新筍のパスタ

芝川・内房地区特産の新筍で春にサヨナラ

哀愁のイナカ町・富士宮の西に位置する旧芝川町(平成二十二年に富士宮市と合併)は一級河川富士川とその支流がいくつもあるエリアだ。水が豊富であることは農耕に有利ではあるけれど、同時に氾濫などの水害を発生させる原因にもなっていたので古の人々は各所に竹を植えて山や土手の強化につなげていたのよね。
竹林がたくさんある…ってことはタケノコもたくさん産出されるわけなのであって、春になると富士宮市内の各所店頭にその新筍が並ぶわけです。特にこの芝川の内房(うつぶさ)地区のものは品質がよくて食味もたいへんに結構なものなのよね、だからヨソの地区のものに比べて倍ぐらいのお値段で取引されているのです。おサイフにヨユーがないと購入決定に至ることはなかなかに難しいのでありますが、今回は母上がバカ息子の帰省に合わせて購入してくれてあったのですね。

Arsenal V.I.Lenine MC HELIOS-81N 2/50  SONY α7

ですからそれを使った料理をかな~りチカラを入れて作って差し上げなければならないわけなのですよ。やはりここは例年評判のよろしいパスタで…てのがあまりチエやサイフを絞らなくても出来るメニューなのでありましてね、早速調理に取り掛かるエロおやぢなのであります。

長い出張とその宿舎生活だったためテメーで調理をするのは久しぶりです。まあそうはいっても慣れた作業ですからどーってことは無いんですけどね、ちょっと変わったパスタ乾麺を購入ストックしてあったことをすっかり忘れていましてね、フツーはDeCeccoが一番多いかな…次にBarillaかBuitoni。本当はLaMolisanaとかGarofaloもそこに加えたいんだけど、哀愁のイナカ町では見たことありません。
だから静岡市内のデパ地下や輸入食料品店などで見つけると幾つか購入しておくわけです。そんなある日、お目にかかったことのないブランドのパスタ乾麺が売られていました。しかもイタリア産だし安いときたもんだ、こりゃ買わないテはないでしょ…てことで二種類ほどお試しに購入してあったものです。
今回はフォト上のLiguoriってほうを使用してみましたが、大好きなDeCeccoに似た印象でちょっとカサッとした表面がいい感じにソースを吸ってくれて、なかなかに使えるパスタなのでありました。
おっとそんなハナシより『新筍のパスタ』ですよね、うっひっひ~やっぱり美味いですよ。これだけ元の素材がいいとテキトーに作ったってそこそこ美味しいものが出来ちゃうものですけれど、年に数度しか食べられない貴重な食材だと思うとやっぱり本気で作りたくなるもんです。
香り、甘み、食感…どれをとっても一級品の芝川内房の新筍、パスタに絡んでサイコーです。これで春にサヨナラですね。
トッピングの山椒の新芽?あ~庭の隅に出てるやつをちゃちゃっと…。こーゆーパスタってイタリアのヒトが食したらどう思うんでしょうねえ。




クリック↓↓↓で応援をお願いします




雨の連休スタート

小寒かったけど快晴のナゴヤを出て静岡に戻った途端に雨。しかも連休スタートは連日雨天のスタートなのであって、アソビ計画を念入りにプランニングしていた方々には本当にお気の毒な平成末日なのである。

いろいろとヤボ用も多くてシュミのことばかりにかかずらってはいられないのだけれど、先月初めにヤフオクで落札したニコンのレンズが実家に届いていて、早く試してみたくてソワソワしちゃっていたのよね。
ボクは基本テキに単焦点のレンズが好みなんだけど、やっぱりズームも時には便利だし…それにプロ用と云われ当時10万円以上したF4通し80-200mm高級ズームレンズ極上コンディションが今では格安にゲット(落札価格は1樋口さん)できる時代になったのよ、買ったってバチは当たんねーだろってなもんさ。
ジツはその旧タイプでF4.5同焦点の歴史的名玉も持っているんだけど、光学性能が格段に向上していると聞けばウズウズしちゃうわけだし、0.5の明るさの差も大きいに違いない…という言い訳だらけのドロ沼住民である。

で、早速試用してみた。あいにくの雨なのでタタッと撮れる対象を庭で探すわけだ。
そして片隅で毎年咲いてくれるスズランが今年も綺麗に咲きそろっているではないか。好天のスッキリ画像もいいんだけどね、雨の湿度を感じるような風情もけっこースキっていう偏屈者です、これに焦点を絞りましょうか。

う~む、最新のレンズのようにカリカリ描写ではないけれど、柔らさとピンポイントなエッジのある合焦点が同居する描写はなかなかのものではないか。ボケの味わいも悪くないし、実用現役オッケーでしょ。

f:id:artfoods:20190427134244j:plain
雨中鈴蘭乃図  Nikon Ai-S Zoom-NIKKOR 4/80-200  SONY α7

旧タイプはどちらかというと骨太な描写だったけど、新型(と云っても20年以上ムカシのものですが)はかなり繊細な結像と洗練された色彩を生み出しています。
今では見かけることもない直進ズーム方式ですが、ゲットした個体は摺動部がスカスカになっておらず、まるで新品のようなネットリ感が保たれているところがステキです。まあスペックやメカのことより「何を撮るか」なんですけどね。


そんなスズランで思い出しました。
平成のシゴト最終日は例の「カフェドすずらん」さんに行きモーニングサービスでコーヒーをいただいてきたのでありますが、食し終えそろそろシゴトに向かいますか~と思っていたら…

なんとおねーさんがコレもどーぞと『みたらし団子』を出してくれましてねぇ、緑茶までサービスしていただくなんて…まあなんてラッキーな一日のスタートなんでしょ!となったわけです。
シゴトへ急ぐ朝じゃなければねぇ、もうちいっとゆっくりしたかった「カフェドすずらん」さんであります。

ベトナム料理を食べに行こう

お店で食べるのは初めての『フォー』

ベトナム家庭料理 「Hong Ha」(ホンハ)

かつて南北に分断され資本主義-共産主義各国陣営の覇権争いの場となったベトナムは70年代に統一を果たし、その後ゆっくりながらも経済発展を続けてきた。共産主義国とはいえ勤勉な国民性もあって先進諸国からの投資も盛んになり、80年代にはアメリカのクリントン政権もその制裁解除に踏み切ったほど経済が活性化しているベトナム社会主義共和国である。

そんなベトナムから出稼ぎで我が国にやってくる人々も多い。マジメで勤勉…とインドネシア人と並び概ね雇用者側の評判は良いようである。ボクの住む哀愁のイナカ町でもけっこーな人数がいるし、何人かのベトナム人は知人でもあって彼らは皆フレンドリーで平和主義者で善良な市民生活を送っているのだな。

そして考えてもみればボクはベトナム料理というものを食したことがないようなのね、タイやフィリピンあるいはインドネシアといった近隣の東南アジア諸国料理はあるのにねぇ、ってことでGoogleMapで見つけたそのお店にいってみることにしたのだ。

f:id:artfoods:20190429093609j:plain
MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

