寒くなりましたねぇ熱々の『おでん』はいかがでしょう

ファーイーストの国ニッポンの良さのひとつは四季があることなのだと云う。あまりにも当たり前のこと過ぎて全く実感がなかったけれど、今年はちょっとその大切さを実感させてもらった秋である。
そうね、先月10月は本当に雨ばかりだった。それは単なる印象ではなく気象庁から発表されたデータを見ても明らかで、降雨量は例年の三倍、日照時間は7割程度とまるで梅雨どきみたいな一か月間なのである。そして蒸し暑くクラ〜いそのひと月が過ぎるとイッキに気温が急降下、天候もスッキリしてまるで初冬のような空模様なのね、まいったなあ。オカゲで秋というものを全く感じることがないまま霜月・立冬を迎えることになってしまったではないか、まあシゴトが超忙しかったってのもあるけどねえ。
 

SONY  E 3.5-5.6/18-55 OSS @ SONY NEX-7

そんな先月末、久しぶりにスッキリとその全容を見せてくれた富士山である。通勤帰路、日没となり周囲が薄暮となってゆく中で、すっかり溶けてなくなってしまった初冠雪のかわりに山頂の地肌が赤く輝く姿が印象的。パープルに染まってゆく空はとても美しいが、強い西風にミョ〜ンと延びた雲も面白い。
車外に出てカメラを構えていると風が冷たい…ってより寒いのね、疲れたし早く帰って風呂で温まってさ、それから例のドリンクを愉しもうじゃないか。

それは「寒くなりましたねぇ熱々の『おでん』はいかがでしょう」てな食事の相棒でもあるのですな。いや〜美味い!サイコーですね。今季初の『おでん』です。
ついでに言わせていただくと『富士宮焼そば』に迫る勢いでこのところ知名度ランキング上昇中の『静岡おでん』であるが、当家ではそれを作って食したことはない。真っ黒いツユで見事にダークな色合いになった具材と、全て串に刺してあるところが特徴で、特に焼津特産の“黒はんぺん”が欠かせないという『静岡おでん』である。
ところがねえ、こいつは家庭でカンタンに出来るものではないのよ。継ぎ足し継ぎ足しでシームレス加熱という調理過程でしか生まれないあのツユは、飲食店や駄菓子屋でそのアイデンティティーが育まれてきたのである。まあ一般家庭でも構成家族が多く日常テキに『おでん』を飽きずに食すって家ならば、そーゆーテマヒマかかった『静岡おでん』を冬になると作る…てな酔狂なヒトもいらっしゃるでしょうけどね、まあ静岡でもフツーの家庭ではフツーの『おでん』、いわゆる“関東おでん”でしょ。


OLYMPUS  FTL F.ZUIKO AUTO-S 1.8/50(M42)  @ SONY α7

華美な盛り付けやトキメくようなカラーのない『おでん』、はんなり温まって酒も美味くなるジツに有難いものなんだけど、残念なことは写真だとかなりシブい料理である。
最近は自撮りを含めて料理やスイーツをSNSに公開するヒトが爆発テキに増えているらしい。先日も某国営放送のバラエティー番組でちょっとステキな料理を紹介していたんだけど、司会者がナレーションで「インスタ映え間違いな〜し!」なんて叫んでるのよね。おいおいっ、インスタってInstagramのことでしょ、それって個人企業じゃないの?いいのかい、まるでソレを助長するような発言をしてさ。
そしてそれよりSNSにそうしたものを自慢気にアップする風潮が理解できない。撮影対象もハデハデなものやカワイイと称されるものがモテ囃され、どうもマジメにフツーに作られた料理は見向きもされないような体育会系発想が気に入らない。だいいち“インスタ映え”っていったい何なんだよ、そんなことしてみんなからイイネ!もらって何が嬉しいんだい、アナタの人生にどれだけの豊かさをもたらしてくれるんだい、と思う。
じんわりとシミる美味しい『おでん』を食しながら、ついそんなことを考えてしまった初冬である。





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