ベトナム料理を食べに行こう

お店で食べるのは初めての『フォー』

ベトナム家庭料理 「Hong Ha」(ホンハ)

かつて南北に分断され資本主義-共産主義各国陣営の覇権争いの場となったベトナムは70年代に統一を果たし、その後ゆっくりながらも経済発展を続けてきた。共産主義国とはいえ勤勉な国民性もあって先進諸国からの投資も盛んになり、80年代にはアメリカのクリントン政権もその制裁解除に踏み切ったほど経済が活性化しているベトナム社会主義共和国である。

そんなベトナムから出稼ぎで我が国にやってくる人々も多い。マジメで勤勉…とインドネシア人と並び概ね雇用者側の評判は良いようである。ボクの住む哀愁のイナカ町でもけっこーな人数がいるし、何人かのベトナム人は知人でもあって彼らは皆フレンドリーで平和主義者で善良な市民生活を送っているのだな。

そして考えてもみればボクはベトナム料理というものを食したことがないようなのね、タイやフィリピンあるいはインドネシアといった近隣の東南アジア諸国料理はあるのにねぇ、ってことでGoogleMapで見つけたそのお店にいってみることにしたのだ。

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MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

八事山興正寺参拝の後に向かったので飯田街道を南に進めばスグの位置…のハズなんだけど、店舗は反対車線側なので少し先まで行きテキトーな交差点でUターンしなければならない。そして到着してみればお店の前にもウラにもヨコにも駐車場はなく、反対側車線に面するラーメン屋さんのヨコがこのお店の契約駐車場なのであった。なんだよぉ、苦労してコッチの上り車線に入ったのに、また元の下り車線に戻らなくっちゃならないのかい…知っていたらすんなり入店できたのにさ。
クルマで行かれる方は事前によく周辺の道路状況と駐車場の位置を確認してから行動されるとよいでしょう。ただし前の道路には中央分離帯と生垣があるので”駐車場の位置はお店の向かい”でも近くの信号機のある場所までグルッと迂回してゆかなければならないことを申し添えておきます。

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店内はごくフツーのレストランでした。ただ飾られているものがベトナムちっくな感じで、異国情緒をちょっとだけ感じることができます。かなりダークな照明で(フォトは実際の印象よりも明るく仕上げてあります)先客がいなければ「もしかしてやってない?」みたいなカン違いをしそうですが、ミュージックがアチラ系でなかなかに面白い空間です。そういえばインド料理店もこんな感じのお店が多くて、BGMも例のクネクネ民族音楽と決まっているところが似てますな。

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さて、料理の注文です。ウェイトレスはやはりヴェトナミイで、明るく礼儀正しい接客です。
彼女が持ってきたメニューブックの中から日曜限定のランチサービス『フォー・ガー(ベトナム風鶏肉のうどん)+ベトナム風揚げ春巻きのセット』をお願いしました。すんごくブナン過ぎるオーダーのような気もしましたからナニかもう一品…ってことで『ゴイ・スア(エビと豚肉とクラゲのサラダ』も頼んじゃいました。

先に運ばれてきたのが前菜テキなサラダ『ゴイ・スア』です。
胡瓜や人参の千切りに甘酢ダイコンのスライスなどがサニーレタスの敷かれた皿の上でベースとなっていて、ボイルした小海老や豚肉そして味付けクラゲが中央に山盛りされています。
そこにパクチーなどの香草とニョクマム系ドレッシング、ぐるりと周囲に揚げ煎餅、フィニッシュは煎りピーナッツを挽いたものがたっぷりかけてありました。

MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

おっとっと~、美味いじゃありませんか!困りましたねえ、ビールを飲りたくなるってもんです。
フォトのように揚げ煎餅(サクサクパリパリと柔らかめ)に乗せてカナッペのようにいただくのもよし、皿の上で煎餅をバリバリに割っては散らして食すのもまた一興、いづれにしてもエスニックなお味でパクチーの香りやニョクマムの旨味がぐわっと喰い込んでくる個性派サラダです。
まあ出来れば独りで全部喰うよりも2~3人で取り分けてちょっとづつ楽しんだ方がいいかな。ボクは全量で満足しましたけどね。