八事山興正寺参拝の後に向かったので飯田街道を南に進めばスグの位置…のハズなんだけど、店舗は反対車線側なので少し先まで行きテキトーな交差点でUターンしなければならない。そして到着してみればお店の前にもウラにもヨコにも駐車場はなく、反対側車線に面するラーメン屋さんのヨコがこのお店の契約駐車場なのであった。なんだよぉ、苦労してコッチの上り車線に入ったのに、また元の下り車線に戻らなくっちゃならないのかい…知っていたらすんなり入店できたのにさ。
クルマで行かれる方は事前によく周辺の道路状況と駐車場の位置を確認してから行動されるとよいでしょう。ただし前の道路には中央分離帯と生垣があるので”駐車場の位置はお店の向かい”でも近くの信号機のある場所までグルッと迂回してゆかなければならないことを申し添えておきます。

f:id:artfoods:20190429093229j:plain

店内はごくフツーのレストランでした。ただ飾られているものがベトナムちっくな感じで、異国情緒をちょっとだけ感じることができます。かなりダークな照明で(フォトは実際の印象よりも明るく仕上げてあります)先客がいなければ「もしかしてやってない?」みたいなカン違いをしそうですが、ミュージックがアチラ系でなかなかに面白い空間です。そういえばインド料理店もこんな感じのお店が多くて、BGMも例のクネクネ民族音楽と決まっているところが似てますな。

f:id:artfoods:20190429093220j:plain

さて、料理の注文です。ウェイトレスはやはりヴェトナミイで、明るく礼儀正しい接客です。
彼女が持ってきたメニューブックの中から日曜限定のランチサービス『フォー・ガー(ベトナム風鶏肉のうどん)+ベトナム風揚げ春巻きのセット』をお願いしました。すんごくブナン過ぎるオーダーのような気もしましたからナニかもう一品…ってことで『ゴイ・スア(エビと豚肉とクラゲのサラダ』も頼んじゃいました。

先に運ばれてきたのが前菜テキなサラダ『ゴイ・スア』です。
胡瓜や人参の千切りに甘酢ダイコンのスライスなどがサニーレタスの敷かれた皿の上でベースとなっていて、ボイルした小海老や豚肉そして味付けクラゲが中央に山盛りされています。
そこにパクチーなどの香草とニョクマム系ドレッシング、ぐるりと周囲に揚げ煎餅、フィニッシュは煎りピーナッツを挽いたものがたっぷりかけてありました。

MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

おっとっと~、美味いじゃありませんか!困りましたねえ、ビールを飲りたくなるってもんです。
フォトのように揚げ煎餅(サクサクパリパリと柔らかめ)に乗せてカナッペのようにいただくのもよし、皿の上で煎餅をバリバリに割っては散らして食すのもまた一興、いづれにしてもエスニックなお味でパクチーの香りやニョクマムの旨味がぐわっと喰い込んでくる個性派サラダです。
まあ出来れば独りで全部喰うよりも2~3人で取り分けてちょっとづつ楽しんだ方がいいかな。ボクは全量で満足しましたけどね。

さあメインのベトナム・フォーです。メニューブックには「…うどん」と記載されておりましたが小麦粉の麺ではなく、コメが原料のレッキとしたフォーであります。
現地レポートや紀行番組ではこのフォーを屋台で食す民衆をよく見ますし、そんなフォーを食べてみたくて輸入食品店で購入してきてはテメーで何度も作って食してはおりますけれど、外食でフォーを食すのは初めてのボクです。
牛肉のスープのものと鶏肉のスープのものがあるようですが、今回はアッサリしてそうな鶏肉のものを選択しました。

f:id:artfoods:20190429093857j:plain
MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

うっわ~、めっちゃ美味いですねえ!キツい部分はこれっぽっちもない優しいお味、塩味さえ控えめですんなりカラダにシミ込んでゆく感じがします。はんなり漂う香草の風味がたまらなくベトナムの空気を想像させますね、行ったことありませんけど。
つるつると滑らかに、そして薄くヴェールのように鶏スープを纏った麺が舌の上で踊り、ノドをすり抜けてゆく感覚が他の麺類にはないステータス。現地の人々が朝めしにこれを食す気持ちがよく解かる気がします。とにかく美味い。
因みに中華麺のようにレンゲではなく、ステンレス製の円いお玉で食すところがアチラっぽくて笑えますね。

ベトナム風揚げ春巻はスイートチリソースをつけて食すものでしたし、生野菜と甘酢漬野菜が添えてあり栄養価的にも申し分ありません。もちろん美味しくいただきました。フォーのお供としては単品でこの揚げ春巻を追加するのもいいでしょう。

ランチのサービスでドリンクがついてきます。きっとフォーを喰ってアセダラになるからアイスコーヒーが正解かな…と思ってソレを注文しましたけれど、これがまた大的中でしてね。
とてもユニークだなと思ったのは、ステンレスのドリップ器は底に小さな穴が開いていて、そこから抽出されたコーヒーが下に置かれたグラスにちょろちょろゆっくりと落ちてゆきます。そしてある程度溜まったら氷の入ったグラスに注ぎ移し、シュガーを溶いて飲むという儀式なのです。
こーゆースタイルのアイスコーヒーは初めてです。シュガーはガムシロップではなく湯飲み茶碗に入ったグラニュー糖ってところがアチラっぽくてまたまた笑えます。氷グラスにコーヒーを移したあとでは溶けにくくなるような気がして、グラスに氷だけの時にグラニュー糖を予め入れておきましたが、これも正解だったと思います。
クリームやミルクだけでなくストローまでもがついてきませんが、シュガーオンリーのアイスコーヒーをグラスをグイッと持ち上げて直接飲むのもストレートで潔く、また一般庶民の生活感があっていいものです。

いただいたもの全てが美味しかったと思います。出来ればもっとベツの種類のお料理も食してみたいものですが、やっぱりこのテのレストランは何人かで行って取り分けて楽しむほうがいいに決まってますものね。シゴト先はおろか地元に帰ってもこうした食事を楽しもうなんていうシュミの合う友人がいない人生ってどーなんでしょ、寂しいものです。


ベトナム家庭料理 Hong Ha(ホンハ)
愛知県名古屋市天白区八幡山734-1
TEL=052-835-8533
ACT=11:00-15:00 / 18:00-24:00(土日祝日は通し営業) 月曜定休




クリック↓↓↓で応援をお願いします



久しぶりに富士山


少し霞みがかった空
もうじき田植えなのに南西麓には雪がたくさん残ってますね  


f:id:artfoods:20190428081144j:plain
6:11AM. April. 28. 2019. @Fujinomiya-City    Nikon Ai-S Zoom-NIKKOR 4/80-200 SONY α7

でらうみゃ~でかなわんわ(49)

噂のにゃごやモーニング その30 「 おうちごはんと珈琲の店 オルセット 」

お替わり必至のコーヒー

八事の興正寺に行こうと決めたけど、やっぱり近くでモーニングしてハラごしらえしないと…ってことでGoogleMapを眺めてみるわけだ。おぉ~ナニやらよさげなお店があるじゃん。「 おうちごはんと珈琲の店 オルセット 」ねえ、日曜日も朝は7時から開店しているからちょうどいい。

オルセットってどーゆー意味?と思い調べてみたらイタリア語で子熊のことらしい。
う~ん、もしかしたらテディベアなどのぬいぐるみや置物が大量に飾ってあるメルヘンチックなお店かも…だとすると、あんまり趣味じゃないかなあ…なんて思いつつ、やっぱり「おうちごはん」という呪文につられて行ってしまったのね。
到着してみると可愛らしいお店だった。お店のヨコの駐車スペースは一台分しかないのだけれど、運のよいことに空いていた日曜日の朝7時30分ころです。
テーブル席は埋まっていて椅子が三つほどのカウンターしか空いていない、まあシカタないよね…ってことでとりあへず腰掛けたけど、すぐにテーブル席が空いたのでそちらに移動させていただいた。
入口のドアの脇にはクマさんの大きなぬいぐるみが置いてあったけど、店内はそのテのものは少しだけでちょっとホッとしましたよ。それよりなかなかにステキなインテリアじゃありませんか。BGMは70'sのPOPSが最初に流れていたけれど、いつの間にかオルゴールのものに替わっていいました。

f:id:artfoods:20190428040111j:plain

お店の客席は各5つのテーブルと椅子がロングソファと組み合わさってフレキシブルな対応が出来るようになっていることと、小上がり座敷のようなスペースもあって乳幼児を連れたヒトでも利用しやすい構造になっているところが面白いですね。

