塩ニシンと焼野菜

塩ニシンと焼野菜

北国の庶民派

塩サバは何処にでも売っている加工品ですが『塩ニシン』はちょっと珍しいものですね、北海道ではポピュラーなものでしたけれどこの静岡でお目にかかったのは初めてのことです。元々はカズノコが目的のお魚ですから魚肉の方は見向きもされませんでしたが、今では漁獲高も減少して貴重な国内水産資源として見直されているのではないでしょうか。
どんなお味だったのかもすっかり忘れてしまっているので、お試しってことでカゴに入れました。まあフツーに焼いて食せばいいものを、ちょいとイタズラとでも言いましょうか、旬の野菜を焼いたものと盛合せてお皿に盛りつけるわけです。

越乃雪椿 純米吟醸

せっかくですから日本酒も寒い地方のものにしてみました。本当は北海道のお酒にしてみたかったのですけれど、あいにく近隣のスーパーでは扱いがなく、まあ雪国の新潟のものならそのつながりは悪くはないでしょ…って目論見であります。

予めカットしてから焼くのは単に見た目だけの問題で、お味テキには半身そのままのほうがいいに決まってはいるのですけれど、カット面にも焼色がついて香ばしい風味が付加されるメリットもあって一長一短かな、焼野菜との盛り合せに於いてはコチラが断然有利ですね。

塩ニシンと焼野菜   Nikon NIKKOR-S・C Auto 50mm F1.4  SONY α7

何十年ぶりかに食した『塩ニシン』は非常にコクのあるファッティーなお味で満足です。見た目は塩サバを焼いたものに近いですが、やや個性の強いその風味は昔から塩漬けにして保存期間を稼ぎ、シンプルに焼いて食す庶民のお味でした。北国の食べ物らしく濃いめのお酒によく合うお料理で、呑み助には堪らないひと品であったことと思います。もちろん新潟のお酒とも相性はよくて、サスガに寒い地方同士の出会いかなと思いました。
また蓮根や薩摩芋といった旬のヤサイとの親和性もよく、ニシンの脂が焼野菜に調和してお酒がますます美味しく感ずると云う危険ループも察しなければなりません。
サッと焼いたものを甘露煮にしてもよかったかな…なんて思いつきもあって、未だスーパーに売っているなら再び購入してきてもいいよなあ、などとヨッパの夢は広がってゆくのであります。
 
 

 
 
 
 

霜月の庭風景  野紺菊 そしてヤツデの空蝉


すっかり咲き揃った野紺菊です
小さな紫色の花が風に揺れる姿が可愛らしいですね
近隣で見かける機会もあまりなく
当家の庭では貴重な存在です

霜月の庭風景 野紺菊   Carl Zeiss Batis 2/40 CF  SONY α7RM5



寒風が吹くころになっても
しっかり草木にしがみついている空蝉
盛夏のころと何ら変わることのない色カタチ
そこがまた晩秋の侘しさを募らせるのであります

霜月の庭風景 ヤツデの空蝉   Carl Zeiss YC. Planar 50mm F1.4 T* MMJ  SONY α7