■ 漁師めし
美味しさへの節度
盆の入り前に清水のお寺に墓参りに行ってきました。
平日なので境内はとても静かで、本当はもっと念入りにお墓を磨きあげたり清掃をすべきなのでしょうけれど、あまりに暑くてお座なりなことしかしなかったのは父上はじめご先祖様方には申し訳ないと思いましたよ、ええ涼しくなったら改めてお伺いしてはその責を全う致しますからね。
さて墓参のあとは食事をしたりお買い物などルーティンとしていることはあるのですけれども、それもこの猛暑にブロックされて思ったような行動がとれません。ねえ…静岡七間町にあるお気に入りのレストラン、伊勢丹地下、駅ビルの成城石井など巡りたいところはいくらでもあるのですが、やはり母上をお連れしてのこととなりますと無闇な行動は慎まなければなりませんし、まあお店は逃げませんのでまたいつか…てなところですね。
そんなワケでお寺からほど近いちょいハイソ系スーパーでお買い物をして帰る…と云う新型コロナ蔓延以降の新ルーティンを踏襲するのです。まあこのアクションにもよいことはたくさんありまして、平素は哀愁のイナカ町で燻っている潜在テキ欲求を解放しやすいこととか、デパ地下並みの品質や品揃えに向き合えることなどが非常に嬉しいわけです。
今回もいろいろ買い漁りましたが、そのひとつがこの弁当スタイルの『漁師めし』であります。近年は不漁で高騰している駿河湾産桜海老をふんだんに使ったこのひと品、もう見た目だけでも優勝ですよね。
普通は " 桜海老のかき揚げ " と云えば平たい円柱状に成形するものですが、そこに気を遣わず敢えてパラパラにしてあるところが漁師さんっぽくて素朴、決して無駄にワイルドさを演出してはおらず美味しさへの節度が保たれておるところが漁師としてのプライドとでも言いましょうか、プロフェッショナルの矜持を感ずるところです。
下に隠れているゴハンもオイスターソースが隠し味に使われている炊き込みご飯ですし、桜海老のパラパラかき揚には濃い甘辛風味の天ツユが満遍なくシミていて、ジツにストレートに響いてくるお味です。小細工の無い桜海老のピュアな風味が心に残るお弁当です。
■ 葉月の庭風景 センリョウにケロ助
センリョウのある場所は楓の木蔭で涼しそうだけど
ケロ助も暑くて食欲が落ちたりするのかな…
少しヤセたような気もしないでもない
まあしっかり喰って冬眠に備えて下さいな