さてさて平素に比べて大幅に遅くなっている朝食タイムです、とってもハラがすいてましてね、早くブレックファストを食したいわけです。メニューブックを見るとドリンクにパン・茹で玉子・サラダのAセット、おにぎり・茹で玉子・小鉢のBセットがあります。そのほかにワッフルモーニング(ドリンク代金+¥250)やスープモーニング(同+¥300)がありましたが、プラス¥200でいただける『DXモーニング』がありまして、お~っしコイツで決まりだぜ!とお願いすることにしました。

MINOLTA M-ROKKOR 2/40  SONY α7

いや~ん、めっちゃいい感じじゃありませんか。カリッカリのバタートーストにたっぷりの生野菜サラダ、ハム、フルーツ、そして少し大きめのオムレツ!
慌てて食しちゃいけないと思いつつ、ハラペコと美味しさの相乗効果でスピードコントロールが利かない。プラス¥200ながらとっても質の高いプレートです、これはお値打ちです。
そしてもうひとつ特筆すべきことは、何よりこの店のコーヒーが美味しいってことなのです。有機栽培のペルーを一杯づつ丁寧に淹れるハンドドリップ、こんなにふくよかな味と豊かな香りのコーヒーはそうあるもんじゃありませんってば。もちろん「お替わりお願いしま~す」は必至です。

新潟産のコシヒカリを自家精米したり、とにかく手作りした家庭料理を提供するお店のようです。ホントはモーニングタイムだけじゃなくて、ランチにもおじゃましてその「おうちごはん」を享受してみたいんですけどね。


おうちごはんと珈琲の店 オルセット
http://www.orsetto.net/
愛知県名古屋市昭和区曙町3丁目17-3
TEL=052-731-3182
ACT=7:00-17:00 水曜定休第一+第三火曜日




クリック↓↓↓で応援をお願いします





八事山 興正寺

名古屋市の中心部(名古屋城周辺)から見て南東に位置する小高い丘陵地の八事(やごと)、ここに興正寺(こうしょうじ)がある。正式な名称は「八事山遍照院興正律寺」(やごとさんへんじょういんこうしょうりつじ」だ。
開山は貞享三年(1686年)で江戸文化が華やかに開花する元禄時代の直前である。

興正寺マルシェ」で賑わう参道を通り中門をくぐると国の重要文化財である五重塔の前に出る。文化五年(1808年)の入仏まで十二年もの歳月をかけて造られた塔の前には、高さ約7m・重量約6tで青銅鋳造漆塗り仕上げの「釈迦牟尼大仏」が鎮座している。
正面からはもちろん有難いそのお姿ですが、ちょっと高い位置から後姿を拝むのも面白いと思います。

f:id:artfoods:20190428054733j:plain


寛延三年(1750年)に建立された西山本堂には本尊である阿弥陀如来が奉安されていますが、上部に掲げられた額が山号でもなければ寺号でもない、そしてその文字が”読めない”っていうテメーの学のなさを憂いてしまうのである。因みにその横に掲げてあった額もフシギな画と文字が書かれていたので、近くにいた雲水さんに訊いてみたところ、彼も解らないということだった。

f:id:artfoods:20190428054718j:plain


西山本堂を出てさらに上を目指す。そこには享保二年(1717年)に尾張徳川家から寄進・建立された「能満堂」があるけれど、急な石段のため脇にはエスカレーターが設置され高齢者やハンディキャップへの配慮がなされていた。
球状の木でできた供物のようなものがあったり、他の建物とは違った風情のある建物だった。少しだけ乱雑な周辺は美しく整備されつつある模様。

f:id:artfoods:20190428055024j:plain


そこからさらに歩みを進めると女人禁制と彫られた石塔がある女人門址に至る。西山と修行の場である東山の境であり、かつては中門がこの場所にあったのだそう。
カギの手に並ぶ九品仏(くほんぶつ)や日陰の塀でひっそり過ごす二仏など、そこから大日堂への道のりも興味深い。

f:id:artfoods:20190428055009j:plain


八事山の最も高い場所に位置する「大日堂」、幟がはためくここも現在整備の途上のようだった。
堂の周囲をグルリと囲む回廊には梵語の文字板とお鈴や線香立てと浄財箱が置かれ、何か修行をするのかそれとも願い事をするためのものなのかよく判らないけれど、とにかくこうしたスタイルを見たのは初めてだ。

f:id:artfoods:20190428055251j:plain


堂内の「大日如来」、興正寺の総ご本尊さまである。元禄十年(1698年)に尾張徳川家二代藩主・徳川三友公が母の供養のために鋳造させたもの。

MINOLTA M-ROKKOR 2.8/28  SONY α7


東山から下り西山方面へ再び上ってゆくと鐘楼や観音堂がある。ここにも数多くの幟が立てられ様々な願い事と共に奉納されている。

この興正寺は多くの札所としても知られ、知多四国八十八ヶ所霊場第88番札所・名古屋二十一大師霊場第21番札所・東海三十六不動尊霊場第36番札所・尾張三十三観音霊場33番札所・東海百観音霊場第33番札所・なごや七福神・大名古屋十二支卯年本尊札所…と権力の大集中なのか、それともそれだけ霊力のある仏さまがいらっしゃるからなのか、本当に珍しい寺院となっている。

また五重塔が国の重文であることは前述したけれど、そのほかに名古屋市指定文化財である「梨木禽鳥図屏風」「唐人物図屏風」「木造観音菩薩立像」など貴重なものが数多く現存する。

そんな高貴な場所のはずなのに、露店の出る縁日が毎月三日(5日に大随求明王・西山本堂、13日は虚空蔵菩薩・能満堂、そしてこの21日が弘法大師・弘法堂「興正寺マルシェ」)も行われ、広く庶民にも開かれた寺院のようだ。

f:id:artfoods:20190428055445j:plain

広大な墓所と境内のためクルマ社会となった現代ではそれに対応するスペースを確保しずらいわけであるけれど、興正寺さんは接続する国道153号・飯田街道からすぐに入れる立体駐車場を設備としている。
最初はミスして入ってしまったかと心配したけれど、間違いなく立駐がお寺の公式駐車場である。当然有料ではあるけれど高くはない。またこのようにマルシェなど縁日が開催されている日は終日定額¥300で利用できるようになっていた。有難いことである。

MINOLTA M-ROKKOR 2/40  SONY α7

一日一組限定の貸し切り結婚式なんてものもプロデュースしているようで、尾張徳川家の帰依と二百数十年の歴史が積み上げられた名刹ブライダル…ご結婚をされるお二人ににはソレナリな責任を持っていただかなければなりませんな。ちょっとプレッシャーあり過ぎな感じもしますけど。まあ覚悟がおありならどうぞ…。


MINOLTA M-ROKKOR 2/40, M-ROKKOR 2.8/28,  Ernst Leits M-ROKKOR 4/90 @ SONY α7




八事山 興正寺
http://www.koushoji.or.jp/
愛知県名古屋市昭和区八事本町78番地
TEL=052-832-2801




帰り際の一枚
ごった返す中門前の参道は「興正寺マルシェ」
第一丸宮さんというお店で購入した漬物がめっちゃ美味かったです
フォトは?
ごめんなさい、全部喰っちまいました

