高岡のコロッケソース

縁も所縁もないモノを持ってきて「コレがオラが町の名物だー!」とばかりに祭りの神輿を担ぎあげようとする“エセB級グルメ”とは違い、コロッケでの町おこしが軌道に乗りつつある富山県高岡市は由緒正しき歴史に裏打ちされた“コロッケの街”なのである。

明治時代に市内の洋食レストランで提供されたコロッケは、戦後には庶民に最も親しみ深いオカズとして定着し“コロッケ購入額日本一”という頂点に昇り詰めるまでになった。その額は年間で約8億5千万円にも上り、同市の重要な産業となっている。
来年には開町400年という大きな節目を迎える高岡は慶長14年(1609年)加賀藩二代藩主前田利長公によって開かれ、紡績などの工業や北陸米取引といった商業の中心都市として発展してきたワケなのだが、ヒトの集まる場所には味噌・醤油に始まる基本食材調味料の製造も当然盛んになるもので、コロッケのお伴としてのソース作りもソコが起点となっている。
友人が旅先で購入してくれたこのコロッケソースも高岡の山元醸造さんという江戸時代から続く老舗の製品で「とろまろ」と「レトロ」の二種類が用意されている。
「とろまろ」は同市の国吉地区で生産されている“国吉りんご”、富山市山田村産の“柿酢”といった地元産の原料を使用していて自然な甘みが素晴らしいし、生野菜にかけて食べてもその美味しさが際立つ。
一方「レトロ」は約50年の歴史を持つ「ヤマゲン・ソース」の味を受け継いだ和風の醤油風味となっていて、ほとんどトロミのないサラサラ加減から想像もつかない旨みが滲み出る逸品だ。
良くしたものでドチラのソースもコロッケとの相性が抜群であり、今まで神戸のブラザーどろからソース一辺倒だったボクのソースライフは裾野がグンと拡大したようである。


高岡コロッケ実行委員会
http://www.taka-coro.com/


山元醸造株式会社
http://www.yamagen-jouzou.com/