■ 喫茶 ペンタゴン
" レトロ " とは違う老舗喫茶店の佇まい
カレーやラーメンを食べたあとってアイスが食べたくなりませんか?
まあヒト夫々ですから嗜好の押し売りはしませんけれど、少なくともボクは絶対にアイスですね。お家でもソトでもそれは間違いなく湧き出づる感情なのでありまして、安物棒アイスから高級カップ製品まで隙なく準備網羅し冷凍庫でスタンバイさせているのであります。まあこいつが美味いったらありゃしない!てなもんさ、夏はガリガリ系~冬は濃厚まったり仕様まで楽しみは尽きないもんです。
ところが現在のように出張ちうの宿舎暮らしとなりますとそーゆー芸当がなかなか出来ないのでありまして、休日の昼めし外食のあとはどこかテキトーなお店を探してはヨクボーの消化に努めるわけです。幸いなことにナゴヤはそのテのお店に困ることはなく、予てからメをつけていた喫茶店に向かうわけです。
喫茶ペンタゴンさん…昭和52年創業の老舗喫茶店です。津島市役所の真ん前に在って、周囲のマンションやビルとは隔世の感のある外見が印象的です。信長ラーメンさんで『赤いラーメン』を食したエロおやぢはまっしぐらにこちらを目指したわけですが、お店のインテリアはヨーロピアンが基調となった "昭和モダン" とも表現したらいいのでしょうか、単なる" レトロ " とは違う老舗喫茶店の佇まいにビビビッと来てしまうのです。
バイアスグリッドの窓、ブラウンのレースカーテン、ランプ風のペンダントライト、ウィンザー調の各種設え…正統派で折り目の正しさがうかがえる佇まいが出迎えてくれます。
ペンタゴンの店内_191027 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
日曜日の午後でしたが、先客は誰もおらずボクひとりの貸し切り状態でした。入店したときは店主殿はカウンターでスポーツ新聞を開いていたのでありますが、その身なりはキチンとしたもので、蝶ネクタイこそしてはおりませんが如何にもムカシの喫茶店のマスターって感じのベストを着用しておられました。
今の若い方々の感覚からすると古臭いもののように思えるかも知れませんが、もはや過去のヒトとなりつつあるエロおやぢテキ基準ではそういった正式な服装をしていてこそのプロフェッショナルなのでありまして、客の方もキリっとした態度と所作で接するべき…というものが常に介在しているのであります。お店のプライドの象徴でもあるでしょう。
さてパフェではなくシェイクやスムージーでもなく、とにかくフツーのアイスクリームってやつが食べたい…と思っていたら、何と!こちらのお店にはそのものズバリがあるではありませんか…しかもパフェやサンデーは提供していなくてこれオンリーって云うものです。
あぁ、なんてスバラシいんでしょ!昭和の時代を知っていて本当に良かった!って思う瞬間です。
アイスクリームグラスに盛られたバニラアイス、そして添えられているものはウェファース・ヅメカンみかん・同じくヅメカン真っ赤チェリー…ってさ、もうこーゆー商品を出している喫茶店は非常に珍しいでしょうな。
生フルーツやホイップクリームなどのゴーカなデコレーションはされていないけれど、コドモのころにデパートの大食堂でトキメいたような静かな幸福感があるヴィジュアル、そしてそれを裏切ることのないバニラアイスの優しい甘さ、ウェファースの香ばしさと食感にヅメカンフルーツの酸味…このバランスが大切なんです。近ごろのスイーツのように緊張感や刺激とか面白さと見た目の奇抜さばかり…つまり他人の目線とウケばかりを追求した食べ物とは次元の違う「自分のためのシアワセ」がここにある気がします。
このあと温かいコーヒーを一杯いただいて帰りました。静かで、そして満ち足りた休日の午後でした。
◆ 喫茶 ペンタゴン
愛知県津島市立込町2丁目 66
TEL=0567-24-0782
ACT=7:00-17:00 月曜定休