竹の子ご飯と手打うどん

門前町の商店街で旬の味に出会う

手打うどん「ゆたかや」

笠寺観音に参拝し境内をしばらくプラプラしていたらハラがへってきた。モーニングを2回も食しているのにね、やっぱり動き回れば空腹になるもんだよなあ。
昼めしをドコで食すか決めて出かける日もあれば、行った先でテキトーに見つけて済ませるときもある。この日は後者の方で「下町の観音さまの近くにはきっとムカシからやってる食堂とかがあるに違いない」なんて根拠のない想像をして、これまたプラプラとその山門から名鉄の駅がある方向に歩いてゆくのね。そしてあれこれと探したり迷ったりするテマもなくラブストーリーは突然にやってきたのだ。

見てくれよ、この外観!ステキすぎて気絶するほど悩ましいじゃないか。小田和正氏は「ただ素直に好きと言えなくて」と語っているし、Charは「ああまた騙されると思いながら」と歌ってはいるけれど、ボクは堂々と「大好きだ!」と宣言するし「このテのお店にウソはない」と確信しているから大丈夫なのよね。

f:id:artfoods:20190425041450j:plain
MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

店内はダークな照度だし特別な清潔感もないけれど、まあムカシの居酒屋並みの猥雑さがある。それもそのハズで、その構造と機器を見ればどう考えても過去は居酒屋として営業していたお店を居抜きで使用していることに他ならない。

f:id:artfoods:20190425041113j:plain

お店の壁側に沿って両側が客席、そして中央に一本ど~んとスペースがあってそこにはシンクや焼鳥の焼き台みたいなものやちょっとした加工台とディシャップスペースなどが見えるが、使用している形跡は全くない。本来はそこを従業員が行き来するのだろうけれど、注文の品は奥の厨房で作られ両脇の通路を使って運ばれてきたのね。

さて注文ですよ。ものすごい種類の献立でドレにするか迷ってしまうけれど、表の案内看板立に「本日のサービス品」として『竹の子ご飯セット』¥700というものがあって、そいつに強く心惹かれていたのだな。アレコレ迷うよりもファーストキス…じゃなくってファーストコンタクトで押してみるのが一番かも知れないと思ったのよ。

うひひ~竹の子ご飯が楽しみじゃないか。今期は長期出張で宿舎暮らし、ナゴヤめしとかモーニングの喰い漁りはやってるけど旬の味ってものには縁遠い生活が続いていたからなあ、こーゆーものにみょ~に敏感になっている気がするのよ、ボクは。
そして選べるうどんはメニューブックにのっている単品うどんならドレでもよろしいってことで、なんだかきまぐれに『しのだうどん』にしてしまった。エビ天とかねニクもあったんだけど、なんとな~くって感じです。

さてさてそのセットが運ばれてきました。トレイには竹の子ご飯とうどんの他に、ちゃんと煮物の小鉢とお漬物小皿も添えてありましたよ。
フォトでは食べかけのゴハンみたいな感じに盛りが乱れておりますけれど、手付かず状態でコレです。ってか、竹の子ご飯なのにタケノコがまったく見えない状態で盛りつけられていたのでちょとホジくり返して撮影しました。品のいい料亭や和食店などと違い、こーゆー庶民的なお店では見栄えのする盛りつけはそう重要な問題ではないようなのだな、ベツに印象を悪くしたわけじゃありません、こんなもんでしょってところです。

先ずはおツユがわりにうどんの出し汁をいってみます。あぁ~いい感じですねぇ、淡い色ですがしっかりカツヲだしが利いてますし甘辛加減も申し分ありません。ここはうどんをすすらずにゴハンといきますか。
おっと、けっこー濃い目の味付けですね!これはこれで美味しいものです。見た目とお味からゆくと炊き込んだものではなく、竹の子その他の具材をしっかり味付けして炊いたものを白ゴハンにササッと混ぜて作るタイプです。チカラ強い味になりますので繊細な食材には向いていませんが、がっつ~んと手っ取り早く満足感を得てハラいっぱいにするにはコチラがおすすめです。

f:id:artfoods:20190425041228j:plain
MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

次にセットの『しのだうどん』にテをのばします。信太とか志乃田などとも表記するけれどドレが元祖というかホンモノなのか知らないのでスルーしておきます。ただヨソの土地でこの『しのだうどん』を提供しているお店は少ないはずで、もしかしたら”隠れナゴヤめし”かも…なんて思ってもいます。
色が淡いのは三河特産の白醤油を使っているからで、あっさりとした味わいの中にも愛知県産らしいコクが潜んでいます。美味いですねえ、スキスキこの味!
はんなり味付けした油揚げ、笹切りの根深葱、カマボコ…とってもシンプルなのにとっても奥深い、これは忘れられないものになりそうな予感がします。えへ、静岡に帰ったらコピって喰っちまおうかな。

聞き慣れない”しのだ”の由来についてですが、大阪府和泉市の「信太森葛葉稲荷(しのだもりくずのはいなり)神社」に伝わるキツネ伝説で、同じ系統の神社が愛知県あま市にある「葛葉稲荷神社」なのね。そこは偶然にも数か月前にボクも訪れた場所であって、まさかここでそれが結びつくとは夢にも思いませんでした。
つまり「信太森=しのだ」はキツネってことで、このうどんのナマエがそうなった…という説には飛躍や破綻もなく信憑性が高いものかと思えるのですな。
竹の子食いたさに注文したセットですが、思いもよらぬ文化のふくらみに驚いております。う~ん、ナゴヤっでスゴいところじゃん。

驚いたことはもうひとつあって、こちら「ゆたかや」さんは11:00からの営業ですが、朝の八時から開店時刻まで『モーニングうどん』なるものを提供されているようなのであります。サスガにコーヒーはついてませんが、たぶんおねーさまコダワリの緑茶(上のフォトの後ろにうっすらボケ写りしてますが、湯飲みに濃い緑茶が入っておりまして竹のスプーンが添えられています。多分お抹茶入りなのでしょうね、よくかき混ぜて飲めってことかなあ)はいただけると思います。

この駄文日記の「噂のにゃごやモーニング」のカテゴリに入れるかどうか迷いましたけれど、あくまで喫茶店とそのコーヒーをお題目にしたエントリーなので今回は外しました。
…ですが~、機会があれば件の『モーニングうどん』ね、おにぎり二個つきですし、卵焼きも付いてるみたいだし、¥290だし…と究極の外食朝めしってことで食してみたいとは思っているのですよ。う~ん、だけどちょっと遠いよねえ、ムリかなあ。

そんなことを考えながらボケ~ッと再び店内を見回していた。
そしてその照明のひとつが「手打 うどん」とかかれた行灯スタイルのものがあることに気が付いた。ほとんど天井に近い場所、周囲には飲食店の各種認定証や公共交通機関の時刻表など、ジツに生活と営業に密着した壁面だし、換気扇などがリアルに回転していたりして凡そ気が向かない場所であることが残念なのだけれど、その行灯風の照明(いや、実際は行灯だったのかも)がこのお店の大黒柱(テキな心の支え)なのではないか…なんて思えてもくるわけです。
肝心なことを書き忘れていました。ウリの「うどん」のことです。一般テキにナゴヤで流通している「うどん」や「きしめん」などと違いもちもちなどといった食感は存在しません。柔らかくそして喉ごしのよいソフトな「うどん」です。
以前に流通大手某Aで購入した『伊勢うどん』のときは「こんなマズいうどんは喰ったことねーずら!」と叫ぶくらいサイテーなものであったけれど、同じ”ふわつる系うどん”なのにこんなに美味しく感じたのはナゼなのだろうか。その真実を検証するためにもう一度チャンスが欲しいのですが。



