■ 煮込みハンバーグ
閉店した老舗専門店にリスペクトを込めて
またひとつ、静岡市の中心部から老舗飲食店の灯が消えました。静岡市七間町で50年余りに亘って煮込みハンバーグの専門店を営んでおられた「スパーゴ」さんが先月そのお店を閉じてしまったのです。
ここ数年こうした事案が静岡の繁華街で続き、蕎麦屋さん、とんかつ屋さん、鰻蒲焼屋さんなどエロおやぢが贔屓にして利用していたお店ばかりが次々に閉店に追い込まれてゆくのはどうしてなのでしょう、本当に残念でなりません。後継者がいなかったこと、賃貸料金と売り上げのバランスが崩壊したことなどその理由は様々ですが、今回の理由はビル所有者との間で建築安全性についての折り合いがつかなかったことが主たるものだと聞いておりますが、何れにせよ地方都市中心部の空洞化がそうした廃業へのトリガーとなっているのは間違いありません。クルマ社会が当たり前になり、郊外型の大規模商業施設ばかりが繁盛をする現在、この流れは政治的・行政的に大きな決断と実行が為されない限り止められるものではないでしょう。

しばらくその『煮込みハンバーグ』を食していなかったので「スパーゴ」さんへのリスペクトを込めて自家製してみました。過去にそのお店で飲食した時のフォトや記憶に残っているお味を元に出来るだけ再現に努めたものです。最後にお邪魔したのは2015年ですから、ずいぶんご無沙汰していたものですね、いや~行きたい行きたいと思いながらもなかなか実現出来ずに早10年ですか、あまり褒められたものではありません。
そんな反省もありますが、素晴らしい思い出を作ってくれた「スパーゴ」さんの名物料理には、初めてそのお店を訪れた当時に使用していたニコンのレンズを使って撮影しました。現(株)ニコンが社名変更する前で、創業した戦前から使われてきた Nippon Kogaku(日本光学)と銘打たれる Nikon Fマウント50mmの標準レンズです、今でもリッパな描写をしてくれます。

あぁあのお味はもう食べられないのか…と云う残念な気持ち、そして当時の少し切ない思い出などが心に去来する中、輸入モノのオーガニック赤ワインなんぞをクチに含み、世の中ずいぶん変わったもんだよなあ…などと遠い目をするわけです。
折しも高度経済成長の真っただ中にあった日本、こんなワインを気軽に飲める時代ではなかったけれど、夢や希望に溢れていたなあと思います。今はこの先のことを考えると暗澹たる気持ちしか残されていないのが無念の極みであります。
■ 皐月の庭風景 ヘリオスパープルの蔓薔薇
昨日の駄文日記に公開したクリムゾンレーキの蔓薔薇に続き
可愛いピンク色をしたヘリオスパープルの蔓薔薇も咲き始めました
比較的小型の花弁ではありますけれど
八重咲のグラデーションがジツにラブリイであります

護岸石積みにもその枝葉を伸ばし
お天気の良い日は陽光を一心不乱に受け止める姿となります
昨年よりも花の数が多くなっているようで
まだまだ撮影のチャンスがありますね
