友人を案内した沼津港へ日も空けずに再び行ってしまった。おバカと言われそうだが地元テレビ局のグルメ番組で“天丼”の美味そうなヤツを紹介していて矢も楯もたまらず…といったところだ。
市場の立体駐車場にメガーヌをネジ込んで歩いてゆくと夥しい数の客が通りに溢れている。当然のコトながら目当てのお店も行列が出来ていてとても耐えられない状況だった。
仕方がないのでどこかベツのお店を探そうではないかといくつかの候補に絞り込んで狙いを定めたが、ドコも決め手に欠けてフンギリがつかないのだな。大体において観光地仕様なのか価格がスペックのワリに高すぎるのである。たしかにごリッパな海老や希少食材を天ぷらにして乗せてくれてはあるものの¥2000前後という設定は如何なものか。そんなにハデでなくとも宜しいのであって楚々とした新鮮な地魚を使い、もうちょっと普段着なドンブリを望んでいるのだよ。もっとも、そんなモノが喰いたいならこのような観光スポットに来る方が間違っている…という考えの方が正しいかもしれない。
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そんな混乱の中でふと見つけたお店が博雅亭(はくがてい)さんだ。なんと豊富な海鮮がウリの港観光スポットの中にある蕎麦屋なのである。天丼目当てに来た場所でまさか蕎麦屋に入るコトになるとは思わなかったが、店先に掲示されていた『博雅贅沢丼セット』に惹かれて暖簾をくぐった次第である。
自慢の湧水打ち込み蕎麦に鮪のスキ身丼、釜揚げシラス丼、生桜海老のかき揚丼、ワサビの茎の甘酢漬がセットになって¥1000の超目玉だ。
レギュラーサイズの1/3ほどの量が一杯のドンブリだが、具はたっぷりと乗っていて申し分ない。シラスの釜揚げは炊き込みご飯にトッピングされているのもちょっと変わっていて珍しい。まったりトロリとしたマグロのスキ身やサクサク香ばしい揚げたて桜海老かき揚げ…ウ〜ム、天丼願望も一部満足されたではないか。そして肝心の蕎麦もジツに美味い。
待っている間に店内のポップに見つけた“鮪炙りせいろそば”、次回は必ず食して見るべしとココロに刻んだが、お店を出て電飾看板を見るとソレがタイトルになっているではないか。文字通り看板メニューだったのである。
◆博雅亭(はくがてい)
静岡県沼津市千本港町109
TEL=055-963-5889
ACT=10:00-20:00 水曜定休
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