手打うどん ゆたかや
https://ameblo.jp/teutiudonnyutakaya/
https://twitter.com/funayumino2
愛知県名古屋市南区笠寺町西之門60
TEL=053-811-2484
ACT=11:00-14:30 / 17:00-20:00 無休





クリック↓↓↓で応援をお願いします



がんばってくれました


シゴト用にしていた腕時計
そろそろ昼めしかな~と思って見たら
ありゃまあ! ブッ壊れてるじゃありませんか
何かがぶつかったのかな グラスが割れて穴が開いていた昨日

購入したのが一昨年のちょうど今頃
二年間よくがんばってくれました めっちゃハードな使い方してますから
後ガマを早く買わないとね
取り急ぎプライベート用のアウトドアウォッチが代役となります


でらうみゃ~でかなわんわ(48)

噂のにゃごやモーニング その29 「 純喫茶 にんじん 」

”純喫茶”の存在価値 とは

このお店は尾張四観音のひとつ「荒子観音」から「笠寺観音」に行く途中で偶然に見つけたお店です。カーナビゲーションの指示通りに向かっていたのだけれど、そう広くない路(つまり幹線道路ではなくフツーの市道かな)の途中で「純喫茶」という文字がメに入ってきたのですよ。

コトバとしてはもちろん知っているけれど、ここしばらくはお目にかかったことのない珍語あるいは死語とも言えるコトバが現実に店名の冠詞として存在していることにトリハダ状態のエロおやぢなのよ。うっそ~、マジですか!

全く予定にはなかったことだけど、どうしても看過できない…なにか義務ということプラス”運命”のようなものをビビッと感じたので、そこを通り過ぎてしまってはいたのだけれど急ぎバックしてそのお店の前にキャプチャー君を停めた。そのままでは手にお縄がかかってしまう行為なのでハザードランプ点滅&お店に飛び込んで駐車場の有無を尋ねた。幸いなことに店舗スグ横スペースがあるらしい。

う~ん、これで安心なのです。ヨユーでお店に入ると本当に可愛らしい店内だった。入り口のソンブレロは破れかけて色褪せているし、店舗の外壁もなんだかサエない状態になっているので心配だったけれど、店内はごくフツーに清潔で明るい状態が保たれていたのでハズレではなさそうだ。

f:id:artfoods:20190422194529j:plain

横長の店内は四人掛けのテーブル&ソファ席が4つ、カウンターが4席…つまり20人で満杯のお店なのです。
先客は高齢のご夫婦の一組だけ、インスタグラムとかフェイスブックあるいはグーグルマップなどでちょっとは知名度があるお店とは違い、ボクみたいなヨソモノの来店動機ってものは全く無くて、アクメでも…違う違う!タイプミスだってば…あくまでも地元さんがサラッと通う喫茶店みたいです。

店主のおねーさま(たぶん70代半ば過ぎ)は「ウォーマのスイッチを入れ忘れていたので未だ温まっていなくてごめんなさいね」と言いながらナマヌルオシボリとヒヤタンをテーブルに置いた。いやいや、ぜ~んぜん構いませんから。
それよりオーダーを…と思ってメニューを探すけれど、こちらのお店もそれが無いようなのですね。そうですかそうですか、このテの変則サービスにはもう慣れました、解ってますから~新参者のボクだって。
ってことで「ホットコーヒーでお願いします」なのです。おねーさんはすかさず「モーニングでいいんですよね?」と確認メッセージなのでありまして、もちろんオッケーのアイコンタクトでオーダー完了です。

MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

さてどんなモーニングサービスなのかと楽しみにしておりましたが、供されたものはトーストと茹で玉子だけでした。でもいいんですコレで、上等じゃありませんか。コーヒーもすぐに出てきたわけではなく、ほんのちょっとだけタイムラグがあった気がしますが、遅かったってほどではありません。そのワケは「オーダーが入ってから一杯づつ立てるのよ」というおねーさまのポリシイがあるからなのでありまして、ファットで風味豊かなそのコーヒーを飲めば納得するというものです。

う~ん、美味しいじゃありませんか!コーヒーのお味は前述の通りで申し分ありませんし、トーストもいい風味です。そして特に茹で玉子が究極の半熟状態であったことにボクとしては称賛の拍手喝采なのであります。
コーヒーのお値段が¥350だったか¥380だったかは忘れてしまいましたけれど、¥400未満だったことに間違いはありません。いいねえ、このお値段でこのお味ってさ。

そりゃ世の中にはリッチなモーニングサービスを提供しているお店は数多ありますけれど、やっぱり基本はコーヒーそのもののクオリティーがモノを言うわけですよ。ボクがほぼ毎日のように利用している喫茶「ボンフール」さんもソコんところがブレていないからなのでありましてね、ガキには解らない ”純喫茶”の存在価値なのであります。

おねーさまのお話では来店客は「年寄りしか来ないのよ」なのだそうで、若者はこーゆージミな存在の喫茶店を利用する意味を単に知らないだけなのかなぁと、逆に可哀想に思えてもくるわけです。若者たちよ、中心部にあるカッコいいお店やオシャレなカフェもいいけれど、都会からちょっとだけ離れた下町の喫茶店でホンモノのコーヒーをぜひ味わってみようではないか。50年も営業を続けているお店(おねーさまが三代目のオーナーらしい)の価値を学ぼう。

名古屋市内でも南区の城下町という少し下町テキな場所で50年…ってスゴいですよね。大須の商店街にあるインチキ&フェイクだらけのあの店とはステータスが違います。
「今年になってまだ一日も休んでいないのよ」とおねーさまは語った。いい御歳なんですからきっとお疲れになられると思うんですけどね、そのかわり「昼ごろまでしか営業しないし、病院とか用のある時は張り紙して休んじゃう」のだそうです。まああまり肩肘はらずにユルくやってるところでちょうどいいのかな。

そんなモーニングに満足してボクはお店をあとにしました。そしてお店の外観フォトをスマホで撮影していると、おねーさまがドアを開け「マッチは要る?」と仰ってくださるではありませんか。いや~有難いことですな、喜んでいただいてきましたけれど、お店の戸棚からガサゴソと探し出してくれた箱マッチは「もう何十年も前に作ったものだけど、使う人もいないのでたくさん残っている」そうで、なんと4つも下さったわけです。イラストがソバカスのある少年、可愛らしいし純喫茶らしいステキなデザインです。そういえば店名の「にんじん」ってもしかしたらジュール・ルナールの小説「にんじん」からつけた名前?と今になって気づく次第なのでありまして、その辺りもおねーさまに聞いてくればよかったなあ…なんてハンセーをしています。


純喫茶 にんじん
愛知県名古屋市南区城下町2丁目 37
TEL=052-822-3453
ACT=6:00-12:00くらい 年中無休も不定休あり




クリック↓↓↓で応援をお願いします



笠寺観音

とってもいい時間を過ごした純喫茶「にんじん」さんは予定外の収穫でしたが、ここから本来のモクテキだった尾張四観音の三つ目である「笠寺観音」さんに向かうのです。
正式な名称は天林山笠覆寺(てんりんざんりゅうふくじ)、真言宗智山派の寺院です。創建は天平5年(733年)と伝えられていますから結構なものですね。

f:id:artfoods:20190423175558j:plain

かなり散ってしまって葉桜に変身ちうの桜がその山門前で迎えてくれます。満開の好天なら素晴らしい光景になるんでしょうけどね、まあこんな景色も悪くありません。ハラハラと散っている桜の花びらが季節の移ろいを感じさせてくれるものであります。

