福井県三里浜は『花らっきょ』の名産地

ラッキョと云えば鳥取砂丘を一番に思い浮かべるところだが、ジツは鹿児島や宮崎といった九州勢が全国生産量の4割強を占めている。鳥取県は3位の16%で思ったより少ない。ところが隠れた名産地として福井県三里浜があって鳥取に次いで4位の14%、恥ずかしながらつい最近までボクその存在を知らなかったのだ。


そんなコトを教えてくれたのは福井のエロ将軍で、手工業製品の若狭塗やメガネフレームばかりがクローズアップされる中で福井県には意外な農産物が目玉としてあるという。梅の実もその一つでアノ紀州梅の影武者としてヒソカに活動している、というオドロキのジジツまで聞いてしまった。
蕎麦や焼鯖だけじゃなかったのね…と神戸サミットで受け取った土産は“ラッキョの甘酢漬”で、ハコにはナニやら有難い文言が書かれている。フツーは一年で収穫してしまう辣韮(らっきょう)を足かけ三年じっとガマンしては分株させ、スジや繊維質の少ない小粒ラッキョに育て上げていると云うのだ。
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そう、ソレが『花らっきょ・三年子』なのである。
食してみれば一発で判るだろう、ソフトで滑らかな食感とアクの少ないクリアな味わいは他産地のラッキョでは絶対に味わうコトの出来ないものだ。ビン詰などの高級甘酢らっきょうは未熟なものを早採りしたものだと思っていたがソレは大いなるカン違いで、こうして丹念に育成させてテマヒマかけたモノだけが成し得る美味なのである。
残念なコトに安価な輸入ラッキョが国内に流入していることや高齢化・後継者不足といった農業政策の怠りから、作付面積と生産量は共に減少傾向にあり今後の事業継続が危惧されている。
以前に食したレディーフィンガーマニキュアフィンガーといったブドウは厚化粧をしたケバいオンナの爪のようだったが、この“花らっきょ”はまるで素っぴん美人が持つ爪のような清楚なイメージで、しかも超一級の美味しさだ。ミョ〜なハコものや道路にばかり予算を使わずにゼヒこうした素晴らしい食文化にスポットライトを照ててもらいたいものである。


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ところで福井は意外にコメ処でもある。今や全国の作付面積が1位になってしまったコシヒカリの故郷は福井県であり、すっかり新潟や山形にお株を奪われてしまった格好だが福井県農業試験場の功績は大きいものなのだ。“越の国に光輝く”という愛情の込められた名称を与えられたコメはもっと元祖としてアピールされてもいいのではなかろうか。
そんな福井県である、酒も優秀なものが醸造されていて、将軍は花らっきょとセットでお持ち下さるという粋な計らいをして下さった。
純米吟醸無ろ過の原酒…ウ〜ム、ジツに美味い酒ではないか。アルコール度数の高さを微塵も感じさせないスムースなフルーティーさは花らっきょを肴に飲っているとつい度を過ごしてしまう。
あぁ、有難い… 昨晩ちょっと飲み過ぎましたけど…




三里浜特産農業協同組合
http://www.sanrihama.jp/


株式会社 越の磯
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