■ 噂のにゃごやモーニング その49 「 喫茶 ひこうせん 」
時空を漂う喫茶店
一宮市で短期決戦のシゴトがあった。まあその内容より朝めしの方がモンダイなんだけどね、ボクの場合は。
そりゃ必死になって探し回りましたよ、なるべく現場に近い方が出勤もラクだしスムースだもんね…ってことで、あるんですねぇ都合のいいところが。
その名も「喫茶 ひこうせん」、まるでノイシュバンシュタイン城のようなトガった屋根…ってコレはスマホのレンズのゐたづらがパノラマ合成ソフトによってヨケーに強調された結果なのでありまして、ジツはもうちょっと大人しい角度でやんす。
でもね、その店名が語るようにちょっと浮遊感があると云いますか、70年代に流行ったギターエフェクトの「ユニバイブ」(ジミー・ヘンドリックスの使用で有名)みたいにドラッグに冒されたユメ…といった風情が濃厚に漂う外観なのであります。ってさ、この記述って一般のヒトには理解出来ませんよね、マニアックなデバイスだけにそのスジの御方でないと全くわかりましぇ~んみたいなもんです、ホントにごめんなさい!しかも脱線してますし…元へ。
店内ホールはやはり70’sでした。スバラシイのひとことに尽きます。…と言うか、コレを素晴らしいと思うかそーでないかはそのヒトが生きてきた時代背景が強く影響しますよね、ボクは多感だった(とテメーで陶酔している)中学高校時代の通過年代なのでどっぷり浸ってますけど。
見て下さい、画面左の壁面には「HICOUSEN」という浮き出し文字ね、もう書体もフンイキも70年代じゃありませんか!もうキュンキュン来ちゃいますって!サイコーです。当時のロック音楽アルバムのタイトル文字はこんな感じのものが多かった…って、また脱線ですってば。そうなんです、ミレニアムになっても70年代からの時空を漂い続けている喫茶店、って感じですか…やっぱり飛行船ですから。
で、本来は7:00開店なのですがその遥か前に到着してしまったボクは例の黄色の回転灯がチカチカしていることに大いなるヨロコビを感ずるわけですよ。ちゃんと入店させていただけました。ただしおねーさん(ボクと同年代くらいかなあ)は「ちょっと待っててね~」と通常の開店準備に勤しむのであります。
そりゃそうです、公称は7:00開店なんですけれどボクを含め何人かの常連さんらしき人々みたいに待ちきれずに早く来店した客には、とりあへず着席してお待ちいただく…というサービス精神が70年代なのですよ。あぁいい時代だったな~と思います、デジタルな今の世代には理解できないことかも知れません。
そして正規の開店時刻の10分前くらいになってお水とオシボリが提供されました。初めてのボクはテーブルに置いてあったメニューからごくスタンダードなモーニングセットのサービスをお願いしました。
開店してしまえばリズムは滑らかに進行します。ほどなくしてテーブルに運ばれたコーヒーとトーストはごくフツーなものですが、そのサービスのスペシャルな点は”バナナ1本まるごと!”というバックスラッシュなものでした。う~む、ヤラれましたな…コレはスゴいと云うかイケてると言ったらいいのか、とにかく圧倒テキなインパクトがあるのですよ。
そりゃそうですよね、プロテニスの試合なんかで某有名プレイヤーがセットの合間にバナナ喰ってるぜ!みたいな映像情報は瞬く間にリツイートされ、そしてバナナ食はそれまでのマイナー派からイッキにメジャーデビューしてしまう勢いを得たのだ。今の世の中は恐ろしい…コトの真偽善悪にカンケーなくとにかく拡散速度が常軌を逸したもの(その常軌ってのも過去のものですが)になっているところが理解し難いけれど、今現在を動かしている世代がそーゆー能ミソなんだからボクらがあーだこーだどのこーの言ってもシカタがないのである。傍観するつもりはないし、ダメなもんはダメ!と声をあげてゆきますが、半分アキラメの夏でもあります…ってねぇ、今日は脱線ばかりじゃないか。
パックで添付されていた「いちごジャム」をドバっとバタートーストにのせていただきます。あぁ美味しい!コーヒーもいい香りだし、まるごと一本バナナにも満足だしさ、やっぱり”モーニングの聖地・一宮”だよねぇ…ってことで、ボクはこのお店がとっても気に入ってしまい、その日の昼メシに再びゴーしてしまったのよ。
まあそのハナシはまた次回にね。
◆ 喫茶 ひこうせん
愛知県一宮市三条西新田 14-1
TEL=0586-62-3168
ACT=7:00-20:00 無休
■ 「喫茶 ひこうせん」の窓辺
梅雨入り前の曇天
でもなんだかこんな窓辺でコーヒーとタバコの煙をいただくのはとってもいいキモチ
ちょっと高校生の頃を思い出してみたりもしてさ
水の匂いが眩しい通りに
雨に疲れた人が行き交う
雨上がりの街に風が不意に起こる…
松本隆氏の作詞による「12月の雨の日」という歌詞と曲です
「はっぴいえんど」のファーストアルバムに収録されていて
亡くなった大瀧詠一氏がヴォーカルをつとめていた歌です
瑞々しい感性の詩ですよね
楽曲・アレンジともに素晴らしい
そんな曲の光景を想い浮かべながら
北国のジャズ喫茶の窓辺で寂寥ぶっていた高校生
あ~ソレってボクですけど
高校生ですよね、未成年ですよね
タバコっていったい…
まあお堅いことは言わないでくださいな
時効ってこともありますし
70年代でした
Happy End - Jyunigatsu no Ame no Hi (Single Version) [十二月の雨の日 (シングル・ヴァージョン)] (1970)