真鯛のソテーとボジョレー

 ちょっとワケアリで二日続けてボジョレー・ヌーボーを楽しむハメになった。と書くといかにも偶然ないしは仕方なくのように聞こえるが、半分はいや七割はボクの陰謀かもしれない。



 塩焼にしようと思って買ってきた・・・という真鯛の切身は「二切れで¥780もしたのよ」と言いながら母君が冷蔵庫から出してよこしたものだ。
妙に脂の乗りすぎていない鯛の身は確かに養殖モノのソレとは違っていて、つややかな弾力と厚みもありお値段も納得のゆくものだ。
「コレならソテーにするとワインにグーだよね♪」というボクのトラップはワイン好きの母君を見事に捉え、かくなる次第となったワケなのだ。
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 カマンベールを焼いて食すのも二晩の連続であるが昨夜は包まずにオーヴンに入れてみた。アルミフォイルで包んだモノと比較すると若干皮に個性ができて面白い。
どちらもそれぞれの美味しさを発揮しているので食べ合わせるモノによって切り替えればよいだろう。


 ほんのちょっとした心遣いで食卓の印象はすっかり変わってしまうので、レパートリーは多ければ多いほど良い。
というと非常に沢山の知識や経験が必要に思われるかもしれないが、そうではない。同じ素材でも煮るのか焼くのか蒸すのかで全くベツの顔を見せてくれる。その組み合わせ方をちょっとヒネってやるだけのハナシなのだ。
レシピを素材に当てはめていくのではなく「もてなす心」がレシピを創るのである。

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モメサン
ボジョレ・ヌーヴォ
“ヴァンダンジュ”2007
ふくよかなタンニンと優雅な酸味
森や土を感じる落ち着きと
ベリーの明るさを併せ持つ一本
9月7日収穫の№6737