名古屋市の指定文化財になっている山門にはかなりリッパな仁王さまがその両脇を固めておられます。紅く塗られた形相が恐ろし気ではありますが、慈愛のある優し気なものもある眼光が印象的です。

f:id:artfoods:20190423175545j:plain

山門には幼児用の小さなものから三尺を超えるような大草鞋が掛けられておりまして、その意味は何かあるのでしょうけれど、とにかく「ふう~ん」と感心しては見入ってしまうボクなのでありました。


f:id:artfoods:20190423181844j:plain

その山門をくぐり本堂に向かいます。緩い上り坂になっていまして、ふと振り返ると先ほどの山門がちょっと見おろすカタチで下に見えます。おぉ~なかなかにステキな境内風景じゃありませんか。

さてここで本堂の銅造十一面観世音さまにお参りするわけです。国の重要文化財に指定されています。本堂そのものも名古屋市の指定文化財ですね、いといろいろハデハデきらきらな本堂ですが、それは参拝者の通用路部分だけでして内部はやはり荘厳なフンイキなのであります。

f:id:artfoods:20190423180028j:plain


境内の別の場所には「六地蔵」というものもありまして、輪廻転生する世界(六道)は地獄道・餓鬼道・畜生道修羅道・人間道・天道となっていて、お地蔵さまがそれぞれの道で救済をしようとしておられるそうです。

f:id:artfoods:20190423180157j:plain

クルリと回りながらその御頭を撫で摩り、苦しみや悩みを打ち明けて、気持ちを軽くしたり心を磨く糧とするためのものなのだそうですよ。ボクですか?ええ、もちろんそうさせていただきました、煩悩も多く苦悩に満ちた日々を送っておりますので。笑わないでください、これでもちょっとは真剣かつマジメなんです。

手水舎には「水かけ地蔵」さんもいらっしゃいますが、前掛けや帽子にはちょっと違和感がありますね。着衣のまま水をかけることには抵抗があります。みなさんどーしておられるのでしょうか…しばらく見ていましたが、水かけをジッコーする参拝者はおられませんでした。

さて「尾張四観音」とはその中心に存在する名古屋城を守護するために定められたものらしいですよ。北西が甚目寺、南西が荒子観音、南東に笠寺観音、北東に龍泉寺…となっていて、今年が龍泉寺、令和二年は荒子観音…ということになっているみたいです。まあ普段は恵方なんて気にしたことはありませんが、どうせお参りするならそうした縁起を担いで行動したほうがいいのかも知れませんね…とこのごろ思うようになりました。

これで残る四観音さまは守山区龍泉寺さんだけになりました。ゴールデンウィークの長期休暇にも突入しますし(当然帰省しますから)しばらくは尾張の寺社巡りはおあずけになりますけれど、GW明けナゴヤにリターンしたら再開です。周辺のグルメをリサーチしたり準備はいろいろタイヘンとはいえ、守山区の寺社って初めてかなあ、楽しみですねえ。


Ernst Leits M-ROKKOR 4/90,  MINOLTA M-ROKKOR 2.8/28, 2/40  @ SONY α7



笠寺観音(天林山 笠覆寺:てんりんざんりゅうふくじ)
http://kasadera.jp/
https://www.facebook.com/kasadera.kannon.enmusubi/
愛知県名古屋市南区笠寺町上新町83番地
TEL=052-821-1367
ACT=8:00-16:00

でらうみゃ~でかなわんわ(47)

噂のにゃごやモーニング その28 「 カフェ&ダイニング α-MILAN 」

スタイリッシュに選ぶお店

このお店の前はしょっちゅう通過していた。そしていつ見ても「オッサレ~」みたいなカンジで、いつかは必ず利用してみようと思っていたのね。
月曜日が定休日なので休日の利用も可能だったけど、なんだかちょっと巡り合わせが悪くてペンディングばかり。やっぱりイラッてなりますよねえ、なんとかなんないのかい…って。

f:id:artfoods:20190420033612j:plain

そして先日ようやくそのチャンスが生まれた。行こうと思った尾張四観音の一寺院へのルートに合致するのよ、うっわ~楽しみだなあ!とわくわくしながらキャプチャー君を走らせた。ただしちょっとだけ出遅れたのでヤバいなぁと思っていたら、案の定かな~りヤバかった。

駐車場はほぼ満杯、あと数台しか停められない状況だったし、店内はウェイティングまではいかないけれど複数がけのテーブルは全て埋まっていて、シングル向けの外向き窓際カウンター席だけが空いていた。えへ、ボクはソコでオッケーですから…しかも喫煙席って嬉しいじゃないのよ。
周囲を見渡すと来店客は100%シルバー世代だった。この点はナゴヤの一般的な喫茶店事情に符合するのであって、特にフシギなこととは思えなくなってしまったボクは、すっかりこの土地の気風に慣れたってことなのでしょうかね。

それにしてもオサレな店内である。天井も高いし照明やグリーンを上手く配置してあって窓の外の風景を見なければ半リアルなアーバンライフをバーチャル体験できるというものだ。本籍及び現住所が哀愁のイナカ町というエロおやぢにしてみれば、こーゆー休日の朝ってのは竜宮城にいる浦島太郎みたいなものです。

そういえば浦島太郎って悲惨な最期でしたよね、どうしてそんなヒドい目に遭わなければならなかったのでしょうか。動物愛護精神に溢れた彼は、イジメられているカメを助けたばかりに親の死に目にも会えず、戻った現世では結局テメーも孤独死…。よほど竜宮城でいい思いをしたんでしょう、きっと乙姫さまとはラブラブなんてもんじゃなくってもうヤリまくり究極の愛の日々だったんでしょうけどね、乙姫様の強い性欲に愛想が尽きたおもてなしも嬉しかったけれどやっぱりちょっと年老いた親も心配になってきたのか太郎が現世に帰ることを告げると、乙姫様は「シカタないわねぇ」と言って(ホントは若いオスとヤレないことが判って激怒別れを惜しみつつ太郎の優しさも理解して)残念がってはみたんだけど、そこはヲンナの強い本能でシカケをした箱を渡して復讐するのである…ってねえ、おいおいっ!妄想し過ぎの大脱線だよ!元へ戻しなさい。

MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

ってことで、ドリンク代金プラス¥200の『ピザトーストのモーニングサービス』にしてみました。こちらのモーニングサービスは基本がドリンク代金でトースト&茹でタマゴ&ミニサラダ&カットフルーツが添付されるシステムで、週半ばではパンの種類を変えられるサービスも行っているようだ。
もちろんソレでも全く問題はないのだけれど、せっかくステキなお店でブレックファストできるんだからさ、ちょっといいやつが欲しいじゃん…みたいなところですね。
で、出来あがったようです…若いおねーちゃんが持ってきてくれました。案内とオーダー取りはソレナリなおねーさんだっただけに、あら~こんなおねーちゃんも店員でいたんだ~てなもんでして、みょ~に嬉しく思ったりもするエロおやぢであります。めっちゃ可愛いコだしナイスバデ…ってカンケーありませんね。
でも「タバスコをお持ちしましょうか?」と訊かれて「いや、今日はいいや」と断ってしまったことを深く後悔するのであって「おぉ~じゃあ持ってきてよ」とお願いすれば彼女にもう一度コンタクトできたのにさ…ってソレもカンケーありませんな。

フツーに美味しい『ピザトースト』でした、チーズの質もよく美味しくいただきましたよ。そして手作りっぽいポテトサラダがとてもいい感じでした。『ピザトースト』でなければこいつをバタートーストにオンして食せばかな~りイケた朝食パンになるでしょう。

