毛ガニの旬はやはり冬か

初めて入ったスーパーの鮮魚コーナーは某大手業者が運営していてナカナカの品揃えだった。
その中で目に付いたのはやっぱりカニなのよ、しかも活き毛ガニ。

 例によってオガクズにまみれ哀れな姿でさらし者にはなっていたが活きには違いない、¥980という価格は大きさからいっても飛びっきりのバリューであまり迷わずに購入を決定した。
店長さんに一番重いヤツを選んでもらい「どうだ!」と言わんばかりにレジにカゴを置くカイカン…
 早速お家に持ち帰り長旅の疲れを洗い流してやったのよ。オガクズがすっかり落とされスッキリした毛ガニ君はゲンキにハサミを持ち上げるが、そんなヒトトキもわずかな時間だった。蒸し器ちゃんが「カモ〜ン♪」とムラムラお熱蒸気で待ち構えていて、その餌食となってしまったのね。
 約20分間の奮闘を終え、紅潮した面持ちで出てきた毛ガニ君はハラを上にして息絶えてはいたが、その白く美しい身肉とまったり美味なミソを後世に遺して逝ったのである。


 もちろん毎度のお楽しみである甲羅のカニ肉詰めを今回もジッコーした。ホジホジ端っこを口に運びながらビールをグビリ…、ひたすら耐えてソノ時を待つ楽しさと云ったら無上のヨロコビなのねー
本当は殻から外したらすぐさまバックリいきたいトコロなのであるが、ガマンのし甲斐はフィニッシュで満たされるのよ。
テーブルに飛び散った汁やカラもふき取り、手を洗いイザ…


ん〜、やっぱり美味いのだー♪


 ただ、昨年大晦日に食した毛ガニに比べると身の甘みやミソの濃厚さは若干薄らいでいる。
やはり毛ガニの旬は冬にあり…そんなジジツを確かめてしまった夏の終わりなのである。



ピエモンテシャルドネパンピー
DOC 白・ED
シャルドネ100%


グレープフルーツやライムの柑橘系のさわやかさを持っているが、ゆったりとした果実味は干し草や木の実の香りをそっと隠している。
若々しい酸味がカニ白身と甘みにピッタリにキレ込み、チョイスが成功であったコトを証明してくれた。
ヘタな冷酒で台無しにしてしまうコトを思うと、葡萄のお酒が何でこんなに海鮮にマッチするのか…と不思議な気持ちにもなるのだ。