラ強くそして繊細なタッチで描かれておりなかなかの作品とお見受けしました。
一般の方にも手に触れる事の出来る場所に在るので今後の保管保存状態がちょっと心配ね。

八重の早咲き桜がちょっと物悲しい雨の中でひっそり開く境内、アダルトな休日です。そして御朱印をいただいて退散することにしました。そうそう、御朱印をお願いしている間に見かけたフォト絵葉書は建中寺さんが所有する重要文化財を精密写真製版したカラー印刷で、13部も入っているのに¥700という価格でした。このテのものとしてはめちゃお安い設定でして、こちらのお寺のマジメさを物語るものであります。

Ernst Leits  M-ROKKOR 4/90  @ SONY α7

名古屋市の中心部に位置するにも拘わらず、とても静けさに満ちていて落ち着いた場所なのでありました。過去の歴史と過ぎ去っていった時が静謐な空間に閉じ込められたような建中寺、ナゴヤが何故にこれほどの文化を保持してきたか、その回答を示してくれるようなお寺なのでありました。


徳興山 建中寺
http://www.kenchuji.com/
愛知県名古屋市東区筒井1丁目7-57
TEL=052-935-3845
ACT=5:00-17:00