ハズしちゃいました

ダマされ捨てられ裏切られ

老舗のレストランでいいキブンのはずだったのに…


これだけ外食をしているとタマには「ハズしちゃいました」ってことはあるさ。たいていはある程度の情報は事前に仕入れているものだし、時にはあてずっぽう無計画に動いても、そこで出会う幸運に浸ることもよくある。
けれどもハズレだったのか、それとも大したことなかったのか、ちょっと残念な部分もあったけどまあまあそこそこだったのか…ではその後の人生に与えるダメージはかなり違うのである。

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そのお店は飛島村から蟹江町を通過し津島市に向かう旧い道の途中に在った。ハラも減っていたしどこかいい感じのお店はないものか…とキョロキョロしながらキャプチャー君を走らせていたのだけれど、ちょうど鉄道踏切があったために速度が落ちたところにメにはいってきたものだ。左右前方に厳重な注意が必要な踏切、もしそれがなければ通過してしまっていたかも知れない。

うっわ~、なんだかいい感じのレストランじゃないか。ポルトってナマエもスペインの古都、港湾商業都市だしね(スペルは何故か違ってますけど)なんだか南欧の香りがするような気もしてきた。
しかも「ランチ」なんて看板まで出してあるし、こりゃ絶対に入ってみる価値がありそうっ!てなもんで、ボクは急ぎハンドルを左に切ってその駐車スペースにクルマを進めた。

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お~っし、なんだかラッキーな昼めしになりそうじゃん!…と高揚したキブンでそのドアを開けたのではあるけれど、その店内はまるで中途ハンパなファミレス然としたものだった。花形満にホームランを喰らった星飛雄馬のようにガックリをヒザを落とすエロおやぢ…大袈裟過ぎますねぇ、けれどもけっこーソレに近い心境であったことは確かなのであって、想像していたのは「ぽると」と云うその店名と70年代を彷彿とさせるその外観からもうちょっと南欧風といいますか、ポルトガルやスペインに旅をしているようなインテリアを期待していたからです。
かなりな落胆を感じつつもテメーの臭覚を信じて疑わないエロおやぢは、若くて美しくナイスバデなカメリエーレではなくただのオバサンそれなりなおねーさんがあまりフレンドリーではない接客で近づいてきたことで二度目の落胆を実感したのである。

しかも「今日は日曜日なのでランチはやっていない」と言われ「オモテに出してあるランチ看板はいったい何?」とは思ったけれど(三度目の落胆)ココでケンカしてもしょうがないのでグランドメニューのセットから空腹を満たす献立をチョイスするわけだ。
注文したのは『大エビフライ定食』である。平素の昼食代金(給食弁当は赤出しつきで¥400)の4倍に相当するその価格はちょっとエイヤ!なんだけどね、クドいようですがテメーの第六感を信じて疑わないながらも、三回も続いた落胆にその牙城が崩れることを恐れてリスキーな安価メニューを回避したフシもあるのだな。そうです、高価な(このお店ではハイエンドのセット)ものなら裏切られることはないでしょ…てなものである。

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程なくして運ばれてきたそのセットにボクは決定テキな失望を禁じえなかった。なんだよ、これ!
確かにエビフライはデカい。けれどもその脇役があまりにもお粗末なのである。ねえ、このセットって¥1500でしょ?そこにこの生野菜だけ?うっそ~。海鮮マリネとかキノコのアヒージョなんてついてないの?
で、小鉢はヒジキの煮物、チンケな漬物小皿、そこにゴハンと赤出しかい。小鉢がもうひとつあるけれど、それにはタルタルソース(しかも既製品)なのであって、そいつは本来メイン皿に添えるべきもの…つまり付け合せをひと品ゴマ化してるってわけね。バ~ロ~である。

エビは大きいだけあって食味は上等なものであった。素晴らしい香りと海の滋味、ぷりぷりした食感に脳幹をくすぐる濃い旨味…確かに海老は美味いけれど、エビフライとして美味いわけではない。コレじゃダメだよ…何故ってパン粉が細粒タイプなんだから。
このタイプはもう少しだけ小ぶりで香りの強い海老をフライにするときに用いるものなのであって、大ぶりな海老をフライにするときは粗目のパン粉でザックリ仕上げて共同作業させる方が満足度が高い…ってのは基本中の基本なんですけど。

なおかつ料理を提供するプロフェッショナルとして失格だと思ったのは、こーゆースタイルのレストランでこーゆーセットをプロデュースするにあたって”この器はないでしょ”というのもある。洋風なヤサイを添えてある洋食なんだから皿も洋皿を使えよ!って思います。何でもアリなファミレスならこれでもオッケーなんでしょうけどね、トータルなイメージとしてダメダメです。
それに盛りつけの重心が前のめり…後ろが空きすぎですよねぇ、みっともない。キホンが出来てません、トーシローのボクでさえこんな盛りつけはしませんから。
そして¥1500のセットならではでコーヒーとデザートがついてきますけれど…う~ん、せっかくガトーショコラを指定したまではよかったのだけれど、この盛り付けと量ですよね、もうガッカリ係数が高すぎて落胆回数をカウントすることもメンドになってしまいました。二度とありませんね、このプラン選択。

たった一つだけ面白いことがあって(料理とはカンケーないものです)食後にトイレを利用した際に、お店の奥にお座敷があったことはどーでもよくって、その入り口に70年代か80年代のタバコ自動販売機がそのまま残されていたことなのですよ。電源も入っておらず休眠状態ですが、なんだか在りし日の思い出みたいな感じで懐かしく、そして若くて溌溂と生きていたころを思い出させてくれるものでありました。




カンペキにハズしちゃいました。こーゆーこともたまにはあるってもんです。
しかしこれに懲りず、テメーの第六感・美食への嗅覚・アートとしての食を信じて彷徨するつもりであります。
いつもは店名や電話番号を太字にするなど工夫し、読み取りやすい情報記述となるように心掛けておりますが、サスガに今回はその気になれませんでした。その辺りは当方の心的事情をお察しいただき、ぜひご理解いただけますことを願っております。
ただただ残念なのであります。


カフェレストラン ぽると
愛知県海部郡蟹江町今市之坪 26-1
TEL=0567-96-1212
ACT=7:00-17:30 無休




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