イナカの秋・実りの秋

富士宮市の西に位置する芝川地区の北には精進川地区というものがあって、弥生時代の遺跡があったり古くからの寺社なども多くなかなかに興味深いものがある。
富士山の湧水が豊富に流れ集まり文字通り精進川を形成しては芝川に合流し、それはまた富士川に注ぐ…といった豊かな自然に恵まれた地域でもあり地区のいたるところに湧水がシミでていて水路には清らかな水が滔々と流れる姿には本当に感動する。
知る人ぞ知るというヒミツの湧水ポイントを道すがら出会ったオバアちゃんに教えていただいたりして大いにキブンのよい経験もするのだな。いや〜その水はジツに旨味のある柔らかさがあって美味いものであった。今度タンクを持参してその天然バナジウム水を汲みに行って来よう♪とニマニマなのである。そうした水で炊いたゴハンは本当に美味しいモノになるし、お茶やコーヒーはもちろん、ダシがとても良く出る…つまり味噌汁や煮物などでは塩分を控えても本当に美味しい料理が出来上がるワケなのであって、そんな水がタダで無制限に頂けるなんてこれ以上のシアワセはないのである。

その日は天気も良く刈り取った稲の乾燥を終え脱穀作業に忙しい農家の方々を多く目にした。ガッコーがお休みの日でもあったのかコドモも何人かその作業を手伝ったりしていて「あ〜ニッポンの風景、ほのぼのしたイナカでいいよな〜」などとヒトの苦労も知らずに嬉しくなってしまった。コドモも暗い顔でイヤイヤそれを手伝っているワケでもなく、家の中でゲームやケータイにたっぷりドップリという街中のコドモとは大違いなのであって、両親あるいは祖父母と共にニコヤカかつイキイキとその作業に取り組んでいる様子はあるべき正しい姿を見たような気がする。
少し離れた場所には稲作地以外にも様々な作物の畑地が広がっていて、ゆっくり歩き見て回ると季節の移ろいを如実に感じ取ることが出来る。綺麗な畝となって陽光に輝く蕎麦の畑もあって、実が成熟して収穫出来るようになるまであともう少しだろうか。

農民市場にも『新蕎麦粉』というポップが掲げられるのが楽しみになってきたし(う〜ん、今年は蕎麦打ちにもチャレンジしてみよーかな…)などと実りの秋はいよいよ佳境に達しているのだな。
遠くから眺めると蕎麦畑は白とグリーンが美しいコントラストを成しているが、近寄ってよく見ると軸の部分は真っ赤でこの部分まで食べられそうな気にもなる。花アブが忙しく飛び回っては花蜜を吸っていて、弱々しくなり始めた陽の光を精いっぱい浴びている蕎麦がかわいらしいではないか。

精進川はその源流を朝霧高原入口の上井出にある白糸の滝に持っていて、その水量の多さにも納得出来る。近辺でニジマスイワナ・ヤマメなどを養殖する人々の水源となっているらしく、あちこちで小さなイケスというか貯め池のようなものを見かける。
前述した湧水の場所を教えてくれたオバアちゃんもその一人だったが、もう高齢となったのでその事業はヤメてしまった…とのことだった。結構な面積の池には綺麗な水が豊かに流れ、巨大なニジマスがまだ何尾も生息していた。
コレは喰わないのか?と訊くとオバアちゃんは「マスが可愛いもんでさ、もう食べねーだよ。みんなはモッタイネーって云うんだけどね、あっはっは〜」とアッサリと語り、でも毎日エサは与えていると嬉しそうにマスを眺めていた。


ツリガネタケ
サルノコシカケ科 ツリガネタケ属


年々少しずつ発達を繰り返すためか表面には年輪のような環状紋様ができている。
キノコ本体を突き刺して成長した原木の枝や寄生している植物のツルがその形成速度の遅さとこのキノコの生きている月日を物語る。
いちおーこのテのキノコには抗ガン作用があるとか延命長寿の特効薬として古くから民間治療薬として重用されてきたが、科学テキな判定は今のところ行われておらずナゾのままである。霊芝とかアガリスクなどもこのナカマらしい。


精進川近くの雑木林で




☆ また蕎麦が食べたくなりました(笑)
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Sora



5:03PM, October 23. 2010.