■ まぐろ納豆 アップグレード版
快楽の迷宮
機械商社の営業技術で北関東を飛び回っていたころは、未だバブルの最終期で製造業の設備投資熱も高く、商談や技術サポートといった業務が毎日のように激しく押し寄せて、会社からの退出は早くても21時過ぎ…と云う日々でありました。
ようやくその日のシゴトから解放されてヤレヤレと帰宅途中でセルフお疲れ様会、大田区大森の居酒屋さんはそんな中で何軒かをローテション利用していたものです。
静岡のイナカ者が最初に驚いたのは、その居酒屋メニューの中に『まぐろ納豆』というものがあったことです。ええっ!?マグロに納豆かい、マジっすか?てなところですな。マグロのお刺身と云えばワサビ醤油でいただくことしか知らなかったものですから、その奇異な取り合わせには心底驚きましたけれど、面白半分に注文して食してみれば、これがまたヒザポンな美味しさなわけです。
まあ基本テキにはフツーのマグロ刺身をいただくことが多かったものの、たまにその複雑かつ濃密なお味に触れてみたくなり気が向くと注文したりすることもありました。

そんな『まぐろ納豆』をふと思い出し、ちょいとノスタルジックな気持ちで作ってみた先日であります。もちろんマグロの切り身だけで作るのがベーシックなものですけれど、スーパーの鮮魚コーナーにはたまたま切り落とした他の魚種もミックスしたものがお買い得価格で並べられており、おぉ~これならアップグレード版が楽しめるじゃないか♪ とウキウキとカゴに収めるエロおやぢなのですよ。
こーゆー料理は上品ぶってカッコなんかつけてちゃダメなんだよな、上から生醤油をダっとかけ、ぐわ~っと全体をかき混ぜ、全体が均質なカオス状態になることを目標に上から下から掬い上げ水平方向にもスクロールさせ、そこでようやく喫食可能なものとなるわけです。
おもむろにクチに運べは、そこには得も言われぬ混沌とした快楽が存在し、ねっとりまったりとろ~りうっふぅ~んの世界が恐ろしいくらいのエネルギーで押し寄せるわけなのですよ。
あぁコレってヤバいよねえ…抜け出すことの出来ない快楽の迷宮に入り込んでいると思うのです。
■ 弥生の庭風景 ラスト八重咲白椿と檀の芽吹き
うっかり見逃してベストタイミングを逸したと思っていた八重咲白椿
幸運が訪れて未だヴァージンのような美しさを保っているものがもうひとつ咲いてくれました
ただしこの角度と位置からしか撮影は不可
それでもなんとか捉えたピュアな美女

冬眠から次々に目覚める庭の樹木たち
檀も小さな新芽を遠慮がちに吹き始めました
バッサリと剪定されたことも何のその
今年も変わらぬ様子で新緑の準備です
