でらうみゃ~でかなわんわ(64)

多国籍料理ではないけれど

「喫茶 ワールド」de 喫茶めし

1960年代から70年代にかけてニッポン全国で爆発テキに増殖した「スペイン瓦の洋館」風建築です。50年代の高度経済成長期にはこうしたヨユーはなく経済の一般的な立て直しが主流でしたけれども、60年代に入るとココロも懐も豊かさの恩恵に与るようになり、それまで一般のヒトが触れることのなかった洋瓦ってものが普及し始めました。

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1$=¥360の固定為替だった社会から変動相場制が施行されたのが1973年、これでイッキに輸入品が安くなり海外旅行もお金持ちだけのものではなくなった時代ですね。アコガレだった欧米諸国の文化を直接肌で感じ取ることが出来るようになった敗戦国ニッポンの国民は、そのリッチな生活スタイルにベタ惚れして「にわかコピー」も当たり前な世の中に突入してゆくのね。
まあそのコピーも現在は巧妙なものになっていて、その最たるものは結婚式場のチャペルってやつですな。ボクはアレが大っキライでしてね、よくそんなインチキなハリボテで人生の節目である結婚式なんてやるもんだよ…と呆れるを通り越した感情を抱いているのよ。どうしてもそーゆー式を挙げたいのならちゃんとした老舗ホテルとか、いっそのこと海外のモノホンチャペルでやったらどう?って思いますけど…あら~脱線です、元へ。

他県ではすっかり消滅してしまったこのタイプの喫茶店も愛知県ナゴヤの近郊ではリッパにたくさん生き残っているわけでして、この「喫茶ワールド」さんもそのひとつです。

まあワールドってナマエの由来はなんとな~く想像がつきますが、入口のサンプルショウケースを覗きますと洋食を中心にした各種定食や伝統テキなニッポン食が融合されたメニューのサンプルがズラリと並んでいるわけですね。いい眺めです、やっぱり楽しいじゃないですか、こーゆーのって。
そこにナゴヤ食文化の横綱みそかつ」とか「エビフライ」などで脇を固めるような布陣が為されているわけでして、近年の若者が好む無国籍料理とまではゆきませんけれど、お店の店主殿が生きてきた精いっぱいのワールドが散りばめられているような気がします。

そのケースの中でボクがう~んと気になってシカタなかったは『フルーツロイヤル』という洋風甘味です。ニッポン独特の世界じゃないですか?こーゆースタイルって。極端な横長楕円ガラス脚付き皿にアイスクリームやプリンにホイップクリーム、これでもかってくらいのゴーカなフルーツがテンコ盛りのひと品。ボクが学生時代にバイトしていた喫茶店では『プリンパフェ』って呼んでいたデカ盛りスイーツと同じものです。あ~喰ってみたいじゃん、お値段も¥850~900ってベツに今の感覚じゃそう高いもんじゃないし…って、またまた脱線ですよ!しっかりせんかい。

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肝心の”喫茶めし”です。店頭案内にあった日替りランチも魅力テキでしたが、やはりここは店名を冠した『ワールドランチ』ってものを注文するのがヨソモノ初心者の取るべき王道でしょう。

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メラミン製わっぱの白ゴハン、ダシが利いていて非常に旨い赤だしと共にメインプレートがテーブルに並べられました。『ワールドランチ』は決まった献立ではなく、その日その時に最もふさわしい食材を用いたプレートランチのようですが、ん~じゃあソレは日替りランチとドコが違うんだい?と問われると、ソレは店主殿にしか分からない区別が為されているようでして、食す者は素直に従うだけなのです。
この日は鶏ムネ肉のカツに『あんかけスパゲティー』のソースのようにちょっとピリッとした刺激のあるとろりソースがかけられたひと品なのでありました。美味かったですよ、”喫茶めし”らしくていいカンジです。食後のコーヒーはプラス¥200のオプションになりますが、これで¥750はそう悪くありません。
それよりボクとして最も印象深かったのは、メインプレートの他にもうひと品として添えられた『肉じゃが』の美味さなのでありまして、でらうみゃ~でかなわんわ…なのであります。超がつく絶品。あ~失敗したなあ、フォトを撮っておけばよかった…だってオマケだと思ったからさぁたいして期待もしていなかったし、その美味しさってガツガツっと喰っちまってから気が付いたんだから。


喫茶 軽食 ワールド
愛知県津島市宇治町城 118-1
TEL=0567-24-4768
ACT=7:30-17:00(日曜日のみ8:00開店)月曜定休




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五月の庭風景

クチナシの花芽


もう言い訳は要りませんから、要は撮りためてあった先月のフォトってことね
はい、ズボシでやんす
もう少ししたらこのクチナシも開花するんでしょ?
ええ、去年は6月9日にその白い花を撮影してます…って昨日じゃん
残念ですねえ、今年は出張先で別の花でも撮ってガマンしなさい


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LZOS  INDUSTAR-50 3.5/50  SONY α7


ロシア(旧ソ連)製のライカコピーですね、知ってるヒトは知ってるL39沈胴式レンズです。生産本数は多かったけれど今では中古でしか入手できないわけでして、そうは言っても本家ライカ・エルマーの数分の一のプライスで流通しているので、お小遣いのキビシい方でもなんとかゲットしやすい趣味の品であります。
世間では外観の仕上げが雑とか品がないなど、あまり良い評価は聞きませんけれど、ボクが入手した個体はそれほど粗末ではありませんでした。まあコピー元の Leitz Elmar 5cm f3.5 と直接比較してしまうと精緻さに欠けるといいますか、如何にも大量生産された工業製品という感もあるわけですが、所有及び使用にあたっては何の恥ずかしさやヒケメもないどころか、大いに自慢したくなる独特なオーラを持っているところがスキスキスキ!って感じです。
こいつが意外にいい描写なのでありまして、ドリーム感はないけれどキッチリとしたピントと素直で嫌みのないボケ、モノコートなのにそこそこのコントラストとニュートラルな発色…っていう使いやすさが魅力のレンズです。
サスガにフレアやゴーストは発生しやすいのでフードは必携です。ロシアの業者から入手したときに同梱されていたプラ製フードは根元が割れて使い物にならなくなってしまい、今は同時代のニッポン製金属フードをつけて使っています。