『ほや』のお刺身

『ほや』のお刺身

三陸の人々が愛する海のパイナップル

近所のスーパーで「東北フェア」が開催されておりまして、まあ例によってアレコレ買い求めてきたわけです。そのひとつがこの『ほや』ですね、きっと食したことのない方も多くいらっしゃると思いますので簡単な説明をしますと、こんなイソギンチャクみたいなカタチ(下のパッケージフォト参照)をしておりますが貝類ではありませんし、もちろん魚類でもありません。実は動物に近い脊索動物(せきさくどうぶつ)門の一種に分類されていて、けっこー特殊な生物のようです、興味を持たれた方はご自身で調べて下さいね。

宮城県産 刺身ほや

世界各地の海域に生息しておりますが、海水温の低いエリアを好むようでニッポンでは北海道や東北地方で多く水揚げされます。殊に三陸海岸はその名産地で、養殖も行われています。もうホントに何十年ぶりかでこの『ほや』をいただきましたよ、そう東京の大田区に住んでいたころ以来かな…静岡では魚屋さんの店頭に並ぶことはないので、スーパーでこのパックを見つけた時は小躍りして喜び、そして即カゴとなったわけです。
食べやすいように皮は除去され身肉だけが海水とホヤ自身のツユに漬けられていて、鮮度や風味がしっかり保持される工夫がされておりました。けっこーいいお値段がするので購入したのは1パックのみ、あとはホタテ貝やサーモンのお刺身でアシストですな。

『ほや』のお刺身   Nippon Kogaku NIKKOR-H Auto 50mm F2   SONY α7

ほのかな磯の香り、お味は独特なものがありますがクセはなく、ちょうど白ミル貝のような甘みと香りですね。滑らかな舌触りと、ほんの少しだけ鳥貝を噛むくらいの心地よい抵抗があるだけです。あぁ旨いじゃないか…ここで出会えるとは思っていなかったよ。
ワサビ醤油でいただいていると、前述の甘みのほかに酸味・塩味・苦味そして旨味といった味の五大要素が複雑に絡み合って次々と現れ、お酒が進んでしまって困るのですな。
この日は静岡市内で昔から蔵元を構える萩錦酒造さんの「純米吟醸 萩錦」を相棒に『ほや』のお刺身をいただきましたが、いや~もうサイコーですね、とても綺麗で柔らかな風味が東北の海の幸とこれほどまでによく合うとは思いもしませんでした。

純米吟醸 萩錦

ちょうど『ほや』は今が旬で、春先から夏の終わりごろまでが美味しいと言われる季節です。今回はストレートにお刺身を楽しみましたが、このほかに焼いたり汁物にしたり、天ぷらや炊き込みご飯も絶品だと聞きます。あぁ一度フルコースで食べてみたいものです。そして近年のお若いシェフたちは「アヒージョ」などにして食すアイデアも実践していて、あらゆる食べ方に応用の利く『ほや』なのですな。うっふっふ~燻製ってテもあるようなので、そのうち何処かで入手したいものです。
そのカタチから海のパイナップルと呼ばれ三陸の人々に愛される『ほや』、その理由はとてもよく解る気がします。



 
 
 
 

水無月の庭風景  アオダイショウのお出かけ


河川護岸の石積みの穴には
どうやらアオダイショウが住みついているようでして
こんな風ににょろ~っと出てくるところを見つけてしまいました
川付近は小動物も多いし適した環境なのでしょうね

水無月の庭風景 アオダイショウのお出かけ   Nikon AF-S NIKKOR 70-300mm F4.5-5.6G ED VR  NIkon D300