■ ミナミマグロのお刺身
危険かつスリリングなループ
鮪と云えば王者の本鮪(クロマグロ)が人気の頂点に君臨しております。築地の某寿司チェーンが一尾数億円もする本鮪を毎年競り落としては話題になっており、また訪日外国人の方々にもその食味の素晴らしさで " 和食=SUSHI " の代表格として認知されていますね。
ただ資源保護のための漁獲制限や流通経費の上昇でその価格は高止まりの傾向にありますけれど、いっぽうでその本鮪に代わって近年人気赤マル急上昇しているのがこの南鮪(ミナミマグロ、インドマグロ)なのです。

鮪の水揚げ量の多い静岡県では以前からこの南鮪がお寿司屋さんをはじめとした飲食店ではウラ人気のマグロです。ツウと呼ばれる御方は敢えてコチラを選択するほどの好まれ方をしておりまして、まあ知る人ぞ知る…といったカンジでしょうか。強い旨味と微かな酸味が心地よくバランスした本鮪に対し、南鮪はファッティーでトロけるような旨味を有する肉質と舌触り…あぁドチラも甲乙つけがたい魅力に満ちています。
そんな南鮪の平造りが時々スーパーの店頭に並ぶこともあります。お値段はその時の相場で上下しており場合によっては本鮪より高値であることもしばしばですが、先日は比較的庶民に近づいたものであったので、例によってまあいっか~と開き直ってカゴに入れてしまいました。

あぁやはり美味しいものですね、ジツに旨い。バブルの頃のバカ芸能人は「あま~い」か「やわらか~い」しかボキャブラリがなかったものですが、今の連中はそれに加えてエンミ云々といった講釈を垂れるアホが急増していて呆れるばかりです。そもそもエンミっていったい何なんだよ、誤用ではないかも知れないけれど正しくもない…って脱線ですね、元へ。
ただこの南鮪に関してはそうした月並みな評価の言葉を並べることしか出来ず、的確な表現が如何に難しいものであるかを知らしめてくれるものなのです。いちおー前述してある通りこの南鮪の中とろは脂の旨味に喰いつき感があって非常に印象深い旨さなのですよ、いつまでもその美味しさが舌に残っている感じがして食べても食べてもまだ喰い足りないような欲望が加速してゆくのです。

ニュートラルで辛口の地酒をいただきながら、南鮪のお刺身を存分に堪能します。表面の旨味は日本酒によって流されてゆきますが、味蕾に残る記憶が再び南鮪を欲し、そして酒の助力を乞うことになります。非常に危険かつスリリングなループが開始されますけれど、そんな時間に身を委ねる快感もまた忘れ難いものであるのは確かです。
■ 水無月の庭風景 小さな花たち
細長い葉の海に埋もれるようにして咲くヤブランの花
直径が8mmほどしかない小さいものですし
微かな紫が先端を染めている程度で地味なのですけれど
このひっそりと静かに咲き続ける風情が好きな花でもあります

同じく木陰や庭石の脇でそっと咲いているコモチマンネングサ
これもヤブランと同様なサイズの小さな花ですが
黄色のスターがふと気にかかる輝きを持っていて
改めて見直してあげたくなるような魅力があります
