■ 本鮪中とろ鉄火重
地中海の島国から
本鮪と云えば青森県大間で水揚げされるものが有名ですが、そんな高級品ではありません。パッケージには " マルタ産 " と謳ってある冷凍輸入モノですな。
えっ?それじゃマルタってドコにあるのよ…ですよね、はいイタリア領シチリア島と北アフリカの間に位置する地中海の島国、正式にはマルタ共和国なのだそうです。へえ~そんな所でも本鮪が獲れるのですな。

マグロ好きな日本人は国内漁獲だけでは賄いきれないので、こうした国からも輸入を行って価格の高騰を抑制しているのですけれど、最近は近隣のアノ国でも生マグロが富裕層を中心に人気が出ている様で、なんだかヤバいライバル出現ってカンジですね。まあそのハナシは別のチャンネルですることにして、ボンビなエロおやぢでも平素クチに出来る本鮪を語りましょうか。

やはり静岡県はマグロ全般の価格が全国平均よりもかなりお安いようで、こんな食味・品質共に上級のマグロはこのお値段で他の都道府県で流通することはないようです、80gで税込み¥599…つまり脂のり抜群の本鮪が100g換算で¥749…とは破格の流通価格ですよね。
多少スジっぽさもみてとれますが、食してみればクチの中であっと言う間に溶けて消えてゆくような食感と旨味、あぁコレが本鮪の中とろってもんだぜ!と歓喜の表情で天を仰ぐことになるわけです。参ったなあ…美味すぎるじゃないか。

本鮪にお約束の微かな酸味と、豊かな滋味が寿司飯と一体化して極楽浄土へ誘うのですな、いいんですか?なんかバチとか当たったりしませんよね?てなもんです。
今日こそは気に入った地酒を傍らに地中海の幸をいただくわけですが、フシギなもので日本近海で漁獲される本鮪と同様にニッポンのお酒との親和性はもう例えようのないくらい密になっておりまして、時々催される特売を心待ちにしてしまうのですね。次回はいつなのか事前に通知していただけると有難いのですが…ってそんな都合のいいハナシは世の中にないんだよ。
■ 水無月の庭風景 ハナノヲハリ
優雅で美しい姿だったオランダカイウもお終いとなりました
枯れ萎えて哀れな姿ではありますけれど
輝いていた時代のことは忘れませんからね
来年までしっかり養分を蓄えて過ごして下さい

頬にまだチークが残っているかのような蔓薔薇です
往年のヘリオスパープルの名残りを
隠しもせずに過ごす晩年
やがて消えゆく色も惜しくはないのか

一枚だけ残った花弁がまた惜別の情を誘いますね
ねじれ曲がった雄蕊の支持体は
それでも妙な統一感を創り出していて
元の黄薔薇とは別の生命体となったようでもあります
