神戸サミット2009(2) 前夜祭は『女人禁制の焼肉屋』で

神戸の友人宅に到着したのは午後の三時半だった。土山SAにいたのは30分程度だったから富士宮を出てから9時間クルマを運転していたコトになる。
名神に接続するジャンクションの十数キロ手前から京都を抜けるまで渋滞は続き、行く先々で起きていた追突事故などのせいでスイスイと流れるようになったのは吹田を過ぎてからだった。


そんなムダな時間に耐えられたのも以前から友人Gが自慢していた“女人禁制の焼肉屋”に案内してもらえる約束になっていたからで、もしソレがなければ途中でキレてしまっていたかもしれない。
札幌から飛行機でやってくるKを迎えに空港まで行き、そのアシで春傏園さんに向かいようやくコシを落ち着けるころには夕闇が迫っていた。
おぉ〜、ウワサには聞いていたが美人のママさんが素敵な笑顔でお迎えしてくれるではないか。そうか、ココが神戸の友人たちが大切にしているお店なのね…と次々に運ばれる韓国料理の前菜に期待が膨らむ。
本番のヤキニクに突入する前に前菜でハラいっぱいになってしまう勢いで次々と皿が運ばれて来ては舌鼓を打つ快楽、思わずオカワリしたくなってしまった一皿は“ニラとウニの和えもの”だ。意表をを衝く組み合わせだがジツに旨い。


酒の肴にはもちろんだが白ゴハンに乗せてワシワシを掻き込んで食せば無上のヨロコビが訪れるだろう。初めていただく“生マッコリ”のマッタリとした味わいに究極のマッチングだ。
加熱して発酵を止めていないマッコリは微発泡性のアルコールで大変飲み口がよろしい。辛みの利いた料理などに合わせるとついつい飲み過ぎてしまいそうでセーブするのに相当な勇気が必要になってくる。


こんなレバ刺は初めてだった。噛むとプリっとするような硬い細胞がいい香りで口の中で溶けてゆく。薬味は刻みネギと白ゴマのみ、そして調味は塩とゴマ油だけにしてあるシンプルさがこのレバ刺の新鮮さを浮き彫りにする。
ネットリと絡みつくようなゴマ油の旨味と香りが元来レバーの持っている深い味わいを引き出し、いつまでも食べ続けたいというミョ〜な欲望を呼び覚ますようでもある。あまりにゴマ油が美味しく感じられたのでナニか特別なモノを使っているのかと思い訊いてみると「ごくフツーの角屋製」という答えに信じられない気持になった。


レバ刺のイキの良さがそれだけゴマ油を美味しく感じさせるものを持っているのだろう、もうホカでは食べられないだろうなぁ…というアセリさえ浮かんできて「もうヤバいっス」なのである。
センマイも久しぶりに食した。今までは“酢味噌”でしか食べたコトのなかったセンマイだが、コチュジャンだれのような調味料で楽しむこの料理は心地よい歯ごたえが抜群で、中華料理の冷菜クラゲにも匹敵する快感をもたらしてくれる。


クタクタねろねろしているだけのユッケが多い中、ニクの旨味を完璧に引き出す調理をするお店はそうあるものではない。作り置きなどもってのホカで、やはりオーダーが入ってから手早く叩いて合わせるテマヒマが一段高い料理となってキッチリ反映するものなのだ。
ヤンニョムと卵黄が溶け合う肉に数種の薬味のハーモニー、なんとスバラシい一皿なのだろう。生肉だけが持つパワーが体へとストレートに充填されるような錯覚さえ生まれる料理だし、もしかしたら気のせいでもなんでもなくて肉の栄養がそのまま吸収されるような原始のエネルギー吸収が行われているのだろう。
こういったものを食すと必ず漲ってくる気力と体力が、現代の我々が忘れかけているナニかを呼び覚ましているような気がしてならない。


やっとメインの焼肉に辿り着いた。ハラミとホルモンは漬け込みタイプの焼肉だが、特筆すべきはそのタレにもあった。
醤油ベースが大勢を占める中、このお店のタレは八丁味噌がベースになっているような感じで非常にキレのあるコクを生み出している。このようなタレは試したコトもないハズなのになぜか懐かしいような印象を持ってしまうのはナゼなのだろうか。
先代から引き継ぎそのまま変えずに提供している…というタレには一朝一夕にはマネの出来ない歴史の重みまでもが味に加わっているのだろう。
特にホルモンとの相性がバツグンで時間とオナカさえ許してくれればもっと食べたい、そしてハラが裂けるまで耽溺してみたいといったような衝動に駆られる。ジツにヤバいのである。生マッコリに焼酎&ワイン、そしてビールにまでテをつけ始めてもう煩悩の限りを尽くすような無間快楽地獄に陥ってゆくようだ。
さぁ、肉が焼けたらゴハンに乗せてバックリと… おっと、その前にいーものがあるのよ、エゴマの葉をヤンニョムに漬けた“ケッパリ”なのね♪
ニクをゴハンに乗せ、それを包むようにケッパリで巻きクチに運ぶ。 あぁコレなんだぜ、韓国のお味はさー! 若いコロにこんなモノを知ってしまっていたらドンブリ三杯は喰っちまっただろうなぁ…


