なつかしスタンド風『コロッケとたぬきうどん』

イナカ暮らしの哀しい部分は駅前の立ち喰いスタンドがないことである。その前に飲食店がないか…あっても昼しか営業してないなど流動人口の少なさが如実に表れているし、自家用自動車通勤の圧倒テキ増加がそれに拍車をかけている。
スタンドは朝昼晩いつ利用してもオッケー、つまり朝めしでもランチでも晩酌でも受け入れてもらえるところが有難い。やれランチは何時から何時までとか、このメニューはディナーのみといったようなヤヤコしいものはなく、通年一日中同じメニューで勝負している。

たまに期間限定モノをポッとアピールしてはちゃんと季節感や流行をトレースしていることもあったりして入店の動機づけが上手い店もあるが、たいていは客がカッテに組み合わせて
「お〜っし!今日は冷しタヌキと稲荷寿司で朝ゴハンよ♪」とか
「今日は朝めし食えなかったからなあ、昼はがっつりカツカレー大盛と月見うどんだ〜!」はてまた
「いや、オレ二日酔いで調子悪いもんでさ、鶏五目めし(小)とかけ蕎麦にしておくね」などとフリーなオーダーが出来るところが素晴らしいではないか。
お仕着せのセットではなく各個人の性別・年齢・身長・体重・健康状態・スキキライ・経済水準・政治思想・宗教・家庭環境・学歴成績・異性関係・風水・星座・血液型などあらゆる側面に対応した守備体系に客は全てにガマンを強いられる日常のストレスを発散させるのである。
そしてそのストレス発散…ある意味ウサ晴らしでもある…を目的にスタンドを利用することも可能なワケであって、シゴト帰りに「あ〜疲れた疲れた、今日は一杯飲って帰るんだもんね〜」とビンビールをメーカーロゴの入ったコップにトトトと注いではキュ〜ッグビッと飲み干し(バーロー、やってられねーんだよ)などとバカ上司の顔を思い浮かべつつココロの中で叫んだりもするのである。そして「ちく天とコロッケね… あっ、それと茹で玉子もひとつちょーだい」などと本来は麺類のトッピングに使うような物を肴にさらにビール消費を加速させるのだな。おシゴトの不満係数が高いとビールを追加したりもする。
時にビールの中瓶というのは便利なようであるが、やはりこーゆー場合は大瓶が似つかわしいのであってガガガッと飲んでしまった時の勢いのつき方が違うような気がする。中瓶だとなんだか「さあ〜これからイクぞーっ!」という時に既にカラになっていて、追加注文で一旦停止というのがジツに惜しい。ムカシは中瓶なんて上品なお店のシンボルだったのに、今はたいした店でなくても「ウチは中瓶しか置いてないからね」みたいなエラソーブリブリ感があってシャラッ臭いのだな、けっ!ド〜ンと大瓶置かんかいっ…とエロおやぢはますますコーフンして憤慨するのである。
ああ、激しく脱線してしまったなあ… 天カスだけ入れた『たぬきうどん』だけじゃつまらないと思ったので冷凍のコロッケを揚げて一緒に昼めしに食していたときに(そういえばムカシは鉄道のガード下のスタンドでこんな食事をよくしたっけ)などと懐かしい思い出がふと蘇ってきたものだから。今とドッチがシアワセか、う〜ん…




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Sticky Tricky Fingers



February 21. 2011.