カフェってからにはコーヒーが美味しくなければ話になりません。でもご心配なく、こちらのコーヒーはフツーに美味しいコーヒーです、食後のインプレッション・メモにその記述がないのはきっとダメな部分が無かったのと、特に述べることもないようなコーヒーだったからでしょうね。でもカップはやや大きめのものを採用してますので、お替わりをしたくなるようなシーンに突入することはまあ無いかな~ってところです。もちろん”長居組”にとってはお替わりの有り無しに関わらず嬉しい量であることに違いありません。

そしてカップにもソーサーにもお店のロゴタイプがしっかりプリントされておりまして、ブランド食器でなくともなんだかとても有難いキモチにさせてくれるものであります。
京都あたりの某有名コーヒーショップではお土産用にオリジナルブランドロゴ入りのグラスやカップ&ソーサーをスーベニコーナーで販売してたりするものですが、ナゴヤではあまりそういった習慣はないようです。きっと欲しいヒトもいると思うんですけど…。

このお店の前の道路は愛西市津島市方面から清須を経由してナゴヤ中心部に向かう道なのでけっこー交通量も多いのである。オサレなクルマに乗ったオサレな人々がお店に入ってゆくのを夕方などよく見かけるものだけど、朝はやっぱり軽トラや軽ワゴン、大衆コンパクトとかミドルセダンなどに乗ったシルバー世代が席捲するお店なのね。それぞれのお気に入りやご贔屓があるのであって、このお店も選択肢のひとつなのよ。

f:id:artfoods:20190420033606j:plain

それにしても、お店の奥にお座敷まである…ってのがビックリでした。またボクが行ったときにそれは予約になっていて、やはり幾人ものシルバーが集まりつつあった日曜の午前八時なのでありました。
モーニングサービスも水準以上のレベルですしランチの評判も上々、それならこんな風にゆとりのあるオサレなお店を選ぶ…というライフもあって然るべし。エロおやぢ的にはきれーで可愛くてナイスバデなおねーちゃん目当てに…てのもアリかと自己肯定してますです、はい。




cafe & dining α-MILAN(アルファ-ミラン
愛知県あま市花正長島14-1
TEL=052-443-8303
ACT=7:00-18:00 月曜定休


クリック↓↓↓で応援をお願いします





荒子観音

円空仏のお寺

尾張四観音」というものがあることを知った。そしてボクが尾張の寺社巡りを始めるキッカケとなった甚目寺もそのひとつだったわけでありまして、コンプリートするためにはあと三つ回ればよい…なんてことも判ったわけです。

今回は「荒子の観音さん」(あらこかんのん)に行ってみました。天平元年(729年)に草創した天台宗の寺院で正式には浄海山圓龍院観音寺です。最初に迎えてくれるのはリッパな山門ですが、これは大正時代になってから完成されたものらしいです。

f:id:artfoods:20190421040955j:plain

その山門の両脇で守護する仁王像、これがいきなり円空の作品なわけですよ!まさかこの時点で円空仏に会えるとは思っていなかったので…というか、ずいぶん荒々しくプリミティブな仁王像だけど、味わい深いというか魂のようなものが感じられるよねぇ…とよく見れば円空作だったわけでして驚くボクなのです。

f:id:artfoods:20190421040930j:plain

以前は木の格子だけで囲われていたそうですが、ゴミなどをその中に捨てる不届き者が絶えないためマルチコーティング処理された高級ガラスでプロテクトするようになったそうです。火事にでもなったらタイヘンですものね、でもオカゲでフォト撮影もけっこータイヘンでございましたわよ。

その重厚な山門をくぐると境内が拡がっています。左手には名古屋市に現存する建築物としては最古の存在であって国の重要文化財でもある「多宝塔」が建っています。天文五年(1536年)に再建されたもので三間多宝塔・杮葺(こけらぶき、”こけら”という漢字は柿(かき)という文字に似てますがつくりの上部がが鍋蓋ではない、ただしPC文字上でフォントサイズが小さいと同一にしか見えない)が室町末期の特色です。

f:id:artfoods:20190421040945j:plain

正面の本堂は天正四年(1576年)に前田利家によって再建されたもの。前田利家ってあの加賀百万石藩主の?そうなんですよ、利家はこの荒子土豪の家に生まれ、北陸・加賀の國を所領として与えられるまではこの寺の近くに「荒子城」を構えていたとされてますね、知らなかったぜ。

延宝から貞享年間(1673-1688年)にかけて円空が何度かこの寺を訪れ、山門の仁王像をはじめ1200体を超える木彫仏像(円空仏)を残したらしい。全国で確認されている円空仏・5374体のうち1/4以上がこの荒子観音にある…ってスゴいですねえ。

一説によると円空は先ず檜の大木で仁王像を制作し、その残った材で諸像を彫ったとされています。そして寺の各所で使われた木材の端材までも用いて木端仏や千面菩薩を作ったって話ですよ、なんかもうとり憑かれたようにその作業に打ち込む姿が想像できますね。以前版画家の棟方志功さんが作品制作をする様子を捉えたフィルムを見たことがありましたけれど、感情やエネルギーの発露を一瞬でも逃さないように、インスピレーションの出力を最大限に集中し、狂ったように版木を彫る姿に感動した憶えがありますが、きっとソレに近いものが円空にも生じていたのではないかなぁなんて思ったりもします。

仁王像で気をよくしたボクは「さあこれで円空仏をたっぷりと堪能できるぞ~」と意気込んだわけですが、残念なことにそのように安易な予測は見事に打ち砕かれたわけです。なんとその拝観は毎月第二土曜日の午後1時から4時までに限定されていて、普段は客殿で大切に保管されているそうな。
公開日には境内で円空仏を彫る体験教室も開催されているというから、もういちど足を運んでもいいかな~って思います。ただしシゴトはサボんなくっちゃならないけどね。

f:id:artfoods:20190421041423j:plain

本堂には釈迦如来と大黒天の二体が鎮座されているけれど浄財(いわゆる賽銭箱)の脇には賓頭蘆(びんづる=釈尊の弟子で十六羅漢のひとり)の木像が置かれていた。撫で仏とも呼ばれていて、自分の患っているのと同じ木像の部位を撫で、その手で自分の患部をさすると病が治癒する…なんて民間信仰なんですけどね、ボクの場合は脳ミソ以外では目と足と腰かなあ、でも足と腰は触れない位置なのでムリでした。なのでとりあへず賓頭蘆さんのアタマを撫でてテメーのカラダにタッチしておきました。さて効果のほどは如何でしょうか…。

f:id:artfoods:20190421041553j:plain

奥にある本坊も少し拝見してきました。僧侶のプライベートな空間のようなのであまりウロつくわけにはゆきませんでしたが、こちらも古を感じさせるものがたくさんあってなかなかに鄙びた風情なのでありました。
サスガに前田利家菩提寺だけあって格式高い寺院であります。年末年始や縁日などでは大賑わいとなるようですが、やはりこうして人っ気の少ない日にゆっくり参拝するのがスキです。
で、円空仏の木彫体験教室ね、真剣に考えちゃおーかな~なんて。

Ernst Leitz  M-ROKKOR 4/90,  MINOLTA  M-ROKKOR 2/40, 2.8/28 @ SONY α7




浄海山 圓龍院 観音寺(荒子観音
愛知県名古屋市中川区荒子町字宮窓138
TEL=052-361-1778

でらうみゃ~でかなわんわ(46)

噂のにゃごやモーニング その27 「 カフェド すずらん

真心の手作り『水ようかん』


土曜日、快晴の朝、ただしシゴト。
いつもは春日井の「ボンフール」さんでモーニングをいただくのだけれど、たまには近くの喫茶店で新鮮な経験もしてみたい…な~んて浮気な虫が騒ぎ出して立ち寄ってみたのね。