食事を終えてやっと解った“女人禁制”の意味。それはベツにオンナを連れてきてはいけないというイミではなく、とにかく鱈腹喰ってアトサキ考えずにグイグイ飲んで、そして気を失うまで飲食を続けたくなるようなお店、という深い思想があるのだ。
ウ〜ム、なまじのオトコではこの価値が判らないだろうなぁ…






春傏園(しゅんとうえん)
兵庫県神戸市中央区筒井町3丁目2-7
TEL=078-231-0689

地図














エウロパS2さん
こんばんわ! 越前のエロ将軍ならちょっとした知り合いなのですが(笑)
自分でスケジュールするならこんなタイミングにはしないんですけどね…仕方がないと思って諦めるより手だてはなさそうです(´Å`)
そうですか、このテのお料理が好物なのですね! いや〜、もうやめられませんよ♪こんな美味しいモノを知ってしまうと。 悲しむべきはフツーのお店に行った時に好物なのに「?」なお味しか得られないコトで、この先どうやって人生を歩んでゆこうかと…って、大袈裟ですよね〜(笑)



かぶちゃん
こんばんわ! ボクね、山登りの影響は意外にないみたい、がんたと違って(爆)
もう一度“春傏園”さんに行ってママさんにお礼をしたいな。で今度はおニクもたっぷりといただきたい… だってさ、お肉の質も抜群だしタレもイケてるんだもんね〜♪
エゴマ葉のキムチはゴハンだけを包んで食べても美味しいけど焼肉&ゴハンを包んで食べたら天国だよ! 順ちゃんのお店で買ってきたから明日の朝食べてみるんだもんねー\(o^∀^o)/
数年前に清水にある韓国人女性の経営するお惣菜屋さんでケッパリを知って以来食べたくて仕方がなかったんだけど、このあたりじゃ売ってないのよ。 
神戸で見つけられて本当にシアワセでしたo(^-^)o



焼肉屋の女将さん
おはようございます! がんたの知り合い…ってところが悔しいですねぇ(笑)
ずいぶんいろいろサービスをして頂いたようで本当にありがとうございましたm(__)m なによりどのお料理も美味しくて満足々々な宴でしたよ。あ〜、ソレにしてもお肉をもっと食べられる胃袋とカラダが欲しい(爆)
お店のメニュー全品制覇してみたいですね〜、ギャル曽根なら「オールでお願いします」なんでしょうけど\(≧▽≦)丿 哀愁のエロおやぢは少々ムリをしてでもタップリどっぷりハマってみたいのですよ。
必ず、必ず行きますからね! その節はまたよろしくお願いします♪



dar-herさん
おはようございます! 若いコロのツケを今になって払わされるとは…(笑)
このところ喫食飲酒ともにかなりセーブしてまして、過去の清算に苦しんでおります(≧∇≦)b しかし嘆きたくもなりますよね、おやぢにならないと知り得ない世界があるなんてさ…
南武線の登戸に小さな焼肉屋がありましてね、看板も表札もないので「名無し屋」なんて呼んでましたけど。デコラのテーブルにパイプ椅子、ビンビールは店の冷蔵庫からセルフ、当然生ビールなんてシャレたものはありません。汚い店でしてねぇ(笑)
オバちゃん一人で切り盛りしてまして、ニクはオーダーが入ってから切ってるんですよ! いっつもテンテコ舞してましたね。 でもメッチャ美味かった〜! しかも劇的な安さで二千円以上使ったコトなかったなぁ…
まだあのお店あるのかな、いや〜もうないでしょうねぇ…(TдT)
そうそうソフトクリーム、おちゃらけじゃなくってシンケンに美味しいソフトでしたよ♪



がんたさん
筋肉痛? はて、いったい何のハナシでしょう…ボクにはさっぱり(笑)
オカワリをしなかったとは書いてないだろ〜(≧∇≦)b やーね、ソレ位憶えてるわよ!
おはようございます! いや〜、美味しいお店にご案内いただき感謝しております。そして女将さんからもコメントまでいただき本当に嬉しいコトばかりですね。 来年もまたぜひご一緒させて下さい。 テグタンスープとか(あれば)ぜひホカのお料理も食べてみたいなぁ…なんてねo(^-^)o