■ ヤリイカのポッポ焼
あの名店のお味をもういちど
釧路に住んでいたころ時々連れて行ってもらった名店・元祖「炉ばた」さんでいただく " イカのポッポ焼 " のお味が忘れられませんでした。ワタを抜いたスルメイカの胴にゲソと甘味噌を詰め爪楊枝で止めたものを炭火の炉で焼き上げてくれる逸品です。

時折それを思い出しては、あぁまた食べたいなあ…と思っていたのですが、昨今のスルメイカの不漁ではそうした庶民のお料理でさえ手の届かないものになってしまい、またそれを跳ね返すだけの経済力のなさに忸怩たる思いを持ち続けていたのであります。
ところがよく考えてもみれば、何もスルメイカでなくてもいいじゃないか…てなことなのですな。房総沖で漁獲されるヤリイカは少々小型ではありますけれど、安価に入手出来ますし、なによりその柔らかな肉質と食感がそうしたお料理に向いているのではないか、と判断するのです。

生姜を利かせた甘味噌を調合し、ゲソと共にヤリイカの胴に詰め込みます。爪楊枝でクチを止めたら魚焼きグリルに並べて待てば、あのイカの焼ける素晴らしい香りがキッチンに充満してゆくのですよ。う~ん、もうガマンなんかできるはずがないじゃないか、プレスタータに冷たいビールをぐびぐびギュ~ンしながら待つこと10分ほど、いい色に焼けたヤリイカが神々しく登場するのですよ。
ちょいと残念だったのはやはりヤリイカの特性上の問題で " 焼き縮み " が顕著であることなのですね、思っていた以上に小さくなってしまって慌てましたけれど、お味の方はグッジョブであります。

ぷりぷり柔らかなヤリイカの食感、生姜味噌の香りと旨味がいい塩梅でまとわりついていて、釧路のあのお店でいただいた感動が明瞭に蘇ってきます。あぁこんなに美味しいならもっと食べたかったなあ…てな『ヤリイカのポッポ焼』です。
まあスルメイカの漁模様が回復してもう少し安くなったら、あの肉厚な胴に詰めたものを思う存分楽しんでみたい…と夢に描いております。その時にはぜひ北海道のお酒、出来れば釧路の「福司」あたりを準備して臨みたいところです、それまでは灘の樽酒で助走路を確保しておきますから。
■ 霜月の庭風景 朱い実
いくつかの柿の実は野鳥さんたちへのプレゼントとして枝先に残しておきましたが
それもとうとう最後のひとつになってしまいました
あぁ名残りの柿だねえ…と独りつぶやいて記念撮影
そしてこの翌日には野鳥さんに啄まれ跡形もなく消えておりました

師走を目前にして梔子の実もすっかり色濃くなりました
あまり放っておくとやはり野鳥さんの餌食になってしまいますので
年の瀬が押し詰まらないうちに収穫しましょう
ええ毎年その使い道に悩むだけなのですけれど

センリョウの朱い実も綺麗に揃いました
こちらも野鳥さんたちの好物のようで
黒いナイロン製の防鳥ネットは必需品ですよ
いちおー物置から出してきて下準備は整っております
