■ カツヲのたたき
「初鰹」と云えば青葉のころ…というイメージですが、実際は三月にもなれば九州などで水揚げされ次第に北上してくるわけです。現在の四月はその真っ只中、魚屋さんの店頭に並んでいた『カツヲのたたき』も " 冷凍解凍 " という表記がなかったので、おそらく地元水揚げ&地元加工なのでは…と食欲をソソられる結果になりました。初鰹は初夏の季語ですが、お先にシツレイって感じです。
そしてその地元ってのは静岡県の中部にある「鰹の水揚げ日本一・焼津港」のことです。その焼津で明治41年に創業した山政(やままさ)さんの製品、これなら間違いはなく信頼のおける商品なのですな。
るんるんで帰宅し、いそいそと薬味の準備をし、うひうひと晩酌の開始です。
『カツヲのたたき』を食すときはたっぷりの薬味を準備したいものです。今が旬の新タマネギのスライスをアンダーベースにし、ニンニク・生姜・大葉・茗荷・青葱…和ハーブと呼ばれるそれらをタタキの切身でばっちり包み、ざばっとぽん酢醤油でいただく快感は何物にも代えがたいものであります。あぁ美味いなあ!
ひとつだけ申し添えておきますが、生姜はおろしたものを使われる方が多いようですが、あれはダメです。魚肉の旨味と香りは繊細なのでソレでは殺されてしまうのです。ちょっとだけテマヒマはかかりますが、針生姜(千切り生姜)にして軽く水に晒したものがベストでしょう、食感・香り・旨味の全てに満足のゆくものになります。
平素は灘のお酒をいただいておりますが、せっかくこうして地元の旬を味わうのですから、お酒も地元のものを用意したいものです。焼津のお魚ってことで、本当は「磯自慢」という焼津の名酒をあわせたかったのですが、残念なことにかなりな入手困難品でしてね、そこはまあ哀愁のイナカ町でも名蔵元はいくつかあるものですから、そのひとつである高砂酒造さんの「山廃純米辛口 高砂」をいただくことにしました。
マイルドな酸味と豊かな酵母の香り、とってもいいお酒です。なかなかジミ(ラベルはインプレッシブですが)に販売されているので見つけにくいものですが、お値段はごくフツーのレベルでして、ボンビなエロおやぢは大いに助かるのであります。
この日は「冷奴」や「鰯の握り寿司」もいただきましたけれど、そのイワシですね、なんと北海道釧路で漁獲されたものでして、これがまた脂のりのりでめっちゃ美味かったわけです。旬の『カツヲたたき』も危うく主役の座を奪われそうになるほどでして、それもなんだかもしかしてリピート?っていうくらいの美食なのでありました。
◆ 焼津 山政
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■ ハナニラ
今や庭のあちらこちらに顔を出しているハナニラ。葉から生じるニオイは別にしてなかなか清楚なカンジもしますし、ある意味儚げでもあります。
そのせいか花言葉はちょっと残念でネガティブまっしぐら…なのですよ。
悲しい別れ 耐える愛 愛しい人 恨み 卑劣
これまであまり気にしたことのなかった花ですが、早朝の薄明の中で蒼白く咲く姿には惹きつけられるものがあります。もう寝てなんかいられない!って感じです。そして日中陽が昇ってからも木漏れ日の日陰にそっと咲く姿も美人です。
ペールピンクやライトブルーのものもあるらしいのですが、やっぱり白がいいよねえ…ってパンティーの趣味の話じゃありませんから、ハナニラですハナニラ。