(65)淡路島『玉ねぎカレー』


 平成18年度の農林水産省統計では全国の玉ねぎ収穫量は115万8千トンに及ぶが北海道がこのうち54%、次いで佐賀の14%、兵庫が10%と続く。
その兵庫県産の大半が淡路島の玉ねぎなのである。約7.000万年前の堆積層がミネラル豊富な土となり、甘くて旨いと言われる淡路玉ねぎのヒミツになっているようだ。
どちらかといえば東日本寄りの静岡県なので流通の大半は北海道産で千葉や群馬の玉ねぎはたまに見かけるくらい、オマケに浜松の三方ケ原が甘味の強いサラダ玉葱で有名なだけに西日本の製品が入り込んでくる余地はなさそうなのである。
 玉ねぎキューピーちゃんなど淡路島の生産者もアピールに必死のようであり、鳴門海峡を見下ろす淡路SAで食べた“たまねぎラーメン”など、その良さを生かした料理や商品が次々と生まれている。
この「淡路玉ネギと淡路牛のカレー」もその一つで、たっぷり使われた玉ねぎが自然ではあるが力強い甘みを楽しませてくれ、牛肉とのマッチングは申し分ない。


株式会社 鳴門千鳥本舗
http://www.narutochidori.co.jp/

JAあわじ島
http://www.ja-awajishima.or.jp/


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 国内生産の玉ねぎについて調べていたら、ちょっと気になる資料を見つけてしまった。
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所」とヒジョーにカタくて長いお名前の組織であるが、ソコの報告書によると玉ねぎの国内消費量は160万トンで前述の収穫量からゆくと44万トン不足するコトになる。そう不足分は中国や米国からの輸入に頼っており、しかも増加傾向にあるという。
一方では数年前、北海道・北見の玉ねぎは流通価格の下落によって数万トンの玉ねぎを廃棄処分したニュースをボクは複雑な思いで見てしまったコトを思い出す。
 貯蔵性に富む作物であるだけに輸入タマネギは40円/kg で流通していて、国内産一般青果用の70〜80円/kg とは大きな差がある。
確かに手間ヒマかけて食味のよい玉ねぎを農家の方々は生産しているのだろうが、ソレとは別に加工・業務用需要にマッチしたタマネギの品種や栽培方法などを探ってゆかなければ、いずれ海外からの圧力に屈する時が来てしまうのは目に見えている。
食糧自給率の改善にもつながるこの問題、玉ねぎに限った話ではないが農協や全農も目先の利潤追求ばかりしていないでマジメに我が国の将来を見据えた戦略を打ち出してもらいたいものである。お得意の政官界との太いパイプは私腹を肥やすために使わないでほしいのね。