牛リブロースのエスカロップ

カタい線を狙っていつも同じお店で食事…というのも悪くはないが、タマには冒険もしてみないと新鮮なヨロコビは得られないものなのだ。

 先週も単独で行ったばかりだったが、友人からの誘いもあって清里に向かった昨日。空模様はイマイチだが気温が低いのでカイテキなドライブを楽しめるのね。
清里には9時前に到着し、いつものようにメリーマックさんで午前中過ごした後、前回メをつけていたレストランに向かった。清里から長坂IC方面へ下った大泉町にあるその店は『カーティス・クリーク』さんというステキな欧風レストランなのである。
日曜日ではあったがちょっとオトクなランチメニューもあって、ボクは自主テキに封印していた牛肉料理をすかさずチョイスしたのよ。
 その名も“ビーフエスカロップ”、チーズクリームソースと添え書きがあったので「コイツは濃厚ウマウマ系なんだろーな〜」と瀟洒な店内を見渡しながら出来上がりを待つのだ。
エスカロップとは薄切り肉の料理を指すコトバであるからして、味付けや調理プロセス(いわゆるレシピ)ってヤツには一定のキマリがあるワケではない。ボクが今まで経験したものはスライスを香草香辛料でマリネしておいてソテーしたものだったが、今回はいったいどんな料理が運ばれてくるのかワクワクだったのね。
 目の前に置かれた皿には旬のキノコたっぷりのチーズクリームソース、パセコンが散らされ美しいコントラストだ。ココットに入っているのは地元野菜の温サラダで、ガロニはソレだけというシンプルなプレートだ。
キノコの旨みが溶け込んだ濃厚なソースの味は素晴らしく、柔らかな国産牛リブロースの香りをパーフェクトにアシストしている。赤でも白でも構わないから早くワインを持ってこい!なのだが、最近は昼食にアルコールを添えないコトにちょっと慣れてきたので、あまり苦痛でもなくなったボクなのよ。 

 相方が注文したのは「チキンソテー・醤油バルサミコソース」、大根おろしと浅葱が添えられ洋風なのに和風テイスト満載のさっぱりプレートなのね。
ねっちりジューシーな鶏のモモ肉には豊かな香りと旨みが閉じ込められていて、もしかしてN農場の鶏肉?とさえ思えてくる美味しさだ。
冒険がニガテな方のために用意されたメニューっぽくもあるが、十二分に楽しめる。
 ソレより感心したのは、この二つのプレートに共通して添えられていた“温サラダ”なのである。ドレッシングはごくフツーにオイルとヴィネガーに塩コショウだけだと思うが、ヤサイの種類が豊富で、しかも新鮮。
トマト、ズッキーニ、南瓜、白菜、サツマイモ…と女性が喜びそうな彩にフェンネルのトッピングが映える。とにかく「美味しい♪」という言葉がひと口食べるたびに漏れ出てくるスバラシイ一品だった。

 デザートには「バナナとプラムのセミフレッド」が供された。アイスクリームをもっと原始的にしたようなデザートだが、素材の味がよく判るのはコチラのほうだろう。
ホイップした生クリームに卵黄や砂糖と果肉などを加えサックリ合わせて凍らせただけのスイーツは、ヨケーな味がしないので口溶けもスッキリしていて後味が大変よろしい。
オリジナル陶器の大きなカップに入れられたコーヒーを楽しみながらゆっくり楽しむデザートは、もう少し暖かだったらソトのテラス席でもいいな〜と思える、高原のレストランならではのものだった。


レストラン『カーティス・クリーク』
 山梨県北杜市大泉町西井出8240−5900
 TEL:0551-38-1139


地図

(12)清里の森で出会ったサワフタギ


 日曜日の混雑を避けるために早めに出発したオカゲで、途中での滞りもなく清里には二時間かからずに到着してしまった。R20の渋滞を避け中央高速道路を利用するメリットはたぶん燃料の節約にも貢献しているのではないだろうか…のETC割引なのね。
清里の気温は10℃、半袖でヘーキなボクをヒトはどう見るかは知らないが、とにかくカイテキこの上ない。
 突然訪問したボクを石原氏は薪ストーブの暖で迎えてくれた。
本来ならもう一人の友人がこの席にいるはずだったのだが、ボクが間もなく甲府南IC付近というあたりでケータイに連絡があり「不運な事故に巻き込まれて行けそうにもない」旨を伝えてきた。
ウ〜ム残念なのである…

 幸いご本人は大きなケガはなかったようなのでホッとしたが、来月末のFBM参加はビミョーというか限りなくアヤシいという話を聞くに及んではクルマばかりでなく、ちょっとコチラまでヘコみそーなフンイキになってしまった。
まぁ途中まできてしまっていたので今更引き返すのもナニかと、そのまま清里へゴーしてしまったのよ。
 メリーマックさんではいつものコーヒーに加えて“このトキを以てホカに何時食べるんだ”という「山ぶどう」を御馳走になった。
石原氏は「スッパイよ〜」とおっしゃったが、いやいや思いのほか甘みを感じるし、なによりフレッシュな香りがたまらなく美味しい。

 お伺いする度に替わっているディスプレイも楽しみの一つで、今回は石原夫人のグラスアートの新作が店内やゲストルームに何枚も飾られていた。
花をモチーフにした作品は女性らしい繊細なタッチに加えガラス絵の具のプリミティブなテクスチャーが重なり、独特の世界を生み出していて、ステンドグラスとはまた違う光の透過性が魅力テキなのである。
さりげなく置いてあるが和の磁器とのマッチングも面白く、季節の草木が一層の引き立て役になっていて思わず見入ってしまう世界なのだ。


 その石原夫人はボクが行くたびにいつもカバンのお手入れをして下さり、本当に頭の下がる思いなのである。丁寧にオイルを手で擦り込んではグローブ型のウールで磨きこみ、まるで作品を慈しむように仕上げて渡してくれる。
メリーマックさんのファンになったのは初めてお伺いしたトキにもこうしてカバンのお手入れをして下さり「ああ、ココなら長いおつきあいができるかも…」と思ったのがキッカケなのだ。
 このショルダーバッグも購入してから4年が経ち、革も馴染んでいい風合いになってきた。しかし休日なしの常用にしている上、ガサツな使い方をしているので傷みや雨ジミも激しく残ってしまうのだが、その都度メリーマックさんが補修やお手入れをしてくれるのでなんとか恥ずかしくない状態に保たれているのかも知れない。
 この日、森に自生する「サワフタギ」という青い実をつけた枝を夫妻に頂いたので、持ち帰って先ずは目で楽しんで…
そうだ、感謝のキモチもこめてこのカバンも一緒に撮影しておこう、と思ったワケなのである。


革工房 Merrimack(メリーマック)地図

http://www.eps4.comlink.ne.jp/~merimack/
〒407-0301
山梨県北杜市高根町清里3545-1
TEL : 0551-48-5455
定休日 : 毎週 火・水曜
E-mail : merimack@eps4.comlink.ne.jp

前回9/22の革工房メリーマックさんに関する日記
http://d.hatena.ne.jp/artfoods/20080922#1222039328