■ シシャモのアヒージョ
調理工程はシンプル
一般的にシシャモと呼ばれてスーパーなどで売られているアレですが、ジツは本物のシシャモではなくカラフトシシャモ(樺太柳葉魚)で、英名をカペリンと云います。本家本元のシシャモは北海道の太平洋側一部エリアでしか漁獲されず、魚種は近隣ながら習性などが異なり、また食味もダントツに本家本元の方が美味しいものですが、だからといってカラフトシシャモがダメかというとそんなこともないわけで、安価かつ大量に漁獲そして輸入されるため庶民にとっては非常に有用なお魚なわけです。

エロおやぢも北海道釧路に住んでいたコドモのころは、小学校近くの阿寒川でバケツを投げ入れればバシャバシャと入ってくるくらい容易に獲れたものですから、ヨモギの枝にクチ刺しにしては干して、オトナの酒肴からコドモのおやつにまでなったものですけれど、今は資源量が極めて少なくなりすっかり高級魚になってしまいました。釧路産のシシャモを食したのはいったい何年前のことだい?ってくらい長らくいただいておりません。
まあそんなワケでスーパーで売っている「子持ちシシャモ」をときどき購入してはソレっぽいお味を楽しんではおりますけれど、そのカラフトシシャモはフライや唐揚にすると大変美味しいというハナシを小耳に挟みましてね、それならスペインやイタリアのバルで提供される「アヒージョ」というガーリックオイル煮にしても旨いんじゃないのか…と話を飛躍させてしまうわけです。

オイルには件のシシャモの他にジャガイモも沈めてあり、はふはふとシシャモを食している間にジャガイモも香ばしく揚がる寸法です。ただガーリックオイル煮とは云え、シシャモの鮮度が良くないと臭みが発生してしまいますので、信頼できるお店で購入したものを使うべきでしょう。じんわりと身肉にシミたガーリックの香り、オイルでほろっと崩れるように柔らかくなった卵など、食味・食感共にワインやビールの相棒としては素晴らしいものになります。あ~もっと喰いたかったなあ…それにシシャモだけではなくマッシュルームとかエスカルゴ風にツブ貝などもたっぷり用意しておいてオイルフォンデュみたいなスタイルにしてもよかった気がします。

まあシシャモはいつも通り炙っていただいた方が日本人好みかとは思いますけれど、このテのお料理は調理工程はシンプルながらも、食材はバラエティーを持たせておいた方が目も胃袋も満足するでしょう。
ってことで、なんだかちょっと変わった紅芋焼酎なんぞをいただきながら次回のアヒージョ設計図をアタマに想い描くわけですよ。だんだんヨッパになってメンドっちくなってきてしまいますけどね。
■ ご近所ぷらぷら June 20-23. 2025.
紫陽花と云えばこんもりと円く樹形を為しているものが多いものですが
ここの紫陽花たちはてんで無造作に立っているかのようです
そして他の場所のものは終わりかけも目立つのに
まだまだ蕾を持つ枝もたくさんあります

ようやく明るくなり始める時刻
爽やかなブルーのアガパンサスがそっと浮かび上がるように見えてくる
日中は眩しいくらいに輝くこの花も
やはりお目覚めは落ち着いた静けさの中
