でらうみゃ~でかなわんわ(46)

噂のにゃごやモーニング その27 「 カフェド すずらん

真心の手作り『水ようかん』


土曜日、快晴の朝、ただしシゴト。
いつもは春日井の「ボンフール」さんでモーニングをいただくのだけれど、たまには近くの喫茶店で新鮮な経験もしてみたい…な~んて浮気な虫が騒ぎ出して立ち寄ってみたのね。

冬はお店の前を通りかかると街灯もない真っ暗な中にポッと店内照明が燈っているのが見えたものだし、例の黄色回転灯も光っていた。
けっこー早くからやってるじゃん…と思っていたけれど、GoogleMapの案内では営業時間や休日は不明のまま放置されている。
だから完全にアテにするのはリスクが大き過ぎるので、まあやってたら寄ってみよう程度のキモチでクルマを進めるのだな。

時刻は五時半ちょっと前、おぉ~やってるやってる!幸いなことですね、さっそく入ってみましょうか。そしてそこはごくフツーの喫茶店なのであった。入って正面がディシャップカウンター、左右に分かれてビニールレザーのソファ席がいくつか。
カーテンではなく白いブラインドってところがムカシにしてはおしゃれだったに違いないし、ペンダントライトも角形の今風で「 カフェド すずらん 」と名乗るにふさわしいけれど、アズキ色のフェイクレザーが奢られたソファがやはりちょっとだけ昭和ちっくかな、でも決して悪いシュミではないと思います。

面白い(と言ってはシツレーかも知れませんが)店名が「カフェド すずらん」なのでありまして「カフェ・ド・すずらん」でも「Cafe de すずらん」でもなくドドッと続けてカフェド…となるところがユニークなのであります。きっと創業者殿…もしかしたらというか多分なんですけど、こんな早朝から頑張って営業しているおねーさま(かなりな御歳であることは間違いないようですが)ね、その方の思いが込められているのかも知れません。
さてオナカもすいていますしよけーなことばかり考えていないでサッサとオーダーしましょう。というかコチラのお店もメニュー表というものがありませんでした。
きっとランチタイムにはそうしたものがあって各テーブルにセットされるのでしょうけれど、愛知県ナゴヤに来て知ったことはそれぞれの喫茶店に近隣のシルバー世代固定客がいて、まるでガッコーにでも通うようにオトモダチとの会話を楽しんだり、ママあるいはマスターとの情報交換のために集まってくる…という図式なのだな。そしてそこで注文するものは決まってコーヒー…つまりトーストや茹で玉子などがサービスされるモーニングなのよね。つまり選択するメニューなんぞは必要ない…ってことなんでしょうか。個人の喫茶店ならお店にとっても客にとっても都合の良いシステムなのかも知れません。

初めはビックリしましたけれど最近はそーゆースタイルに慣れました。いつもの「ボンフール」さんでもそうであるように、席に着けば黙っていてもホットコーヒーがオシボリやヒヤタンと一緒に出されるし、ボクが使わないミルクやスプーンはソーサーに乗っていない…ということがどれほど心地よいかってことなのですね。
そして客とはカッテなもので(う~んボクだけかも知れないけれど)けっこー放っておいて欲しいというか、テメーのオペレーションのために喫茶店を利用しているんだからあまりツッ込んで欲しくない…というところがありまして、本当にテメーカッテなわけですが、これはもうどーにもなりませんね、そのフリー加減がお店の価値といいますか、気に入るか気に入らないかの分かれ目なのですね。
まあ気に入る気に入らないは提供されるコーヒーのお味とかトーストの質など非常にセンシティブな問題も孕んでいますので、こんなエロおやぢが指図すべきことではありませんけれど、概ねナゴヤの個人喫茶店はそうしたファンクションはクリアしているのではないか…と思っています。

