■ 鰹たたき
近海一本釣りカツヲ
先日は美味しいカツヲ刺身をいただきましたが、鮮度よく堪能するに耐えられるカツヲはそうあるものではなく、次のチャンスを狙いたいと思います。ただ静岡県駿河湾から遠州灘にかけて漁獲されるカツヲの中には「もちカツヲ」と云って極上の食感と旨味を兼ね添えたものがあるらしいのですが、残念なことにそれは水揚げ後数時間しかその美味しさを保てる存在ではないようで、未だ食した経験がありません。まあ漁港の市場などでそのうちゲットする機会もあることでしょう、サラリ気長に待つことにします。
もちろんフツーの「鰹たたき」も好物のひとつですから、佳いものがあれば即カゴですよ。運よく鮮魚の特売に遭遇したその日は、御前崎沖などでの近海一本釣りカツヲを藁焼きにした「鰹たたき」を店頭に見つけまして、他のお料理の予定は全てキャンセルしこの好物ひとつに絞った晩酌タイムを計画するのです。
今回は土佐高知のほうで一般的なにんにくスライスはご遠慮願い、大葉や茗荷そして生姜といった優しい香り系の和ハーブだけで構成してみました。がっつ~んとにんにくの効いた「鰹たたき」もファッティーな風味で大好物なのですが、盛夏に突入する前であるこの時期にはスタミナ重視よりも梅雨時の鬱陶しさを追い払う爽やかさを大切にしたいものですよね、もうたっぷりマキマキしてあんぐり頬張りたいわけです。
添付されていた " 鰹たたき専用タレ " は優秀なお味でしたが、やはり当家の " 自家製柚子醤油ポン酢 " が圧倒テキなパフォーマンスで魅了します。そしてもう喰っても喰っても飽くことを知らない「鰹たたき」は和ハーブミックスのポテンシャルが最高に生かされたお料理かと自負しております。
「鰹たたき」でマキマキしたフォトがないと解らない?知ったこっちゃねえよ、美味くて美味くてそれどころじゃないんだ。廉価だけどお気に入りの日本酒で喉をぐびりと鳴らしながら、このひと皿を喰いまくるのであります。
■ 水無月の庭風景 梔子の終焉
川縁の石積みに枝を拡げる紫陽花も
白い花蕾主体の花塊からすっかり大きくなり
深く鮮やかなものに成長しました
あぁいつまでもこんな風に咲いていてくれたらいいのに
いっぽう梔子の花はその寿命を終えようとしています
先に開いた花たちはすっかり黄変し
その花弁を垂れて情けない姿に...
凡そ初夏らしからぬ風情を構成しております
愛欲を貪り合うまぐわいの後
想いを放出した男性器のように
満ち足りた弛緩に身を委ね
静謐に過ぎゆく時のよう