■ 噂のにゃごやモーニング その36 「 珈琲屋 ダフネ七宝館 」
SINCE 1976
ときどきお買い物に行くスーパーの近くにちょっと気になる風貌の喫茶店があった。まあごくフツーの喫茶店と云いますか、ドコでもメにするような昔ながらのツラ構えではあるけれど、なんとな～く惹かれるものがあったので行ってみることにしたのです。
入口脇の案内には各種サービスタイムと営業時間・定休日が表示されていて、一番下には小さな文字で「SINCE 1976」と書かれている。おぉ～76年ですか、昭和の51年ですねえ…ピンクレディーが♪ペッパー警部♪と股開き振り付けでエロくデビューしたり、ロシア（当時はソ連）のベレンコ中尉が最新鋭戦闘機MiG-25に乗って函館空港に着陸亡命した年でもありますが、またまたそんなことを書き出すと大脱線になってしまうのでWikipediaの1976年という項目をご覧になってアナタも懐かしい過去を思い出して下さい。
さて店名の「ダフネ七宝館」ですね、七宝はこの喫茶店が在る土地のナマエ、あの七宝焼の発祥の地でもありますが、ダフネってのはコーヒー豆のディストリビュータですね、多分。ボクとしてはダフネと言われて真っ先に思い浮かべるのはダフネブルー、これは米国Fender社によるギターのフニッシュカラーのひとつでして明るい水色が印象的なものです。ボクが尊敬するギタリストのCharさんもこのカラーのStratocasterを愛用してまして…ってさあ、どーして脱線しちゃうんでしょう。元へ。
店内も外観同様にクラシックなものでした。欧州中世のクラシックではなく、ニッポンの戦後の中世とでも言いますか、要は昭和の空気がこの時代にまでそのまま流れてきている感じです、昭和レトロってやつですね…きっと開店当時から変わらずに磨き込まれているのでしょう。いい雰囲気です。
数種類あるモーニングサービスの中からサンドイッチとプレーンヨーグルトがドリンクとセットになっているものをお願いしました。待っている間にキョロキョロ店内を見回すわけですが、先客で来ていたババアおねーさん二人がなにやらケーサツ官との間で小さなトラブルがあったとかなかったとか大声で話をしていてウルサいのよ、そんな話なんか聞きたくないから早くその話題を切り替えてくれないかなあ…なんて思っていたらモーニングが運ばれてきましてね、もうコーフンしてそんな雑音は気にならなくなってしまいました、現金なものですねえ。
丁寧に千切りされたキャベツのサラダもついていますから朝食の栄養バランスとしては充分なものでしょう。あ～ズバリとタマゴサンドってところもいいなあ、これは既製品のタマゴフィーレではなくマスターが手作りしたものですね、若干塩気が強いけれどそこがまた食パンの美味しさを引き立てる感じがしていいと思いますよ、美味い美味い。
これまた丁寧に淹れてあるコーヒーも深い薫りと味わいで好みです。ホントはおかわりしてもう一杯いただきたいのですけれど、この日はモーニングのハシゴをする予定なので残念ながらこれでお終いにします。
もちろんこうしたお店では禁煙なんて概念は全くありませんので各テーブルに灰皿がちゃんとセットされています。ボクは食事に満足して食後の一服をぷは～とするわけですが、煙の流れてゆく先を追っているとお店の入口ドアの上、いわゆる”鴨居”の上あたりでしょうか、千円札が逆さまに貼り付けてあるのがメに入ってきたわけです。
いったいコレは何？と思いマスターに尋ねてみました。すると「お札のナンバーの各数字を合計して33になる金券はラッキーなものなので、こうして高い所に逆さまに貼っておくと金運が向上するって話が当時あってねえ、必死になって探してさあ。いや～ジツはここにエアコンが設置してあってね、そのウラ側に貼っておいたんだけど、去年そのエアコンを取り換えたらこいつが出てきてね、ボクも忘れてたもんでビックリよ～」と笑って話すマスターなのでありました。そうですか、そーゆーことだったのですか。
ボクはお札のそんな話は知らなかったのでして、世の中にはいろいろな縁起があるものだと感心しましたよ。それよりちょっとコワモテな感じのマスターが意外に気さくでフレンドリーなお方であったことに納得しましたよ。デレデレとやたらに話しかけてくるのではなくいつもはキリッとシゴトをこなしつつ、ジツは優しくて思いやりのあるヒトなんだなあ…って。だからこそ数多の飲食店が消えてゆくなか、そのお人柄に惹かれてやってくる客が絶えず、こうして生き残っているわけですよね。
お店の前の道路を挟んで大手チェーン喫茶店がありますが、ボクは絶対にコチラを選びます。これから先もぜひがんばって欲しいと思います。
◆ 珈琲屋 ダフネ七宝館
愛知県あま市七宝町桂城之堀1897-1
TEL=052-441-5201
ACT=7:00-21:00 月曜定休
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