さあメインのベトナム・フォーです。メニューブックには「…うどん」と記載されておりましたが小麦粉の麺ではなく、コメが原料のレッキとしたフォーであります。
現地レポートや紀行番組ではこのフォーを屋台で食す民衆をよく見ますし、そんなフォーを食べてみたくて輸入食品店で購入してきてはテメーで何度も作って食してはおりますけれど、外食でフォーを食すのは初めてのボクです。
牛肉のスープのものと鶏肉のスープのものがあるようですが、今回はアッサリしてそうな鶏肉のものを選択しました。

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MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

うっわ~、めっちゃ美味いですねえ!キツい部分はこれっぽっちもない優しいお味、塩味さえ控えめですんなりカラダにシミ込んでゆく感じがします。はんなり漂う香草の風味がたまらなくベトナムの空気を想像させますね、行ったことありませんけど。
つるつると滑らかに、そして薄くヴェールのように鶏スープを纏った麺が舌の上で踊り、ノドをすり抜けてゆく感覚が他の麺類にはないステータス。現地の人々が朝めしにこれを食す気持ちがよく解かる気がします。とにかく美味い。
因みに中華麺のようにレンゲではなく、ステンレス製の円いお玉で食すところがアチラっぽくて笑えますね。

ベトナム風揚げ春巻はスイートチリソースをつけて食すものでしたし、生野菜と甘酢漬野菜が添えてあり栄養価的にも申し分ありません。もちろん美味しくいただきました。フォーのお供としては単品でこの揚げ春巻を追加するのもいいでしょう。

ランチのサービスでドリンクがついてきます。きっとフォーを喰ってアセダラになるからアイスコーヒーが正解かな…と思ってソレを注文しましたけれど、これがまた大的中でしてね。
とてもユニークだなと思ったのは、ステンレスのドリップ器は底に小さな穴が開いていて、そこから抽出されたコーヒーが下に置かれたグラスにちょろちょろゆっくりと落ちてゆきます。そしてある程度溜まったら氷の入ったグラスに注ぎ移し、シュガーを溶いて飲むという儀式なのです。
こーゆースタイルのアイスコーヒーは初めてです。シュガーはガムシロップではなく湯飲み茶碗に入ったグラニュー糖ってところがアチラっぽくてまたまた笑えます。氷グラスにコーヒーを移したあとでは溶けにくくなるような気がして、グラスに氷だけの時にグラニュー糖を予め入れておきましたが、これも正解だったと思います。
クリームやミルクだけでなくストローまでもがついてきませんが、シュガーオンリーのアイスコーヒーをグラスをグイッと持ち上げて直接飲むのもストレートで潔く、また一般庶民の生活感があっていいものです。

いただいたもの全てが美味しかったと思います。出来ればもっとベツの種類のお料理も食してみたいものですが、やっぱりこのテのレストランは何人かで行って取り分けて楽しむほうがいいに決まってますものね。シゴト先はおろか地元に帰ってもこうした食事を楽しもうなんていうシュミの合う友人がいない人生ってどーなんでしょ、寂しいものです。


ベトナム家庭料理 Hong Ha(ホンハ)
愛知県名古屋市天白区八幡山734-1
TEL=052-835-8533
ACT=11:00-15:00 / 18:00-24:00(土日祝日は通し営業) 月曜定休




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久しぶりに富士山


少し霞みがかった空
もうじき田植えなのに南西麓には雪がたくさん残ってますね  


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6:11AM. April. 28. 2019. @Fujinomiya-City    Nikon Ai-S Zoom-NIKKOR 4/80-200 SONY α7