ホッケのみりん漬焼とグリーンピースごはん

脂の乗ったホッケは開きでの流通が多くとても人気があるが、この“みりん漬”もまた時折食べたくなる美味しさがある。

沿岸に生息する真ホッケよりも深い海域に生息する縞ホッケの方が脂のりもよく美味であると言われており、店頭で販売される価格にもその結果が如実に反映している。それでも近海モノの金目鯛の開きなどは大きなものだと千円前後であるのに対し、縞ホッケはその半分程度でずいぶん庶民テキなお魚だ。
以前はこうしたみりん漬といった加工品は比較的下のクラスの食材を用いるケースが多かったものの近年はゼイタクになり、より美味しさを求めては上等なモノを使う商品が多くなったように見受けられる。鮮度の落ちたものは論外だが、刺身で食べられるようなイキのいいヤツを干したり漬けたりしたものはやはり抜群に旨みがあり食後の満足感も一味違う。
このみりん漬も真ホッケではなく縞ホッケを用いちょっとリッチなお味になっていて身離れのよいジューシィな身肉をクチに運ぶと味醂の甘さとホッケの脂が一体となって非常に旨く、微かに漂ってくるコンブのような磯の香りと共に満足するのだ。
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本来ならば酒を準備してはホッケみりん漬焼の美味しさをさらに深く追及したくもなるのだが、この日はとても良い頂きモノがあった。ご近所さんが丹精込めて育てたグリーンピース(青えんどう豆)、しかもサヤを剥いた状態でお持ちいただいたのは有難いではないか。「ウ〜ム、ソレなら大好物の豆ゴハンにして食すのがイチバンなのね♪」と、哀しいかな酒は当日のリストから除外されてしまった。
売りモノのグリーンピースと違い色もカタチも不揃いだが何と云ってもさっきまで畑で日光を浴びていたお豆ちゃんだ、甘みと香りがダンゼン違う。炊きあがりメロディーを今か今かと待ち続け炊飯器のフタを開けると素晴らしい香りが立ち昇り、食事が始まる前からウキウキした気分になってしまう。
厳寒の北の海で漁獲されたホッケに初夏の味わいである豆ゴハン…なんともシアワセな夕食は、未だ薄明るい空を眺めながらの時間なのである。











Afternoon, May.20.2009. @MyGarden