■ 明治時代からの老舗による逸品
Meari(台風8号)の接近により異常に高温化していた葉月十一日の静岡でありまして、いつもはお墓参りとセットにしているグルメな外食でありますが、清水のちょいハイソ系スーパーでお買い物をしているうちにその外食よりもなにがしかのテイクアウト商品を購入し、サッサと帰宅してお昼ご飯にしたほうがいいんでないかい?てなことを提案しました。お墓参りの後に何処かで美味しいものをいただくことを楽しみにしている母上も、この変更プランには瞬時に賛同してくれました。まあソレくらい暑くて外食すらメンドっちくなってしまったってことなのですね。
デリカテッセンも充実しているちょいハイソ系スーパーですが、お弁当の類も素晴らしく目移りしてしまいます。そんなオリジナル商品群に混じって静岡市内で明治時代(1889年=明治22年創業)から営業をしてる「東海軒」さんの駅弁がいつも並んでいるのが特徴のこのスーパー、以前から気になっていたのですよ。お~っし今日こそその弁当を買ってみようじゃないか、やっぱり駅弁と云えば幕内だよなあ…ってことでカラフルな掛け紙の折箱をテにするわけです。
今どきの弁当にしてはジミですよね。ハデな部分は全く無いし、ある意味 " 質素 " であるとも言えます。一見ではコンビニなどで販売されているものと比較しますとヴィジュアル・お値段のどちらも劣っているように感じますが、この幕内弁当を食してみれば静岡県民に愛され超ロングセラーであり、なおかつ東海軒さんでは売り上げナンバーワンのスペシャルであることの理由が解るってもんです。
俵型の白ゴハンには黒ゴマ&梅干し、ウグイス豆、ヤサイと山菜の煮物、焼鯖、カマボコ、卵焼、海老フライ、チキンカツ、豚肉と鶏団子の煮物、名物わさび漬と桜漬…ゴハンとオカズのバランスが非常によろしい上に、その何れもが上質なのであります。ひとつひとつを評価すると膨大な文章になってしまいそうなのでここではパスしておきますけれど、いずれその詳細を書き留め記録しておく作業も必要なのでは…と思うほど秀逸な幕内弁当かと思います。ジツに美味しく素晴らしい。
神奈川・崎陽軒さんの「シウマイ弁当」も稀代の傑作だと思いますが、静岡・東海軒さんの「幕内弁当」もがっぷり四つの大勝負でしょう。歴史の重みも感じさせる逸品、ぜひまた食したいと思います。