さてこちらのモーニングは如何なものでしょう。メニューが無いので「ホットコーヒーで」とお願いするとトーストの種類を尋ねられました、バター・ジャム・小倉…などといったスタンダードなものですが、このところシナモンや小倉などが続いていたせいか「たまにはジャムもいいかな~」ってことでソレをお願いしたのですが、出てきたものはフツーのバタートーストでした。
ボクはなんだかそんなつまらないことにクレームをつける気になれなくて、まぁいっか~テキなスルーとしました。ベツにいいんです、おねーさんもご高齢でポカも多くなりがちでしょうし、大した問題ではありませんから。それよりも提供された皿にはトーストと茹で玉子の他にバナナも持っていますし、もうひと皿が供される訳ですよ。因みにコーヒーのお代金は税込み¥350です。

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MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

あら~スゴいじゃありませんか、生フルーツがいっぱい乗ってますね。その他にヅメカンの黄桃やミカン、そして最初はゼリーと思った(ナゴヤのヒトはゼリー好きみたいでそれを採用している喫茶店が多い)のですが、これななんと『水ようかん』だったのです!
手前の黒っぽいものが小倉、トナリの赤いものは?なのですけれど、やっぱり美味い。既製品でないことはひとクチ食せばスグに判ります。あぁ~美味いじゃありませんか、生フルーツもたくさんのヅメカンフルーツも嬉しいけれど、こいつにトドメを刺されたカンジです。

ほんの少しの量しか添えられていないのにインパクトは絶大。何故にこれほどまでにインプレッシプなのかと言いますと、やっぱりそれは”手作り”のチカラとでもいいますか、おねーさんの真心がこもっているからなのでしょう。
コーヒーの味そのものにキアイを入れるヒト、トーストに並々ならぬコダワリを持つヒト、フルーツのカットにただならぬ技術と伝統を持ち込むヒト…世の中にはいろいろあるけれど、全て人間の手による作業といいますか、ヒトに温もりを伝える・感じさせるものなのであります。

この『水ようかん』もそのひとつなのでしょうね、コーヒーもトーストも生&ヅメカンフルーツ美味しかったけれどボクはこの『水ようかん』に一番カンゲキしました。
「何だよ~、肝心なコーヒーやトーストの話じゃないのかい…」とガッカリするだけでなく、たかが『水ようかん』でジクジクと駄文を連ねるなんていーかげんなオトコと思われるかもしれませんけれど、それはコーヒーやトーストのレベルの高い愛知県だからなのでありまして、そうしたファクタを全てクリアした上での話として捉えて下さいませ。

おねーさんに営業時間や休日のことをお伺いしました。GoogleMapにもその旨を情報提供してあります。いちおーローカルガイドとしての役割は果たしているつもりであります。
ただ、おねーさんは「ときどき寝坊しちゃうんですよね。だから慌てて忘れることもあってねぇ黄色の回転灯が回っていなくても店内の明かりが点いていたらオッケーだと思って寄って下さい」そして「終わりはいちおー五時にしているんですけど、その直前でも来店していただければ営業を続けますから」とも仰っていただいた。
素晴らしいじゃありませんか、商売とか経営者とかそーゆーコトじゃなくって、人間としてあるべき姿を示していただいたような気がする。立地条件や店舗の優位性などをものともせずにずっとこのお店を続けておられるのは、こうした基本的な生き様の違いなのだろうか。単に美味しいとか心地よいなどといった要素だけでなく、ココロの底にあるものに引き寄せられるお店なのかな。もっと通いたいのですけれど。


カフェド すずらん
愛知県あま市森山弁才天69-1
TEL=052-441-7682
ACT=5:00-17:00 水曜定休


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ガード下


ってねえ、呑み屋の話じゃありません
シゴトを終えての帰路です
強い風がビュンビュン吹き荒んでおりますが
高速道路のガード下の植物たちはたくましく生きています
なんかちょ~つまんないフォトですが
ボクとしては日常のワンシーンとして
記録しておきたい瞬間でした


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SIGMA  A013 2.8/30 DN  @ SONY NEX-7