冬はお店の前を通りかかると街灯もない真っ暗な中にポッと店内照明が燈っているのが見えたものだし、例の黄色回転灯も光っていた。
けっこー早くからやってるじゃん…と思っていたけれど、GoogleMapの案内では営業時間や休日は不明のまま放置されている。
だから完全にアテにするのはリスクが大き過ぎるので、まあやってたら寄ってみよう程度のキモチでクルマを進めるのだな。

時刻は五時半ちょっと前、おぉ~やってるやってる!幸いなことですね、さっそく入ってみましょうか。そしてそこはごくフツーの喫茶店なのであった。入って正面がディシャップカウンター、左右に分かれてビニールレザーのソファ席がいくつか。
カーテンではなく白いブラインドってところがムカシにしてはおしゃれだったに違いないし、ペンダントライトも角形の今風で「 カフェド すずらん 」と名乗るにふさわしいけれど、アズキ色のフェイクレザーが奢られたソファがやはりちょっとだけ昭和ちっくかな、でも決して悪いシュミではないと思います。

面白い(と言ってはシツレーかも知れませんが)店名が「カフェド すずらん」なのでありまして「カフェ・ド・すずらん」でも「Cafe de すずらん」でもなくドドッと続けてカフェド…となるところがユニークなのであります。きっと創業者殿…もしかしたらというか多分なんですけど、こんな早朝から頑張って営業しているおねーさま(かなりな御歳であることは間違いないようですが)ね、その方の思いが込められているのかも知れません。
さてオナカもすいていますしよけーなことばかり考えていないでサッサとオーダーしましょう。というかコチラのお店もメニュー表というものがありませんでした。
きっとランチタイムにはそうしたものがあって各テーブルにセットされるのでしょうけれど、愛知県ナゴヤに来て知ったことはそれぞれの喫茶店に近隣のシルバー世代固定客がいて、まるでガッコーにでも通うようにオトモダチとの会話を楽しんだり、ママあるいはマスターとの情報交換のために集まってくる…という図式なのだな。そしてそこで注文するものは決まってコーヒー…つまりトーストや茹で玉子などがサービスされるモーニングなのよね。つまり選択するメニューなんぞは必要ない…ってことなんでしょうか。個人の喫茶店ならお店にとっても客にとっても都合の良いシステムなのかも知れません。

初めはビックリしましたけれど最近はそーゆースタイルに慣れました。いつもの「ボンフール」さんでもそうであるように、席に着けば黙っていてもホットコーヒーがオシボリやヒヤタンと一緒に出されるし、ボクが使わないミルクやスプーンはソーサーに乗っていない…ということがどれほど心地よいかってことなのですね。
そして客とはカッテなもので(う~んボクだけかも知れないけれど)けっこー放っておいて欲しいというか、テメーのオペレーションのために喫茶店を利用しているんだからあまりツッ込んで欲しくない…というところがありまして、本当にテメーカッテなわけですが、これはもうどーにもなりませんね、そのフリー加減がお店の価値といいますか、気に入るか気に入らないかの分かれ目なのですね。
まあ気に入る気に入らないは提供されるコーヒーのお味とかトーストの質など非常にセンシティブな問題も孕んでいますので、こんなエロおやぢが指図すべきことではありませんけれど、概ねナゴヤの個人喫茶店はそうしたファンクションはクリアしているのではないか…と思っています。

さてこちらのモーニングは如何なものでしょう。メニューが無いので「ホットコーヒーで」とお願いするとトーストの種類を尋ねられました、バター・ジャム・小倉…などといったスタンダードなものですが、このところシナモンや小倉などが続いていたせいか「たまにはジャムもいいかな~」ってことでソレをお願いしたのですが、出てきたものはフツーのバタートーストでした。
ボクはなんだかそんなつまらないことにクレームをつける気になれなくて、まぁいっか~テキなスルーとしました。ベツにいいんです、おねーさんもご高齢でポカも多くなりがちでしょうし、大した問題ではありませんから。それよりも提供された皿にはトーストと茹で玉子の他にバナナも持っていますし、もうひと皿が供される訳ですよ。因みにコーヒーのお代金は税込み¥350です。

f:id:artfoods:20190418201651j:plain
MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

あら~スゴいじゃありませんか、生フルーツがいっぱい乗ってますね。その他にヅメカンの黄桃やミカン、そして最初はゼリーと思った(ナゴヤのヒトはゼリー好きみたいでそれを採用している喫茶店が多い)のですが、これななんと『水ようかん』だったのです!
手前の黒っぽいものが小倉、トナリの赤いものは?なのですけれど、やっぱり美味い。既製品でないことはひとクチ食せばスグに判ります。あぁ~美味いじゃありませんか、生フルーツもたくさんのヅメカンフルーツも嬉しいけれど、こいつにトドメを刺されたカンジです。

ほんの少しの量しか添えられていないのにインパクトは絶大。何故にこれほどまでにインプレッシプなのかと言いますと、やっぱりそれは”手作り”のチカラとでもいいますか、おねーさんの真心がこもっているからなのでしょう。
コーヒーの味そのものにキアイを入れるヒト、トーストに並々ならぬコダワリを持つヒト、フルーツのカットにただならぬ技術と伝統を持ち込むヒト…世の中にはいろいろあるけれど、全て人間の手による作業といいますか、ヒトに温もりを伝える・感じさせるものなのであります。

この『水ようかん』もそのひとつなのでしょうね、コーヒーもトーストも生&ヅメカンフルーツ美味しかったけれどボクはこの『水ようかん』に一番カンゲキしました。
「何だよ~、肝心なコーヒーやトーストの話じゃないのかい…」とガッカリするだけでなく、たかが『水ようかん』でジクジクと駄文を連ねるなんていーかげんなオトコと思われるかもしれませんけれど、それはコーヒーやトーストのレベルの高い愛知県だからなのでありまして、そうしたファクタを全てクリアした上での話として捉えて下さいませ。

おねーさんに営業時間や休日のことをお伺いしました。GoogleMapにもその旨を情報提供してあります。いちおーローカルガイドとしての役割は果たしているつもりであります。
ただ、おねーさんは「ときどき寝坊しちゃうんですよね。だから慌てて忘れることもあってねぇ黄色の回転灯が回っていなくても店内の明かりが点いていたらオッケーだと思って寄って下さい」そして「終わりはいちおー五時にしているんですけど、その直前でも来店していただければ営業を続けますから」とも仰っていただいた。
素晴らしいじゃありませんか、商売とか経営者とかそーゆーコトじゃなくって、人間としてあるべき姿を示していただいたような気がする。立地条件や店舗の優位性などをものともせずにずっとこのお店を続けておられるのは、こうした基本的な生き様の違いなのだろうか。単に美味しいとか心地よいなどといった要素だけでなく、ココロの底にあるものに引き寄せられるお店なのかな。もっと通いたいのですけれど。


カフェド すずらん
愛知県あま市森山弁才天69-1
TEL=052-441-7682
ACT=5:00-17:00 水曜定休


クリック↓↓↓で応援をお願いします





ガード下


ってねえ、呑み屋の話じゃありません
シゴトを終えての帰路です
強い風がビュンビュン吹き荒んでおりますが
高速道路のガード下の植物たちはたくましく生きています
なんかちょ~つまんないフォトですが
ボクとしては日常のワンシーンとして
記録しておきたい瞬間でした


f:id:artfoods:20190419051444j:plain
SIGMA  A013 2.8/30 DN  @ SONY NEX-7