■ 噂のにゃごやモーニング その66 「 喫茶 恵瑠風(えるふ) 」
隠れ家のようでいてそうでもないフシギな空間
到着するとそのエントランスはまるでヒミツ結社の入口のようなフンイキなのだ。
営業中の札とか営業時間や定休日案内はおろか店名のプレートもないのでちょっと不安になりますけどね、国道155号に面した入口には確かに「喫茶 恵瑠風」の看板があったので間違いはないと思うんだけど…と恐る恐るドアを開けてみたのね。
お店の中に進むとアヤシ気な様子もなく、ホッとしてテラス風の席に着いた。おぉ~なかなかにステキな店内と窓からの眺めじゃないか。和風建築の外観とはウラハラに、ちょっとしたホテルのラウンジみたいなフンイキもあるし、 隠れ家のようでいてそうでもないフシギな空間だ。
お店の奥のキッチンカウンターでは店主と思しき男性が一人で先客のオーダーをさばいているが、新規に入店したボクにも「おはようございます」の声掛けは忘れていない。
こちらのお店のモーニングサービスは「トースト(別添の小倉あん付き)・サラダ・茹で玉子」のスタンダードなものと「焼きそばパン・サラダ」があることを知り来てみた次第なのね。もちろん注文したのは後者のほうなのであって、朝から『焼そばドッグ』ってエキセントリックな食事に大いなる期待を寄せてのことなのだな。
おっとっとお~、がつんときましたね!作りたて焼そばがドッグパンにギュッと挟まれ、紅生姜ではなくケチャップソースをちゅ~ってところが喫茶店のアイデンティティだな。そして見事に美味い。添えられたパスタのサラダもたっぷりで嬉しいサービスですよ。
それはそうと、ボクが最も感心したのはコーヒーの美味しさとその器です。
なんとも歪んだ形状のコーヒーカップが木製プレートに乗せられています。変形って云うのでしょうか、異形とも言えますね、こーゆー食器ってシュミじゃないんですね、ボクの場合。普段はいーかげんかつテキトーな性格と行動をしているクセに、テメーの身につけるものとか使う道具はオーセンティックなものしか選ばない石頭なのでありましてね、デパートの食器売り場などでもこのテの食器は一瞥してスルーするのが常であります。
とても懐疑的なキモチでこのカップをクチに運ぶわけですが、テメーに先行する否定テキ意識とは全く違うタッチでアプローチしてくるわけですよ。
何これ?このカップってさ、すんごく飲みやすいじゃん…手に持ったバランス、指がかりのフィット感、どれも想像を遥かに超えたインターフェイスなのですねえ、まっさか~な驚きであります。
そういえばこのところ従来は忌み嫌っていたモノとかの意外な一面を発見することが多くなったような気がする。
スコーンなんてさぁ、あんなモソモソして不味いもんねぇよ…と思っていたのに、あるお店で食して「うっそ~」な美味しさを知ったし、今どきの若い連中のバンド音楽なんてロクなもんじゃねえぜ…と拒絶していたくせに、ある日聴いた女のコ三人組の音楽に胸キュンしてしまったエロおやぢだ。
そうした意識の変化はクルマを”おフランス製”に替えてからいろいろな面で多くなったと思うし、テメーの干支が生まれた時のものに還ってきてからよりいっそう顕著になった気がするのね。
年はとりたくない…と思うのは肉体テキな話だけであって、精神や知識は齢を重ねることによってより強固で厚いものに成長している。あ~記憶力はダメになってますけど、それをカバーする図々しいチエが身についてきてますから。
そんなコトを考えていたら、食後に昆布茶をサービスで持ってきてくれました。有難いですねえ、もうちょっとこちらでゆっくりしてゆきましょうか。
静かな店内は長居を拒むものではありませんし、雨の日にこんな紫陽花の庭を眺めながらコーヒーをいただくってのも粋です。そう、喫茶店で読書…ってここ何年もご無沙汰してましてね、つまりそーゆーヨユーがないのはダメなんです。
◆ 喫茶 恵瑠風
愛知県愛西市山路町東野方 1-1
TEL=0567-24-1577
ACT=6:00-17:00 火曜定休
■ 盛夏到来
遅くなった梅雨明け
蝉時雨
いよいよ夏ホンバンですな
あと約二か月間がんばりましょうか