でらうみゃ~でかなわんわ(134)

いちどは喰いたい”名古屋めし”

其の拾参 ニッポンの底ヂカラを支えてきた庶民派食堂「鈴ヤ」

愛知県の津島市はナゴヤ市の西に位置し、古くから物流や宿場など交通の要所として栄えてきたと聞きます。もちろん津島神社と云う格式の高い寺社もあって様々な文化の発信地でもあったわけですが、明治以降は隣接する一宮市と同様に紡績業も盛んになり大きな企業の工場も存在していました。

「鈴ヤ」のサンプルショウケース

今でこそ国内ではそういった産業は衰退してしまいましたけれど、工場があれば鉄工所や機械メーカーなどの付帯産業も栄えるわけなのでありまして、この「鈴ヤ」さんの周辺には現在もそうした企業がたくさん残っているのです。
これはボクの推測に過ぎませんが、先の産業事業所を除いて田畑や住宅ばかりのエリアに「鈴ヤ」さんのような飲食店が在るのは、そうした産業に従事する人々の胃袋を満たす役割が要求されていたからなのでは…と思う次第なのです。
つまり高度経済成長期の屋台骨、ニッポンの底ヂカラを支えてきた庶民派食堂なんじゃないのか、とカッテに想像してしまうのですね。

鈴ヤの店内_190928 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

自宅兼店舗はかなり年季が入ったものでして某ローカルガイドさんは「ノスタなお店」と表現されておられます。ノスタねぇ…う~む、今どきの表現ですよね、エロおやぢはそういった短縮形はあまり使用しないので真っ当にノスタルジックとか古(イニシエ)系などと申し上げてきましたが、お店の入口わきにあるサンプルショウケースや店内の様子からは「ノスタなお店」というのが言い得て妙…と、若者の示す最適解に感心したりもするのであります。

事前情報では澄んだスープの和風ラーメンが美味く、またそこに添えられる自家製っぽいチャーシュウが泣かせてくれるらしい。あぁめっちゃいいねぇ、そんなラーメンも食べてみたい。
でも外の看板には『きしめん』『丼物』って謳ってあるじゃないか、ここは初見参のヨソモノとしては王道路線で攻めるのがやっぱり一番ふさわしい姿なんじゃないか、先ずはお店のベーシックから学ぶべきだ…とみょ~にマジメな取り組みをするキブンになるのです。

カウンターの仕切りに貼られたメニューには「丼物+きしめん」のセットがイチオシのようになっていて、やはりここはがっつり『かつ丼』をチョイスするのがオトコらしくていいんじゃないか、な~んて思うのですよね。

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「鈴ヤ」かつ丼+きしめんのセット   MINOLTA M-ROKKOR 2/40  SONY α7

開店時刻の30分も前に到着してしまったボクを早めに店内に入れてくれたおねーさんは「きしめんを普通のうどんにもできますよ」と言って下さったけれど、やっぱりナゴヤに来たら『きしめん』でしょっ!なのでありまして、ノーマルなセットでお願いしました。

いや~参りましたねえ、この『かつ丼』ちょ~美味いじゃありませんか。芳ばしくそしてソフトに揚げられたとんカツにタマネギとだし醤油とタマゴ…あぁもう一生こいつに喰いついていたい!てなカンジに攻め立てられまくりなドンブリなのです。
フォトでは後方に控えめな姿になっておりますが、お店の看板料理『きしめん』もジツにエクセレントです、本当にシアワセです。どちらのお料理もお味の塩梅が非常に素晴らしく、おねーさんの腕前は相当なものであると感じました。

こんなお店が近くに在ればねえ、シゴトを終えたご褒美にビールはもちろんですが「一級酒」(もう死語ですよね)を一杯飲って『味噌煮込み』でフィニッシュ…な~んて夢みたいなお愉しみを実現できるんだけどなあ。


鈴ヤ
愛知県津島市鹿伏兎町天王前213-6
TEL=0567-31-4191
ACT=11:30-14:00 / 17:00-19:00 日曜及び第2土曜定休
 
 
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