■ チーズ アソート プレート
お代わり連発の東洋人
スペインの庶民派居酒屋であるバルでよく供されるものとして「タパス」という小皿料理があります。お酒を注文するとひとつついてくる " お通し " みたいなものですが、内容が決まっているわけではなく、お店の得意料理であったり、旬の食材を用いたものであったり、またお酒の肴として定番のおつまみであったり…と、まあとにかく酒飲みには嬉しいひと皿なのですな。
赤ワインを飲むにあたってそんな料理のマネゴトをしてみたくなり、手元にあったチーズで悪戯をしてみるのです。ペルー人の作ったケソフレスコ、フランスのブリー・ペイザンブルトン、デンマークのダナブルー…こんなチーズたちを盛り合わせてみたプレートです。
ブリーやブルーチーズは定石通り常温に馴染ませて食しますが、ケソフレスコは今回初めて焼かずにそのままでいただいてみました。焼いたものとはまた違うフレッシュでクリーミイな風味がヨーロッパの長期熟成型チーズとは異なる美味しさで、この三者の対比は非常に興味深いものでした。
タパスは他にポークソーセージやサラミソーセージ、シンプルなクラッカーやカットフルーツそしてパンなどをテキトーに小皿に盛ってはテーブルに並べるわけですが、それらを上手くまとめ上げる赤ワインがあってこそのタパスなのでありまして、これがお家ではなくバルセロナのフラメンコが流れるバルであったなら間違いなく調子にのって、お酒もタパスもお代わり連発といった東洋人の旅行者になっていると思うのです。
大学生時代の知人は数年ヨーロッパ各地を巡って暮らしたことがあったらしく、特にスペインやポルトガルは物価も安くて当時の¥1000も持っていればワインと料理をハラいっぱい楽しむことが出来た、と語っておりました。いいなあ、いつかオレも…などと思っているうちに時はあっと云う間に流れ、時代も変わってそんな安価な食事など過去の遺物になってしまいました。あぁあの頃なら借金してでも行って来ればよかったんだよ...なんて思っても時は既に遅し、欧州の紀行番組なんぞを視ては溜息ばかりの日々を送っているわけです。
■ 長月の庭風景 キマダラカメムシ そして彼岸花
当家の大切な柿の実に被害を与えたのは主に緑色をしたツヤアオカメムシってやつでしたが
稀にこうした大型種も飛来していたようです
キマダラカメムシですか…紋様はなかなか美しいものを持っていますが
こいつも柿に群がる種類のようでして
檀の木蔭にそっと咲く彼岸花
この場所はすっかり定位置になっているようで
日中と曇天は控えめな風情を装ってはおりますけれど
どっこい夕方の西陽が射し込むと燃えるような赤さとなって…