もつ鍋

大バカ者であった。
出先で立ち寄ったスーパーで「そうそう!今夜はもつ鍋ね〜♪」と用意周到にヤサイ類を買い込んだボク。

 献立をナニにしよーかと悩みながらスーパーの棚の間をさまよい歩いていたのだが、ふと宅配で“ゆでもつ”を注文してあったコトを思い出し「なんだ、カンタンじゃん…」と一気に楽勝モードに移行した。お家に帰れば玄関先にブツが届いているのは今日なのね〜
え〜っと“もつ鍋”ならキャベツにモヤシ、あとニンニクはこないだ使い切ってしまったし、そう肝心なニラも忘れちゃいけねーぜ…と、次々とカゴに放り込み「へっへ〜、カンペキじゃん!」なのだ。
 家に着いてみれば予定通り宅配のハコが積んであり、早速夕食の準備がてら開封を始めた。
ところが次々と出てくるものは先ほどスーパーで買った品と同じモノばかり…
「しまった〜」
“ゆでもつ”を注文する際にメンドーだからと必要なヤサイやスープを頼んでおいたのだ。

 モツとスープ以外はすべてダブってしまい、イヤハヤなのである。落胆と反省、そして自ら犯したミステイクによる敗北感…
ヘコんでいてもシカタがないので気を取り直して作業を進める。まぁいいじゃん、喰っちまえばいーんだし。
 ヨルはすっかり涼しいので鍋モノもいい具合な夕食、先日のスタミナ鶏鍋と似たような献立だがやはり“モツ”という語感はスゴいチカラを持っていて、食べていてもナニかこみあげてくるようなエネルギーがある。
フィニッシュにオキマリのラーメン投入は、まるで最後のバッターを三振に切ってとったクルーンの剛速球のように胃に収まってゆく。
食べ終えるコロには失敗の記憶は微塵も残っていなかった。