西の正横綱『天丼』

そんなワケで真っ黒天丼とかけ蕎麦を食したボクは、お家で再び天丼の製造に勤しむのであった。フツーなら「昼も天丼、ヨルも天丼なんてヤだよね〜」なのだが、ナゼかそんなにキブンが重くなかったのは同じ天丼であってもそのタクティクスが違うという新鮮さに半分ダマされていたからかもしれない。

ネタは…イヤらしいですね、符牒を使うなんて…天ダネは海老にイカ、あとは茄子・板海苔・菜の花。
だいたいエラソーに符牒をスルスルと喋るオトコってのは嫌われるのだな。よく寿司屋などでアガリをくれだのムラサキがどーのと如何にもツウぶってオンナの前で得意げにしているヤローには虫酸が走る。「オアイソして〜」なんてのもジツにマヌケなコトバであって、そんなオマエにアイソを尽かすんだよ、きちんと「お会計をお願いします」と言わんかいっ、このボケ! …う〜ん、また脱線だ。
本当は菜の花は最初アタマになかった。スタンダードな大葉か獅子唐でも青味に添えてというハラだったが、最初に立ち寄ったスーパーではあったもののアトで行く予定の農民市場の方が安いし…と見送ったのがボクの運命を変えた。大袈裟か。そう、農民市場では品切れだったのね。それでシカタなしに代替品を探していたところに菜の花が眼に入ってきたという寸法だ。
エビも13-15というけっこー大きなサイズのものを求めたし、イカ宮城県産ヒイカつまりヤリイカのベビイちゃんみたいなヤツで柔らかくて美味いのだな、コレを開いて天ぷらにするとサイコーなのよ。定番の茶筅ナスと海苔天でスターは揃っていたが、トラの…う〜ん、これもミュージシャンの符牒でエキストラのコトね…菜の花にはすっかりヤラれてしまった。
今まで春らしい野草として菜の花は何度も食してはいるがたいていはオヒタシ、よくてパスタの食材程度だった。こんなに菜の花の天ぷらが美味しいならもっと早く使えばよかったなあ…と後悔している。アブラナ科の植物だけあって微かに感じる辛味が爽やかさも醸し出しているし、野草の旨みが油と馴染んでいい素材だ。
と云うコトでやっぱり西の正横綱は美味かった。盛り付けは下手クソだがトーシローでもこの程度のドンブリを食すことができれば上等だろう。





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Sora



Afternoon, January 25. 2011.