でらうみゃ~でかなわんわ(94)

水郷地帯の伝統食『もろこ寿司』

シゴト先の宿舎がある愛知県津島市名古屋市の真西に位置し、そのさらに西側には揖斐川長良川木曽川木曽三川が流れ、そして市の中心部を善太川・日光川などが横切ってゆくのだ。加えて中小の河川が無数にあり沼や池なども豊富であって、いわば水郷地帯の様相を呈している。

そうした水の恵みは昔からそこに住む人々の生活を潤し、また今となっても貴重な食材を提供してくれる自然なのよね。
特に川魚や淡水生物の種類は多く、ウナギ・フナ・モロコ・ヤマメ・アユなどの魚類と、川エビや手長エビ・シジミ・ベンケイガニといったもの、その他に食用以外のものまで含めれば160種類余りとも報告されているわけです。すごいですねえ、そりゃ津島市周辺をドライブすると「川魚料理」と看板が掲げられた和食処をいくつもメにするわけですな。
そして江戸時代には一般テキになってひろく食されていたと云う『もろこ寿司』ですが、現在もそれは”ハレの日の食事”や”おもてなし料理”として引き継がれているわけであります。
昔は豊富に漁獲されたモロコも今はけっこー貴重品なのでありまして、琵琶湖あたりの有名佃煮屋さんではメん玉が飛び出るほどの高値で販売されているわけです。環境の変化もあるのでしょうね、津島市やその周辺地域でも厳しさは一緒でしょう、ワンコインでは僅かな量しかテにすることが出来ません。

寿司とは云っても生魚や塩蔵発酵させたものを使うのではなく、なんと甘辛く煮たモロコを酢飯に乗せて押し寿司にしたものなのですよ。こーゆー寿司って初めてなのでびっくりしました。たまたまではなく、いつもお買い物に行くスーパーやショッピングセンターの食料品売り場には必ずと言ってよいほどソレが置いてあるのですから。
えぇっ?!佃煮みたいなやつを乗せた押し寿司かい…う~ん…なんて具合に何度も見送りましたけれど、やはり伝統食・名物と呼ばれるからには一度は食してみなければArt-Foodsの名が廃るってもんです。お~っし!『もろこ寿司』と太巻&稲荷にナゴヤ名物『天むす』がセットになった尾張寿司ってやつを喰っちまおうじゃないか!てなイキサツなのであります。

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太巻や稲荷寿司・天むすと云ったものはお約束の味ですから特に申し上げることはありません。やはり肝心な『もろこ寿司』ですよね、こいつのリポートを誰しもが期待しているわけでしょう。
いや~特別にスゴいってものではありません。がっかりしましたか?ですよね…だって川魚の佃煮ですから。でも、なんだかホッと温かいものを感ずるわけなのですよ、♪優しさに包まれたなら~♪みたいな安堵感とでも言いますか、お醤油の辛さに砂糖の甘さは既知のものですが、この川魚の旨味とほのかな苦み…これがたまんなくスペシャルなのでありまして、お祝いの席にコレがあったなら必ずテを伸ばしてクチに運んでみたくなる…そんなお味なのであります。
甘辛醤油味の魔法でしょうか、ハレの日の料理というカテゴライズには何の異論もありません。大切なヒトにもぜひ一度は召し上がっていただきたいお味の伝統食なのであります。

で、機会があればまた購入しますか?
ええ、もちろんですよ!今からでもスグに買いに走りたいキブンです。







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