■ 川魚料理 魚信(うおのぶ)
木曽三川とは
木曽川・長良川・揖斐川は一般的には木曽三川と呼ばれてはいますけれど、国土交通省中部地方整備局木曽川下流河川事務所によりますと(う~ん、如何にもお役所テキな長いナマエ)流域は長野・岐阜・愛知・三重・滋賀の五県にまたがる「木曽川水系」が正式名称であって、海抜ゼロメートルの濃尾平野が下流域となっているらしいですね。
源流域の自然環境についてはここでは省略させていただきますが、下流から河口までの自然もまた豊かなものなのです。
衛星写真からもご理解いただけるとは思いますけれど、この三つの川が合流する地点は巨大な中洲状態になっているのでありまして、行政区としては岐阜県海津郡海津町です。江戸時代よりの治水の歴史は深く、また流域の住民はその自然の恵みも生活の糧として享受してきたのですな、野鳥・淡水魚・貝などの水生生物…こうしたものたちがこの地域の食文化に大きな影響を与えてきたわけですし、また現在もそうした伝統が私たちの食生活を潤してくれているのでもあります…って、なんだか某国営放送の自然紀行番組のナレーションみたいな駄文日記になってますけれど、平素はいーかげんなエロおやぢもたまにはこうした考察だってするのであります。
生簀には 鰻だけではなく鯉や鯰も
そんな岐阜県海津町にとても美味しい川魚料理がいただけるお店があると知り、早速行ってみたエロおやぢであります。津島市から愛西市を経由し木曽川・長良川を渡る国道125号線・立田大橋を渡ると国営木曽三川公園に至ります。そこからほんの少しクルマを飛ばせばこの 川魚料理・魚信(うおのぶ)さんに到着するわけです。如何にも和食のお店というカンジではなく、通りからはフツーの民家のようにしか見えませんので看板などに注意深く運転する必要があります。
通り沿いの駐車場(お店の敷地ですが)にクルマを停め、お店の玄関方向に歩いてゆくと生簀がありました。おぉ~っ、川魚と言っても多種多様なのですが、こちらでは鰻の他に鯉や鯰そして鮒・諸子・川海老といったものまでがその生簀で出番を待っていたわけです。
うっわ~、個人のお店でこれだけの生簀を保持しているなんて聞いたことありませんよ、これは期待できますね!てなところでして、ワクワクしながら暖簾をくぐりました。
トップバッター入店です。通されたお座敷には誰もおらず、清々と庭を眺めることのできる席を確保しました。卓に置いてあるメニューブックを見ると『鰻蒲焼』をはじめとした川魚料理のオンパレード…嬉しいじゃありませんか。
本当は『鯰の蒲焼』も食してみよう、という心づもりがあったのですが『うな重』と両方になると独りじゃキツいかな~ってことで断念。その代わりと言ってはナニですが『鯉の刺身』を注文してみました。
川魚のお刺身はたいてい酢味噌みたいなものでいただくケースが多いのですが、こちらでは八丁味噌のタレで食すようになっていました。これがまた美味いんです、コリコリとまではゆかないけれど適度な弾力を伴った身肉が淡い甘みと旨味で、静かな美味しさとでも言ったらいいのでしょうか、これが八丁味噌ダレの個性的な香りを纏ってじんわりとクチに拡がる美味しさが印象的です。しかも『鯉の刺身』は¥370と格安、有難いことですな。
土瓶で持ってきてくれる玄米茶が相棒ですが、出来れば日本酒あるいはビールのお供にしたいところです。年季の入った栓抜がみょ~にステキですよねえ、そしてちょっと虚しくもありますけれど。
魚信店内座敷_190929 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
いよいよ念願の『うな重』
さてこの日のメインである『うな重』が運ばれてきました。様々な川魚料理がフルセットで楽しめるコースもありましたけれど、それはまた別の機会があったらってことにしてこの¥1500の『うな重』をお願いしたのです。
今どき¥1500 !? ですよね!フツーの定食ドンブリものではこれが一番高価なセットでありまして『うな丼』ならもっとリーズナブルなお値段で楽しめるのです。いくら自家生簀を持ってるとは言え、これは良心的です。
静岡では関東風のふわっふわの鰻蒲焼を食べ慣れておりますけれど、はやり中京地区は関西の文化圏なので蒸さずに直焼しておられることから、もう少し焼き魚っぽい弾力を想定していました。
ところがこの蒲焼は炭火で焼きあげているせいか、外側がパリッパリに焼目がつけられておりますけれど、中は意外にふんわり柔らか!美味いです、美味いです。静岡の鰻蒲焼とはまた違った美味しさがありますね、いや~美味い。タレの塩梅も申し分ありません、スゴいお店に出逢ってしまったようです。
肝吸いとお漬物も添えられてきます。シツコいようですがこれで¥1500って信じられませんね。でも安いから食べに行くのではなくて、この鰻蒲焼が美味しいからそうするのです。
卓に山椒や七味唐辛子などの薬味は置いておらず、ちょっと残念な気もしましたけれど、それも含めてソレがこちらのお店「魚信」さんの流儀なのでしょうな、このスタイルで楽しむ『うな重』に不満なんぞ微塵もありません。
あぁ、これならがっつり二つ喰いたい…¥1500×2の¥3000は惜しくないぞ。
◆ 川魚料理 魚信(うおのぶ)
岐阜県海津郡海津町万寿新田7番地
TEL=0584-54-5225
ACT=11:00-18:30 木曜定休