■ 野蒜(のびる)の松前漬
人里の春の味
一般のスーパーなどではほぼ扱われることのない野草「野蒜(のびる)」、都会や人口密集地域にお住いの方には馴染みの無い植物かも知れませんが、イナカの人里に近いエリア…例えば田圃の畦や陽当たりの良い斜面などに自生するネギ属の野草です。
先端の玉のような部分を食用にしますが、生のまま齧るとニンニクやニラにも似たツンとした香りと辛みがあり、食欲がぐ~んと増進してくることが判ります。これがニョキニョキと育ってくると「あ~春が来たなあ」と思えてくるわけです。エロおやぢの場合は「あ~喰いてえ」しか脳内循環しませんけどね。
哀愁のイナカ町では矢鱈ソコラに出ているので自然からの無償配布品なのですけれども、引っこ抜いてきては丁寧に洗浄し根や茎を選別廃棄したり…と結構なテマヒマを必要としましてね、まあハッキリ申し上げましてメンドっちい野草なのですよ。出来れば洗浄済のものを…ってコレがまたあるんですねえ農民市場に。綺麗に洗っては使うばかりになっている野蒜、数年前にそれを見つけてからはテメーで採取してくることをヤメてしまいました。
お値段も農民市場なら一把で¥150程度(上のフォトは二把分)とおサイフに痛くないお値段でしてね、本当に助かります。
松前漬と云っても青味に軸の部分も適宜刻み、細切りしたニンジンを彩りに加えます。あとは塩昆布をテキトーに混ぜては数日冷蔵保管するだけです。色よくネットリうっふぅ~ん♪となりましたら食べごろですね、概ね3~4日で美味しく出来上がりますよ。
もう圧倒テキに白ゴハンです、炊きたての熱々にドバっと乗せてアグアグ頬張れば、もそこは天国です。もう何杯でもオカワリしてしまいますね、無限白ゴハンのお供ってカンジです。ネギ・ニラ・ニンニクの旨味と香りをバランスよくミックスしたような風味、そこに昆布の旨味やお醤油の塩気が加勢して春の最強お漬物ですな。ええ、何度でもまた食べたいです。一年中あればいいのに…と春が終わる度にそう思うのです。
■ 如月の庭風景 紫蘭と小手毬
年々少しづつ増えて小群落を形成する紫蘭
キャッチーな紫色は遠くからもひと目で判りますね
街歩きでもたまに見かけますが
花の咲く時期以外は魅力が少ないせいか…
花が終わったあとに強剪定を行なったせいか
今年は昨年のように妖艶な姿とはなりませんでした
それでもいくつか手毬のような花の塊がつき
来年への期待を持たせてくれます